
ジルコニウムは金属元素のうちの1つです。実はこの元素は数多くの次世代技術を支える物質です。この記事では、ジルコニウムとその化合物の性質や用途を詳しく説明する。その説明の中では、家庭用燃料電池などの省エネルギー技術についての話題も登場するぞ!ぜひ、この機会にジルコニウムについての理解を深めてくれ。
化学に詳しいライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。
ジルコニウムについて学ぼう!
Alchemist-hp (pse-mendelejew.de). – 投稿者自身による作品, FAL, リンクによる
皆さんはジルコニウムという物質をご存知でしょうか?ジルコニウムは、元素周期表の中では5行目に存在しており、中学校や高校の化学の授業でもあまり取り扱われない影の薄い元素です。しかしながら、その単体や化合物は持続可能な社会を実現するために必要な次世代技術などに用いられています。
つまり、現在は影が薄いジルコニウムですが、今後期待が集まる可能性が高い物質なのです。今回の記事では、このようなジルコニアを化学・物理学・工学などの様々な学問の視点で解説していきます。それでは早速、ジルコニウムがどのような物質であるのかを説明していきますね。
ジルコニウムとは?

image by Study-Z編集部
ジルコニウムは原子番号が40の金属元素であり、元素記号で表示するとZrとなります。ジルコニアは遷移元素で、チタン族に属しますよ。また、世界的に見た場合にも、その埋蔵量は少なく、レアメタルに属する元素でもあるのです。
単体のジルコニアは銀白色をしており、常温では六方最密構造の結晶になります。そして、ジルコニアは空気中で表面に酸化皮膜ができることが知られていますよ。つまり、ジルコニアは不働態なのですね。加えて、ジルコニアは人間にとって危険物・有害物になりにくいものでもあります。そのため、安全が求められる医療器具・装飾品などにも使われていますよ。
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