
A10神経系はどこにあるの?
A10神経系が存在するのは中脳辺縁系の腹側被蓋野(VTA)というところです。そこから伸びて脳の様々なとこに繋がっています。
前頭連合野をはじめ偏桃体、側坐核、帯状回、視床下部、海馬に伸びています。これらは報酬系のメンバーです。A10神経系が興奮すると神経細胞(ニューロン)同士をつなぐシナプスを介して神経伝達物質であるドーパミン(ドパミン)が放出され、報酬系が活性化することで快楽を感じるということになります。
やる気・集中力につながる自己報酬系

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好きな事なら何時間でも続けられるのに、嫌いな勉強はやる気も起きなければ集中もできない、というのはよくあることですよね。これは脳の仕組みから言って仕方のないことなんです。そして、そこにはA10神経系が関係しています。
まず、前頭連合野という知的活動の中枢となる場所で「面白そう/つまんない」や「好き/嫌い」などの感情を判別します。このときポジティブな気持ちであった場合には神経伝達物質としてグルタミン酸が放出されA10神経系を興奮させるのです。そこからは快感を感じる報酬系が活性化する、というのは先ほど述べた通りですね。
この自己報酬系の活性化はやる気や集中力などのモチベーションのアップに繋がります。だから好きなことであればA10神経系によって脳が活性化され、やる気が向上すんですよ。
どうしたら「やる気」がでるの?やる気を出す秘訣

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A10神経系が「やる気」に深く関係していることが分かったところで、「やる気」をだすためには具体的にどうするのが有効なのでしょうか。A10神経活性化の観点から考える、やる気を出す秘訣について見ていきましょう。
目標設定を工夫する

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A10神経系を活性化させるために有効な手段の1つは「これを達成すると楽しいこと・良いことがある!」と思わせることです。例えばこの課題を終わらせたらご褒美にお菓子を食べよう!この試験に合格したら楽しいキャンパスライフが待っている!などの達成後のご褒美のイメージを持つと良いでしょう。
その他にも、A10神経系を含む報酬系の特徴として「もう少しで達成できそう」というときに強く活性化することが挙げられます。なので、果てしなく通い目標を目指すよりも、すこし頑張れば達成できそうなところを目標として設定していくと「やる気」を出しやすいですね。
エクササイズする

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運動もやる気をだすために有効な手段です。運動をするとドーパミンの分泌が増えるということが報告されています。デスクに座りっぱなしでいるよりも、適度に散歩などの運動を取り入れた方がかえってやる気が出て効率が上がるでしょう。
音楽を聞く

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音楽によってA10神経系が活性化することが知られています。とくにクラッシックはその効果が大きいということが科学的に証明されているんですよ。ある企業でクラッシク音楽を流した状態で業務を行ったところ、業務効率が向上したという報告がある程なので勉強中にクラッシック聞いてみてはいかがでしょうか。
A10神経系は依存症とも関わりあり!

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ここまでA10神経系はやる気や集中力に関係しているというプラスの働きについて解説してきました。しかし、A10神経系は同時に依存症とも関係があることが報告されているんです。この章ではA10神経系を介して依存症となるメカニズムについて解説していきます。
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