取引先や目上の人に対して使用する際は、「わかる(了解する)」の謙譲語「承知しました」がふさわしい言葉とされています。ちなみに「承知いたしました」との言い方の方がより丁寧なように感じますが、「承知する」がすでに謙譲語ですので、「承知しました」で失礼にあたることはないようです。先ほども触れたように「了解いたしました」も間違いではないものの、相手が上司だったりシチュエーションによっては失礼に捉えられる可能性もあります。その為、ビジネスシーンでは「承知しました」を使うのが一般化されているようです。
今回はそんなよく似た言葉の違いを、もともとの言葉の持つ意味を確認しつつ、了承とも比べながら雑学好きなライター食いしん坊主婦と一緒に解説していきます。
ライター/食いしん坊主婦
食べることと調べることが大好き。気になった物事はついつい調べてしまうが忘れっぽいのが難点。
了解と承知の違いはニュアンスにあり!?
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了解と承知、似たような言葉ですがビジネスシーンにおいては特にどちらがいいのだろう?と迷いながら使っている方も多いのではないでしょうか。でもよく考えてみると、「了解!」とは普段でも使いがちですが「承知!」とは言いませんよね。実際口にしてみると、了解はくだけた言い方で承知はかしこまったニュアンスがあるのを感じ取っていただけるかと思います。次で詳しくみていきますが、それはどこに重点を置いているかがが違うからなんです。
了解と承知、どこに重点が置かれているのかの違い
了解と承知の違いはニュアンスにあり、意味のどこに重点を置くかが違います。もともとの言葉の意味から分かることなのですが、了解は「理解」することに重点が置かれており、承知は相手の事情や依頼を「知る」・「聞く」ことに重点が置かれているんです。
了解と承知のそれぞれの意味の違い
上記でも触れましたが、了解と承知の重点の違いはもともとの意味を見れば分かりやすいと思います。それぞれの意味は、
了解
・物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。「―が成り立つ」「来信の内容を―する」
・《(ドイツ)Verstehen》ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。
承知
・事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。「無理を―でお願いする」「君の言うことなど百も ―だ」「事の経緯を―しておきたい」
・依頼・要求などを聞き入れること。承諾。「申し出の件、確かに―した」
・相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。「この次からは―しないぞ」
(出典:goo辞書)
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