この記事ではブリ・ハマチ・カンパチの違いついてみていきます。3種類とも、回転寿司やスーパーでもお馴染みの魚です。味や見た目が似ていると言われているが、調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回はそんなブリ・ハマチ・カンパチの違いを魚の種類から確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

食いしん坊な料理好きライター。ササッと魚を捌ける人に憧れ、最近は魚料理に挑戦中。日々の料理経験を活かして、違いをわかりやすく解説していく。

ブリ・ハマチ・カンパチってどんな魚なの?

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スーパーなどでもよく見かける、ブリ・ハマチ・カンパチ。刺身や照り焼き、煮付けなどにもしても美味しいですよね。日頃から購入することも多いのではないでしょうか?

しかし「正直に言うと、ブリやハマチやカンパチの違いがよく分からない」という方も多いはず…。初めに、どんな種類の魚なのかを確認していきましょう!

スズキ目アジ科ブリ属の魚

ブリ・ハマチ・カンパチは、スズキ目アジ科ブリ属というジャンルの仲間です。ただブリとハマチは同じ魚を指しますが、カンパチは違います。スズキ目アジ科ブリ属には、どんな魚がいるのか見てみましょう。

スズキ目アジ科ブリ属の魚

・ブリ(ハマチ)
・カンパチ
・ヒラマサ
・ヒレナガカンパチ

国内の海にいるのは上記の4種のみ。ちなみにブリは、日本近海にしか生息していません。

スズキ目アジ科ブリ属は回遊魚と呼ばれるタイプの魚です。日本の近くをぐるっと泳ぎ回っているので、季節などによって捕れる場所は異なります。またブリやハマチはだいたい大群を作って泳ぐのに対し、カンパチやヒラマサは単体で泳ぐことも。

ブリやハマチに比べて、捕獲量が少ないカンパチやヒラマサは高級魚と言われています。

出世魚って何?

ブリ・ハマチ・カンパチについて調べたとき、「出世魚」という言葉を見かけたことはありませんか?この出世魚という言葉は、それぞれの違いを知るうえで大切なポイントです。詳しくご紹介していきます。

\次のページで「成長と共に名前が変わる魚」を解説!/

成長と共に名前が変わる魚

出世魚とは、成長と共に名前が変わる魚のことです。出世魚という言葉は、昔の人(主に武士など)の名前に関する風習が関係しています。

昔の人は、成人を迎えるときや地位が上がって出世したときなどに、名前をよりふさわしいものへと変えていました。出世魚と呼ばれている魚も成長するにつれ、見た目などが大きく変わっていきます。

この特徴がポイントとなり、昔の人の風習にちなんで出世魚と呼ばれ、古くから縁起のいい物としてお祝い事の贈り物に使われてきたそうです。

ブリ・ハマチ・カンパチが、出世魚に当てはまるのか詳しく見ていきましょう。

ブリの名前の変化

ブリは出世魚の代表格です。稚魚〜成魚になるまで名前が変わります地域によって呼び名もそれぞれ違います。いくつかピックアップして、例をまとめてみました。

・関東地方
モジャコ(稚魚)→ワカシ→イナダ→ワラサ→メジロ→ブリ

・北陸地方
ツバエリ→コズクラ→フクラギ→ガンド→ブリ

・関西地方
モジャコ(稚魚)→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

・山陰地方
ショウジゴ→ワカナ→メジロ→ハマチ→ブリ

・九州地方
ワカナゴ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ→オオウオ

みなさんは「ハマチ」という名称が入っていることに気づいたでしょうか?実は、ハマチは成魚になる前のブリなのです。

カンパチの名前の変化

カンパチもブリと同じく、成長と共に名前が変わる魚です。しかし、カンパチは出世魚ではないという説があります。まず、名前の変化を確認してみましょう。

・関東地方
モジャコ(稚魚)→シオッコ→シオゴ→アカハナ→カンパチ

・関西地方
モジャコ(稚魚)→シオ→カンパチ

\次のページで「ブリ・ハマチ・カンパチの違いを詳しくチェック」を解説!/

カンパチが出世魚じゃないと言われる理由の1つは、名前の漢字に魚へんがついていないから。カンパチは漢字にすると「勘八(間八)」となるので、確かに魚へんは付いていません。

ブリなど他の出世魚には全て名前の漢字に魚へんが付いているので、カンパチは当てはまらないという意見もあるようです。

他には、昔カンパチはブリの旬が来るまでの代役と考えられていたので、「出世しているとは言えない=出世魚じゃない」という見方もできますね。

ブリ・ハマチ・カンパチの違いを詳しくチェック

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同じブリ属の仲間であるブリ・ハマチ・カンパチですが、味や見た目、旬にどんな違いがあるのか気になりますよね?それぞれ詳しくご紹介していきます。

ブリ・ハマチ・カンパチの「味」の違い

魚自体が違うブリ(ハマチ)とカンパチはもちろん、同じ魚であるブリとハマチも味に違いはあります。ここでは、シンプルに「刺身」で食べた場合の違いを見ていきましょう。

・ブリ
天然物:ほどよい脂でくどさがない。身が締まっていて歯応えがある。旬を迎えた寒ブリは脂がたっぷりのって甘く、口の中でとろける。
養殖物:旬に関係なく脂がのっていて、うま味を感じる。

・ハマチ
天然物:脂が控えめであっさり。歯応えも硬め。
養殖物:まんべんなく脂がのっていて、こってりした味わい。

・カンパチ
天然物:生臭さがなく、後味もさっぱり。ブリやカンパチに比べて脂は少ないがうま味はしっかりある。コリコリした食感を楽しめる。
養殖物:天然のカンパチに比べ、脂がのっていてジューシー。食感も柔らかめ。

