オムレツはフランスで確立
オムレツは英語で「omelette」や「omelet」という卵をといて焼き固めた料理を表します。鳥の卵をといて焼いた料理としての起源は、古代ローマや古代ペルシャなど諸説ありますが、現在の定番なオムレツの作り方はフランスで確立されました。
オムレツの語源となったと言われる話もフランスにあります。
昔フランスの王様が散歩中に空腹になり、立ち寄った家の主人に料理を頼んだところ、すぐに卵を焼いた料理をふるまってくれました。そのあまりにも素早く手際のよい様子を見て「オム・レスト」(男・早い)、つまり「素早い男」だと感心したそう。そこから王様にふるまった料理としてオムレツという名前になったと言われています。
オムライスは日本発祥
オムライスは日本生まれの洋食メニューで、英語の「omelette」や「omelet」とライス(米)を合わせた和製外来語です。
発祥のお店として有名なのは、銀座の「煉瓦亭」と大阪心斎橋の「北極星」。まずは1900年に洋食店の煉瓦亭で賄い料理として生まれた「ライスオムレツ」という料理は、多めのとき卵にご飯や具材などを混ぜ入れて焼いたオムレツのような形のもので、卵で包まれたいわゆるオムライスとは少し違っています。
その後1925年、北極星の前身の店「パンヤの食堂」という洋食店で、いつもご飯とオムレツばかり頼む常連客に、店主がケチャップライスを薄焼き卵で包んだものをふるまい、その料理に「オムライス」と名付けられました。
オムレツとオムライスの種類は?
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フランスから世界中に広まっていったオムレツと、日本で生まれ定着していったオムライスは、いわゆる定番の調理法以外にもさまざまなバリエーションが存在します。具材やソースの違いなども合わせてみていきましょう。
オムレツは具材や形もさまざま
卵に生クリームが入ったフランス由来のふんわりオムレツは、日本ではホテルなどでシェフが作ってくれ、そのとてもきれいな形はいつも驚いてしまいます。とはいえ一般家庭ではなかなか上手に作るためのハードルが高く、日本の家庭料理でのオムレツとはひき肉と玉ねぎなどの食材を炒めたものを、焼き広げた卵に包んだものが一般的です。ケチャップをかけて食べると美味しいですよね。
他にもスペインの「スパニッシュオムレツ」は、フライパンやスキレットにとき卵と細かく切った玉ねぎやジャガイモを混ぜ入れて、しっかりと固まるまで焼きあげ、カットして出される料理です。
アメリカでよく食べられる、ハムやチーズと野菜を卵に混ぜて焼いた大型サイズの「デンバー・オムレツ」や、中国料理で日本では「かに玉」として知られる「芙蓉蟹」(ふようはい)など、各地さまざま種類のオムレツがあります。
オムライスはご飯の味付けやソースが豊富
オムライスの定番といえば、鶏肉を使ったチキンライスに薄焼き卵で木の葉型に包んだ形ではないでしょうか。家庭では鶏肉の代わりにハムやウインナーを使って簡単にできるケチャプライスのオムライスもよく作られ、洋食店とはまた違う懐かしい感じが好きだという方もいますよね。うちも子どもたちにはケチャプライスで作ることが多いです!
オムライス専門店では中のライスの味付けをバターライスなどに選ぶことが出来たり、ソースもデミグラスソースやホワイトソース、和風のオムライスでは醤油や出汁をきかせたスープがかかったオムライスまでアレンジの幅も広く楽しめます。
また卵にも変化があり、今までの卵で包むスタイルから、ふんわりと半熟に焼いた卵をのせる「ふわとろオムライス」などと呼ばれるオムライスも人気で、今ではカフェなどのおしゃれな店ではほとんどがこのふわとろオムライスですね。
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