
羊羹の種類
・練り羊羹:寒天を溶かした水に、小豆餡を加えて練ったもの。
・水羊羹: 寒天の量は最小限に抑えた羊羹。
・蒸し羊羹:寒天を使用せず、小麦粉や葛粉を使用して蒸しあげてつくられる羊羹。
・でっち羊羹:小豆の出汁で作られる羊羹。近畿地方を中心に食べられている。
・玉羊羹:ゴム風船を容器として使用した羊羹。
羊羹とういろうの名前の由来と歴史

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羊羹とういろうの違いを確認してきましたが、羊羹とういろうという名は果たしてどのような由来から来ているのか。その歴史と共に以下より解説していきます。
1.羊羹:もともとは羊のお肉を煮込んだスープだった!?
今でこそ日本の和菓子として定着している羊羹ですが、かつては中国の料理だったそう。もともとは羊のお肉を煮込んだスープのことをさし、「羊」の「羹(あつもの=熱いお吸い物)」に由来するそうです。日本へは鎌倉時代から室町時代にかけて伝わり、当時日本の禅宗ではお肉を食べることが禁じられていたことから、羊肉をあずきで見立てて作られるようになりました。それが現在の日本における羊羹の原型となったそうです。
2.ういろう:薬の名前「外郎(ういろう)」に由来する!?
続いてういろうについてですが、その由来は諸説挙げられます。1つは、薬の名前である外郎から由来しているという説。これは中国の薬の調達をする官職(礼部員外郎)にあった陳宗敬という人が日本に帰化した際、痰切りなどに効く万能薬「透頂香」、別名「外郎(ういろう)」を伝えたことがきっかけだという説です。また、外郎薬の口直しに用いた菓子が薬の形や色に似た菓子だったから、「外郎」と呼ぶようになったともいわれています。
似た様なお菓子「きんつば」との違いは?

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羊羹・ういろうに加え、混同しやすい和菓子として挙げられるのが「きんつば」。きんつばとは、寒天で固めた粒あんを小麦粉の皮で焼き包んだ和菓子になります。あんこを寒天で固めるという点では羊羹と似ていますが、その大きな相違点は小麦粉の皮で包むという点です。ういろうとは羊羹と同様、原料が異なります。
きんつばの名前の由来とは?
きんつばは漢字で「金鍔」と表記されますが、もともとは江戸時代に京都で生まれた「銀鍔(ぎんつば)」がルーツとされています。銀鍔は日本刀の留め具部分をヒント・モチーフに作られた和菓子で、銀鍔から金鍔へと変化したきっかけは、庶民へ銀鍔が徐々に広まっていく際に「金の方が縁起が良い」といった理由で金鍔という名が定着していったそう。
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