この記事では日蓮宗と日蓮正宗の違いについてみていきます。どちらも仏教の宗派で、思想の違いがあるイメージがあるよな。違いはずばり本仏のようですが、宗派によって思想・修行・冠婚葬祭が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。

今回はそんな仏教に欠かせない宗派の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライターの熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり日蓮宗と日蓮正宗の違いは?

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日蓮宗と日蓮正宗は仏教の宗派ですが、どういった特徴と違いがあるのでしょうか。同じ存在を本仏としているのか、思想は全然違うものなのか、この章では、違いをざっくり紹介していきます。一緒に見ていきましょう。

日蓮宗の本仏は釈迦

日蓮宗の本仏は釈迦で、「お釈迦さまは永遠の存在で、私たちをいつも近くで見守り、助けてくださる」という思想を持っています。日蓮宗は鎌倉時代の僧である、日蓮聖人が開いた宗派です。当時は自然災害や争乱が多かったため、仏教の教えを広めたといいます。

日蓮正宗の本仏は日蓮聖人

日蓮正宗の本仏は日蓮聖人で、日蓮聖人の教えを大事にしている宗派です。「南無妙法蓮華経」を唱えることにより、いかなる人も仏の境界に至ると説いていました。日蓮正宗では民衆を救済する仏として崇め、日蓮聖人を日蓮大聖人と呼んでいます。

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日蓮宗と日蓮正宗の思想の違い

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日蓮宗と日蓮正宗について、ざっくりわかりました。ここからはさらに詳しく、それぞれの宗派の違いを追っていきましょう。この章では、基礎となる思想は何か、思想をもとにどのような活動しているのか、などを解説していきます。

日蓮宗:現在の生活を大事にする

日本以外にも多くの信者が存在する日蓮宗ですが、日蓮正宗と違う点は本仏に関する考え方です。日蓮宗では日蓮聖人のことを、末法の本仏と見なしています。そして基本の思想は「来世よりも現世の生活が大事」です。この思想によって、現在を諦めず生きていくことを促しています。

日蓮正宗:経を唱えることで仏の境涯があらわれる

日蓮大聖人が在命中、経典「法華経」の究極の道理を生み出します。それが「御本尊」という信仰対象です。日蓮正宗の基本的な思想は、この御本尊に向かって経を唱えることで、いかなる人にも仏の境涯があらわれると説いています。

日蓮宗と日蓮正宗の修行の違い

日蓮宗と日蓮正宗の思想についてわかりました。続いては、それぞれの思想をもとに、僧がどのような修行をするのか紹介していきます。人間の欲望から開放され、強靭な精神を鍛えるためには、厳しい修行に耐える必要があるはずです。

日蓮宗の修行期間は100日間

日蓮宗の修行内容を、一部ご紹介します。修行時期は11月~2月で、期間は100日間です。その期間中、大本山中山法華経寺大荒行堂に籠りきりとなります。真冬の時期に、午前3時から午後11時まで、計7回の寒水による水行という厳しい修行です。

日蓮正宗総本山への「登山参詣」末寺への参詣

日蓮正宗の修行内容を一部ご紹介します。修行内容は、総本山への「登山参詣」です。ここでは仏前で読経・礼拝を主に行います。他の修行は、信仰できない人に対して「不幸や苦悩の原因が誤った思想・宗教にあることを教え、日蓮大聖人の仏法こそが真実の幸福を得る道である」という話を説くことです。

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【世界三大荒行といわれる修行】
・日蓮宗 百日大荒行
⇒あまりの厳しさから、百日大荒行と呼ばれている
寒中での水行/食事制限/睡眠制限など
・天台宗 千日回峰行
・インドのヨーガ

日蓮宗と日蓮正宗の結婚式の違い

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日蓮宗と日蓮正宗の違いや決まりは、思想や修行以外に冠婚葬祭があります。招待され何気なく足を運んでいた式は、実はどちらかの宗派であったかもしれません。この章では、それぞれの結婚式の開き方の違いについて紹介していきます。