ブリ・ハマチ・カンパチの「見た目」の違い

ブリ・ハマチ・カンパチの見た目について、まずサイズの違いを確認してみましょう。地域によって異なりますが、ブリは80cm以上・ハマチは30cm〜60cm・カンパチ60cm〜80cm以上であることが多いです。

外見の違いは、ブリやハマチは背の部分が青っぽく、カンパチは赤っぽい色をしています。また、ブリやハマチは口元が尖っていて、カンパチは丸いのも特徴。カンパチは正面から見ると、漢字の「八」のような線が目の上に入っているのもポイントです。

天然物の切り身を比べるとブリは赤みが強く筋がはっきり見え、ハマチは全体的に赤みが淡く、カンパチは白っぽい色味をしています。

\次のページで「ブリ・ハマチ・カンパチの「旬」の違い」を解説!/

ブリ・ハマチ・カンパチの「旬」の違い

ブリ・ハマチ・カンパチは、それぞれ旬の時期も違います。ブリは11月〜2月の冬、ハマチは7月〜11月、カンパチは6月〜11月の夏から秋にかけてが旬。

3種とも養殖が盛んな魚なため、スーパーや魚屋さんでは時期に関係なく売っていることが多いです。

ブリ・ハマチ・カンパチは、似ている魚ですが細かくみるとそれぞれ特徴があります。特に天然物で比べて見ると、違いがわかりやすいです。

味は、カンパチ→ハマチ→ブリの順で右に行くほど脂がのっています。切り身の見た目も、カンパチ(白)・ハマチ(淡い赤)・ブリ(赤)と色味に違いが。

養殖だと3種とも脂がのっていて、色味も白っぽいので見分けが難しくなります。味比べをしたい場合は天然物で試して見るのもオススメです。

ブリ・ハマチ・カンパチは天然と養殖どちらが多い?

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ブリやハマチ、カンパチはスーパーや回転寿司などでもよく見かける魚です。1年中味わえることから、養殖自体は盛んに行われているということはわかりますね。

しかし、天然と養殖のどちらが多いかは知らない方も多いと思います。実際のところどうなのか、一緒にチェックしていきましょう。

ハマチとカンパチは養殖が多い

結論をいうと、スーパーや回転寿司に出回っているハマチとカンパチは、養殖物がほとんどです。理由は回遊魚であるということ。日々泳いでいる場所が変わるので安定して獲ることができません。

そして何故ブリとハマチは同じ魚なのに、ハマチの養殖が特に多いのかというと「サイズ」が原因です。元から安定的に捕れない魚なのに30cm〜60cmくらいのものという条件がつくと、さらに捕獲量は下がるから。カンパチについては、元々ブリやハマチより捕獲量が少ない魚なため、スーパーや回転寿司で供給するには養殖が必須です。

ブリは旬を迎えるとスーパーなどで手軽に天然物を購入できますが、ハマチやカンパチの天然物はめったに出回りません。普段見かけるハマチとカンパチは、養殖物が圧倒的に多いと言えるでしょう。

違いを知ってより美味しく食べよう!

ブリ・ハマチ・カンパチはよく似ていると言われる魚ですが、それぞれ脂の乗り具合や食感などは違います。また、天然物と養殖物でもそれぞれ違った美味しさを楽しめる魚です。

天然物は旬の時期に魚屋さんや魚市場などで探してみるのもいいでしょう。気になる方は実際に食べ比べてみるのがおすすめ!違いを知ったうえで調理すると、より美味しく食べられますよ。

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3分でわかるブリ・ハマチ・カンパチの違い!出世魚の代表格?味や見た目など、料理好きライターがわかりやすく解説

この記事ではブリ・ハマチ・カンパチの違いついてみていきます。3種類とも、回転寿司やスーパーでもお馴染みの魚です。味や見た目が似ていると言われているが、調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回はそんなブリ・ハマチ・カンパチの違いを魚の種類から確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

食いしん坊な料理好きライター。ササッと魚を捌ける人に憧れ、最近は魚料理に挑戦中。日々の料理経験を活かして、違いをわかりやすく解説していく。

ブリ・ハマチ・カンパチってどんな魚なの?

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スーパーなどでもよく見かける、ブリ・ハマチ・カンパチ。刺身や照り焼き、煮付けなどにもしても美味しいですよね。日頃から購入することも多いのではないでしょうか?

しかし「正直に言うと、ブリやハマチやカンパチの違いがよく分からない」という方も多いはず…。初めに、どんな種類の魚なのかを確認していきましょう!

スズキ目アジ科ブリ属の魚

ブリ・ハマチ・カンパチは、スズキ目アジ科ブリ属というジャンルの仲間です。ただブリとハマチは同じ魚を指しますが、カンパチは違います。スズキ目アジ科ブリ属には、どんな魚がいるのか見てみましょう。

スズキ目アジ科ブリ属の魚

・ブリ(ハマチ)
・カンパチ
・ヒラマサ
・ヒレナガカンパチ

国内の海にいるのは上記の4種のみ。ちなみにブリは、日本近海にしか生息していません。

スズキ目アジ科ブリ属は回遊魚と呼ばれるタイプの魚です。日本の近くをぐるっと泳ぎ回っているので、季節などによって捕れる場所は異なります。またブリやハマチはだいたい大群を作って泳ぐのに対し、カンパチやヒラマサは単体で泳ぐことも。

ブリやハマチに比べて、捕獲量が少ないカンパチやヒラマサは高級魚と言われています。

出世魚って何?

ブリ・ハマチ・カンパチについて調べたとき、「出世魚」という言葉を見かけたことはありませんか?この出世魚という言葉は、それぞれの違いを知るうえで大切なポイントです。詳しくご紹介していきます。

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