2.薬用型大麻と繊維型大麻は同じ植物?違いはあるの?
大麻草の花穂や葉を乾燥させたり、樹脂化、液体化させたものがいわゆる「大麻(マリファナ)」。ヘンプの繊維を採取できるのも、違法薬物の大麻の原料となるのも、同じ大麻草です。
ただし、大麻草は含まれる化合物の割合によって、薬用型、中間型、繊維型の3つの品種に分かれます。向精神作用のない繊維型の品種は、海外では産業用ヘンプと呼ばれ、合法的に栽培・利用できる国もあるのです。
2-1.薬用型大麻に含まれる化合物と、大麻の薬効
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大麻草が向精神作用を持つかどうかは、大麻草に含まれる物質群カンナビノイドのうち、THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)の2つの成分の割合や濃度で決まります。大麻草の品種によって持っている酵素が違うため、含まれる化合物も変わってくるのです。
向精神作用の中心となる成分がTHCで、薬用型にはTHCが2~25%含まれ、CBDはあまり含まれません。中間型にはTHCとCBDが同程度含まれますが、THCの作用の方が強く出るため、少ないながらも向精神作用を示します。
大麻の乱用では、一般的に気分が爽快になったり多幸感が得られるようです。一方で、感覚過敏による体調不良を起こしたり、集中力が低下します。常用で暴力的になったり、幻覚・妄想が生じたり無気力になることも。こういった特徴のために、大麻は違法薬物として取り締まりの対象になっています。
2-2.繊維型大麻にも向精神作用はある?
繊維型の大麻草はCBDがTHCよりも多く、THC含有量も0.25%未満と少ない品種です。CBDにはTHCの向精神作用を打ち消す働きがあるため、もし繊維型の大麻の花穂や葉を吸引しても効果は得られません。
なお、CBD製剤には鎮痛、抗不安、抗炎症、免疫抑制などの有用な薬理作用が認められ、アメリカをはじめとする複数の国において、医薬品として利用されています。大麻利用を厳しく取り締まる日本でも、CBD自体は取り締まりの対象ではありません。
3.麻と大麻、法律上の扱いは?
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古来より、日本ではヘンプを麻繊維として多用してきました。日本の在来品種は繊維型に近かったとみられ、大麻吸引の習慣はなかったのです。海外の薬用型大麻、およびその向精神作用が知られるに従い、日本でも昭和5年(1930年)より大麻の規制が始まります。第二次世界大戦後の昭和23年(1948年)、GHQからの要請もあり、現行法の大麻取締法が定められました。
下駄の緒や畳の糸、漁網など身近に広く用いられていたヘンプでしたが、法整備に加えて生活スタイルの変化もあり、国内の利用は激減。麻繊維としての需要は、法規制のないリネンやラミーに取って代わられることとなります。
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