日蓮宗:仏前結婚式

日蓮宗は仏前結婚式で、厳かで伝統的な和装婚式となります。仏前結婚式ですることは、2人が結ばれた「縁」を仏様とご先祖様に奉告し、末永く添い遂げる誓いです。よく結婚式で見かける指輪交換ですが、仏前結婚式の場合、念珠の授与だったり同じく指輪の交換だったりします。

日蓮正宗:寺院御宝前において執行する

日蓮正宗の結婚式は、寺院御宝前においての執行です。式ではいくつかの作法を行い、夫婦が末長く契りを結ぶことを御本尊に誓います。この作法には教えを子から孫へ受け継ぐという、目的が込められているのです。

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日蓮宗と日蓮正宗の葬儀の違い

日蓮宗と日蓮正宗の結婚式の違いをご紹介してきましたが、結婚式に違いがあれば葬儀にも違いがあります。この章は、それぞれの葬儀の違いについての解説です。過去に参列した葬儀は、どこの宗派だったのでしょうか。

日蓮宗:法華経のお題目を唱える

日蓮宗の葬儀では、法華経のお題目を唱えます。唱えるお題目は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」です。南無とは、一心に仏を信じることを意味します。妙法蓮華経は、お釈迦さまの教えである智慧と慈悲の功徳などです。

日蓮正宗:日蓮聖人に故人を迎えにきていただく

日蓮正宗も故人が成仏するための葬儀です。故人は日蓮聖人のお迎えのもと、三途の川を渡ると考えられています。儀式や様式に誤りがあると、葬儀の意味がなくなってしまうと考えられていますので、葬儀の流れや手順を守ることは非常に重要です。

【葬儀のマナー】
・日蓮宗
⇒喪服
焼香は1回
⇒左手に数珠を持ちながら、右手で焼香
⇒焼香の前後に合掌して一礼

・日蓮正宗
⇒喪服
⇒焼香は3回
⇒お香をつまんだら額に近づけます
⇒焼香する前は家族と祭壇に一礼

日蓮宗と日蓮正宗は思想によって違う

日蓮宗と日蓮正宗の違いは、主に思想の違いです。日蓮宗の本仏は釈迦で、日蓮正宗の本仏は日蓮聖人になります。基本の思想ですが日蓮宗は「来世よりも現世の生活が大事」、日蓮正宗は「いかなる人にも仏の境涯があらわれる」です。

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文化・歴史雑学

3分でわかる日蓮宗と日蓮正宗の違い!宗派の特徴や修行・結婚式・葬儀の違いも雑学好きライターがわかりやすく解説

この記事では日蓮宗と日蓮正宗の違いについてみていきます。どちらも仏教の宗派で、思想の違いがあるイメージがあるよな。違いはずばり本仏のようですが、宗派によって思想・修行・冠婚葬祭が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。

今回はそんな仏教に欠かせない宗派の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライターの熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり日蓮宗と日蓮正宗の違いは?

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日蓮宗と日蓮正宗は仏教の宗派ですが、どういった特徴と違いがあるのでしょうか。同じ存在を本仏としているのか、思想は全然違うものなのか、この章では、違いをざっくり紹介していきます。一緒に見ていきましょう。

日蓮宗の本仏は釈迦

日蓮宗の本仏は釈迦で、「お釈迦さまは永遠の存在で、私たちをいつも近くで見守り、助けてくださる」という思想を持っています。日蓮宗は鎌倉時代の僧である、日蓮聖人が開いた宗派です。当時は自然災害や争乱が多かったため、仏教の教えを広めたといいます。

日蓮正宗の本仏は日蓮聖人

日蓮正宗の本仏は日蓮聖人で、日蓮聖人の教えを大事にしている宗派です。「南無妙法蓮華経」を唱えることにより、いかなる人も仏の境界に至ると説いていました。日蓮正宗では民衆を救済する仏として崇め、日蓮聖人を日蓮大聖人と呼んでいます。

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