この記事では「喪服」と「スーツ」の違いについてみていきます。どちらもフォーマルな場での服装というイメージがあるよな。違いはずばり「色、素材、デザイン」のようですが、それらは本来区別して着用するものであり、喪服には格式によって異なった装いも存在する。今回はそんな「喪服」と「スーツ」それぞれの色やデザインの特徴、歴史について、雑学大好きライターSadaieと一緒に解説していきます。

ライター/Sadaie

プログラマー、ヘルプデスク経験者。パソコン関係以外では文学、歴史が好き。それらの知識をわかりやすいかたちで配信したいと考えている。

喪服とスーツでは色が違う!

image by iStockphoto

喪服とスーツの違いの一つ目は「色」になります。

喪服の色は黒

葬送に用いられる喪服の色は「漆黒」と呼ばれる深い黒色に定められており、光沢がなく、無地のものに限ります。

シャツは白無地、ネクタイやベルト、その他の持ち物はすべて黒に統一しましょう。

スーツの色はグレーかネイビー

対して、ビジネスの場で着用されるスーツはグレーかネイビー(紺色)がほとんどです。その他の派手な色のスーツもありますが、ビジネスフォーマルとは言えないでしょう。黒っぽいスーツもありますが、ダークネイビーかチャコールグレーであることがほどんどです。チャコールとは炭のこと。

ただし、モードファッションにおいては光沢のある黒色のスーツが着られることもあります。モードファッションとは流行を取り入れたファッションのこと。

スーツの歴史

image by iStockphoto

スーツの発祥地は英国(イギリス)です。

16世紀ごろ一般市民の外出着であった「フロックコート」と呼ばれるコートがその原型とされ、そこにシャツ、パンツ、ネクタイを加えたスタイルが主流になっていきました。その後、貴族たちも着用するようになったことでフォーマル化。外出着であったため、ロング丈であったコートの丈を短くして、現在のジャケットの形になりました。

喪服はなぜ黒になったのか?

喪服が黒になった理由には諸説あり、定かではありません。かつて王制派の人々が黒色で揃えていた、とある王妃が何物にも染まらない故人への永遠の愛を示すために黒色の喪服を着用したなどという説があります。

喪服とスーツは素材にも違いがある

喪服とスーツの違いの二つ目は生地の「素材」になります。素材の違いは「色」ほど厳密に意識する必要のない定義でしょう。

ウールのみが正しい喪服

喪服の生地の素材は基本的にウール(羊の毛)のみ。ウールはその他の繊維と比べて光沢が抑えられるためです。

ポリエステルでもOKなスーツ

対して、スーツの生地の素材にはそれ以外の様々なものが使用可能です。ウール以外の素材として一般的なものを挙げるなら、合成繊維のポリエステルが挙げられますね。高級な物だと、ヤギの毛のカシミアやモヘアがありますね。

喪服には好まれるデザインがある!見分け方は?

image by iStockphoto

喪服とスーツの違いの三つ目は「デザイン」になります。喪服には好まれるデザインがありますので注意が必要です。カジュアルな要素を廃し、フォーマルなディティールにする訳ですね。

男性の場合:ズボンの裾はシングル、サイズ感にはゆとりを持って

わかりやすい箇所では、ズボンの裾はシングル、ゆとりのあるシルエットというのが基本になります。ダブルの裾やピチピチの喪服は好ましくありません。ボタンの掛け方はシングルでもダブルでも大丈夫です。

細かいところだと、ラペルのステッチとベント。ラペルとは上着の下襟のことで、カジュアルなものにはミシンや手縫いのステッチ(縫い目)があります。ベントとは上着の背面の切り込みの事で、切り込みがあるものがほとんど。しかし、喪服の場合はその切込みがない方が望ましいのです。

女性の場合:スカートの丈には気を付けて

男性と違い、女性の場合は喪服として黒スーツ以外にもワンピースやセットアップを着用することができます。気を付けたいのはスカートの丈。短くてもひざが隠れる程度のスカート丈が好ましいでしょう。

\次のページで「喪服にはランクがある!使用できる場面の違いとは?」を解説!/

喪服にはランクがある!使用できる場面の違いとは?

喪服にはその格式によってランクがあり、今までの話に出てきた喪服とは「略礼装」と呼ばれ、それよりも上位の装いを「正礼装」と呼びます。

最上位の喪服 モーニングコート

最上位の喪服に、長い着丈の上着に黒のベストと縦縞のパンツを合わせるモーニングコートがあります。これは喪主や親族および近親者が、お通夜と三回忌以降の法要を除く弔事で着用するもの。一般参列者は通常の喪服を着て出席するのがルールです。

日本での喪服の定番 ブラックスーツ

上に挙げたモーニングコートは現在では弔事の際にも着用しないことの方が多いでしょう。通常このブラックスーツを着用します。

普段の仕事着 ダークスーツ

急な訃報でお通夜や葬儀に参列する際、喪服を持っていない場合もあるでしょう。その場合ダークスーツでの参列も可能です。平常時の装いなので別名平服(へいふく)。しかし、その際にも柄はやはり無地、光沢を抑えた目立たないものが好ましいでしょう。

