
3分で簡単抵抗とインピーダンスの違い!両者の定義を現役理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!
コンデンサ

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コンデンサ(キャパシター)は電気を静電エネルギーとして蓄えるための部品です。コンデンサが蓄えることができる電気の量は、容量F(ファラッド)で表されます。コンデンサは電源の安定化のために使用されたり、ノイズフィルターとして使われたりしますよ。
直流に対して、電源投入後を除き、コンデンサは絶縁体として作用することが知られています。一方、交流に対して、コンデンサは電気を通すことが知られていますよ。ただし、コンデンサは交流電流を無制限に流すわけではありません。つまり、コンデンサは交流電流を流しにくくする作用があるのです。この作用の度合いは容量性リアクタンスXC[Ω]で表されます。
コイル

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コイル(インダクター)は電気を磁気エネルギーとして蓄えることができる部品として知られています。その能力の大きさは、自己インダクタンスH(ヘンリー)という値と相関がありますよ。コイルもコンデンサと同じような用途で使用されます。
コイルに直流電流を流すと、電源投入後を除いて、導体として振る舞いますよ。一方、交流をコイルに印加すると電流を流れにくくするように振る舞うのです。コイルが交流を流しにくくする作用の度合いは、誘導性リアクタンスXL[Ω]で表されます。
抵抗とインピーダンスの違いについて結論を出そう!
ここまでのチャプターで、抵抗とインピーダンスの違いを理解する上で必要になる前提知識をすべて説明することが出来ました。それでは、遅くなりましたが、本題に入っていきましょう。
以下では、抵抗とインピーダンスの定義をそれぞれ考えて、両者の違いを明らかにしていきますよ。また、抵抗とインピーダンスがどのような単位を使って表されるのかという点も考えてみましょう。
抵抗とインピーダンスの違い

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抵抗とインピーダンスはどちらも電流の流れにくさを表す指標ですが、対象となる電気の種類が異なりますよ。抵抗は直流電圧を印加したときの電流の流れにくさを表します。つまり、回路中に存在する抵抗器の成分のみを考慮した値となるのです。
一方、インピーダンスは交流電圧を印加したときの電流の流れにくさを表します。つまり、インピーダンスの値は回路中の抵抗器・コンデンサ・コイルのすべてを考慮したものになりますよ。つそれゆえ、インピーダンスの大きさは抵抗値(レジスタンス)と容量性・誘導性リアクタンスの3つの値を用いて算出されます。
抵抗とインピーダンスの単位
抵抗とインピーダンスはどちらともΩ(オーム)という単位を用いて表されます。それゆえ、電気工学に関する文書の中でΩという表記を見つけた時には、抵抗とインピーダンスのどちらを表しているかをしっかりと確認する必要がありますよ。
同じ単位であっても表しているものが全く違うということは、今回のような抵抗とインピーダンスの違いだけには限られません。単位を見ただけで数値の意味を判断することなく、文脈から数値の意味を考える習慣も大切ですよね。
抵抗とインピーダンスの違いを学ぶ意義
抵抗とインピーダンスはどちらも電流の流れにくさを表す指標であり、単位も同じものを使用しますよね。そのため、両者の違いをよく理解できていない方が多いかと思います。
実は、多くの製品の仕様表には抵抗やインピーダンスの文字が存在しますよ。身近な例としては、スピーカーやテレビの接続ケーブルの仕様表などが挙げられます。身近な存在でありながら、あまり知られていない抵抗とインピーダンスの概念をぜひこの機会に身につけてくださいね。