\次のページで「基本的に兼用はNG!喪服は「故人への礼儀」正しい装いを」を解説!/

基本的に兼用はNG!喪服は「故人への礼儀」正しい装いを

ダークスーツでの参列も可能ではあるのですが、ブラックスーツを着用している人がほとんどでしょう。喪服は5年、10年と使用するもの。一着持っておくことが望ましいです。体系の変化も考慮してズボンやスカートにはウエスト調整用のアジャスターが付いたものがおすすめ。喪服は故人への礼儀と捉え、切り分け、ファッションはスーツで楽しみましょう。シチュエーションに合わせた着こなしが大人のマナーです。

" /> 3分でわかる喪服とスーツの違い!色や素材、デザインの違いについて歴史を踏まえて雑学大好きライターがわかりやすく解説! – Study-Z
暮らし雑学

3分でわかる喪服とスーツの違い!色や素材、デザインの違いについて歴史を踏まえて雑学大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「喪服」と「スーツ」の違いについてみていきます。どちらもフォーマルな場での服装というイメージがあるよな。違いはずばり「色、素材、デザイン」のようですが、それらは本来区別して着用するものであり、喪服には格式によって異なった装いも存在する。今回はそんな「喪服」と「スーツ」それぞれの色やデザインの特徴、歴史について、雑学大好きライターSadaieと一緒に解説していきます。

ライター/Sadaie

プログラマー、ヘルプデスク経験者。パソコン関係以外では文学、歴史が好き。それらの知識をわかりやすいかたちで配信したいと考えている。

喪服とスーツでは色が違う!

image by iStockphoto

喪服とスーツの違いの一つ目は「色」になります。

喪服の色は黒

葬送に用いられる喪服の色は「漆黒」と呼ばれる深い黒色に定められており、光沢がなく、無地のものに限ります。

シャツは白無地、ネクタイやベルト、その他の持ち物はすべて黒に統一しましょう。

スーツの色はグレーかネイビー

対して、ビジネスの場で着用されるスーツはグレーかネイビー(紺色)がほとんどです。その他の派手な色のスーツもありますが、ビジネスフォーマルとは言えないでしょう。黒っぽいスーツもありますが、ダークネイビーかチャコールグレーであることがほどんどです。チャコールとは炭のこと。

ただし、モードファッションにおいては光沢のある黒色のスーツが着られることもあります。モードファッションとは流行を取り入れたファッションのこと。

スーツの歴史

image by iStockphoto

スーツの発祥地は英国(イギリス)です。

16世紀ごろ一般市民の外出着であった「フロックコート」と呼ばれるコートがその原型とされ、そこにシャツ、パンツ、ネクタイを加えたスタイルが主流になっていきました。その後、貴族たちも着用するようになったことでフォーマル化。外出着であったため、ロング丈であったコートの丈を短くして、現在のジャケットの形になりました。

喪服はなぜ黒になったのか?

喪服が黒になった理由には諸説あり、定かではありません。かつて王制派の人々が黒色で揃えていた、とある王妃が何物にも染まらない故人への永遠の愛を示すために黒色の喪服を着用したなどという説があります。

喪服とスーツは素材にも違いがある

喪服とスーツの違いの二つ目は生地の「素材」になります。素材の違いは「色」ほど厳密に意識する必要のない定義でしょう。

ウールのみが正しい喪服

喪服の生地の素材は基本的にウール(羊の毛)のみ。ウールはその他の繊維と比べて光沢が抑えられるためです。

ポリエステルでもOKなスーツ

対して、スーツの生地の素材にはそれ以外の様々なものが使用可能です。ウール以外の素材として一般的なものを挙げるなら、合成繊維のポリエステルが挙げられますね。高級な物だと、ヤギの毛のカシミアやモヘアがありますね。

喪服には好まれるデザインがある!見分け方は?

image by iStockphoto

喪服とスーツの違いの三つ目は「デザイン」になります。喪服には好まれるデザインがありますので注意が必要です。カジュアルな要素を廃し、フォーマルなディティールにする訳ですね。

男性の場合:ズボンの裾はシングル、サイズ感にはゆとりを持って

わかりやすい箇所では、ズボンの裾はシングル、ゆとりのあるシルエットというのが基本になります。ダブルの裾やピチピチの喪服は好ましくありません。ボタンの掛け方はシングルでもダブルでも大丈夫です。

細かいところだと、ラペルのステッチとベント。ラペルとは上着の下襟のことで、カジュアルなものにはミシンや手縫いのステッチ(縫い目)があります。ベントとは上着の背面の切り込みの事で、切り込みがあるものがほとんど。しかし、喪服の場合はその切込みがない方が望ましいのです。

女性の場合:スカートの丈には気を付けて

男性と違い、女性の場合は喪服として黒スーツ以外にもワンピースやセットアップを着用することができます。気を付けたいのはスカートの丈。短くてもひざが隠れる程度のスカート丈が好ましいでしょう。

\次のページで「喪服にはランクがある!使用できる場面の違いとは?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: