この記事では料理酒とみりんの違いについてみていきます。どちらも日本食には欠かせない定番の調味料というイメージがあるよな。この2つの違いはずばり、料理での役割にあるようです。その他にも原材料や製法、料理の使い分け方や代用可能かどうかなど調べるといろいろとあるみたいです。
今回は和食には無くてはならない料理酒とみりんの違いを、酒税法にも触れながら確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。


ライター/ささき葵

料理やお菓子作りが好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

料理酒とみりんは料理において役割が違う!

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和食などのレシピを見ると必ずと言ってもいいほど使われている、料理酒とみりん。この料理酒とみりん、「料理に使うと美味しくなるんでしょう?」となんとなくは分かっていても、どんな役割でどのように使えばいいのか分からず、うまく使いこなせないなんてこともありますよね。そんな料理酒とみりんの違いは、調味料としての役割にあります。

料理酒は素材の臭みを取り柔らかくする

料理酒を使うことで、魚や肉などの生ものの臭みを消してくれます。下味を仕込むときに一緒に漬け込んだり、加熱調理の際に使えば、料理酒に含まれるアルコールが揮発し、一緒に匂いも飛ばしてくれるのです。

さらに料理酒は料理にコクとうま味を与え、料理をワンランク上の美味しさにしてくれます。日本酒に比べると雑味が残る料理酒ですが、その雑味が料理に使うとうま味成分にかわるのです。そしてアルコールの力で素材を柔らかくし、煮崩れを防いだりうま味を中に閉じ込める働きがあります。

 

みりんは料理に甘味と照りを出す

みりんを使うことで、料理にまろやかな甘みとコクが生まれます。みりんは麹を熟成させ糖化することで、砂糖とはまた違うまろやかな甘さがあるのが特徴なので、食材に優しい甘さとコクを与えてくれるのです。

そして和食には欠かせない煮物などに、照りやツヤを出してくれます。みりんに含まれる糖類が、食材の表面に照りやツヤを出すので、見た目にも美味しそうに仕上がるのですね。みりんもアルコールが含まれるので食材の臭みを取り、煮崩れを防いで味を均等になじませる効果もあります。

料理酒とみりんの原材料と製法は?

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ここまでで、料理酒とみりんの料理においての役割が違うことがわかりましたが、2つはアルコールが含まれていましたね。では、料理酒とみりんの原材料は具体的にどう違うのか、製法についても合わせて深掘りしていきましょう。

\次のページで「料理酒の原材料と製法」を解説!/

料理酒の原材料と製法

料理酒の原材料は、米・米麹・アルコール・食塩・糖類・酸味料など。清酒を作る工程でもろみに食塩や他の調味料を加えたもので、アルコール度数は低め。

この塩分が入った料理酒は「醸造調味料」という種類になります。料理酒と書かれて販売されているものはこの醸造調味料のことで、普段飲むような日本酒とは別物です。塩分は3%前後含まれており、そのままではかなり塩辛いので味付けには多少注意が必要。清酒も料理に使えますがお酒の味が強く出すぎることもあり、料理用に作られた料理酒の方がどんな人が使っても簡単に風味をよくしてくれるのです。

 

みりんの原材料と製法

みりんの原材料は、もち米・米麹・焼酎や醸造アルコールなど。これらを合わせて約60日間をかけて糖化熟成させ、圧搾してろ過されたものがみりんとなります。熟成するともち米に含まれているたんぱく質やでんぷんなどがアミノ酸へと変化し、これがみりんの甘味や独特の風味になるのです。

みりんは正式には「本みりん」と呼ばれています本みりんに似せて作られた調味料として「みりん風調味料」というものがありますが、これと区別するためです。みりん風調味料はエタノール1%未満の水ベースで、そこに糖分やうま味調味料などを加えて本みりんの風味に近づけたもの。酒が入っていないので本みりんよりも安価で、加熱しない料理の風味付けなどにも使いやすく、本みりんの代わりに使っているという家庭も多いのではないでしょうか。

料理酒とみりんはお酒なの?

一般的な料理酒は塩分などが加えられ、お酒として飲めないように不可飲処置がされており、酒税法では酒類に該当しないため課税も対象外となります。そのため比較的に安価で、酒類販売免許のないお店でも販売できるので手軽に購入できますね。

本みりんはアルコールが14%程度含まれており、酒税法では混成酒に分類されるため課税の対象になります。お酒として扱われるため、酒類販売免許のあるお店でないと販売できません。

お酒という文字が入っている料理酒は酒類ではなく、本みりんは酒類とされているなんて逆のイメージでおもしろいですね。

料理酒とみりんはどう使い分ける?

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料理には塩味と甘味は欠かせないので、実は料理酒もみりんも同じ料理に使うことも多いんです。ぶりの照り焼き・すき焼き・肉じゃがなどにも料理酒とみりんを使えば、食材の臭みも消えて柔らかくなり、コクやうまみのある豊かな味わいに仕上げてくれますよ。その他に、それぞれ使い分ける際のポイントをご紹介します。

 

 

料理酒は塩分量を利用する

料理酒はうま味やコクを出すことはもちろん、食材の水分を保つことで柔らかくしてくれますので、煮物などに使えば柔らかさのあるうま味の詰まった味わいに仕上げてくれます。また、塩分が含まれていることを利用して、あさりの酒蒸しなどは料理酒だけでも美味しい仕上がりに。料理酒があさりのうま味を引きだし、ほどよく塩味がつくので簡単に調理できますね。

\次のページで「みりんは甘みを利用する」を解説!/

みりんは甘みを利用する

みりんは甘味付けと照りやツヤを出すことから、照り焼きなどの調理に最適です。砂糖だけではなかなか出せない照りやツヤは、みりんをつかえば簡単に出すことができ、味もまろやかに仕上げてくれます。みりんも煮崩れを防いでくれるので、煮込み料理などに使えば味も均等に染み込みやすくなりますよ。

料理酒とみりんは代用可能?

料理酒もみりんもお酒の効果は同じですが、塩味と甘味の違いがあります。料理の種類にもよりますが、料理酒をみりんの代わりに使う場合は塩分量に気を付け、砂糖などで甘みを足せばみりんの味わいに近づけることは可能です。みりんのようにまろやかな甘さやツヤを求めるなら、やはりみりんを使う方がいいでしょう。

みりんを料理酒の代わりに使う場合も、どうしてもみりんの甘みが出てしまいます。甘みのある料理なら料理酒の代わりにみりんを使うことは可能ですが、そうでない場合はみりんではなく日本酒などで代用する方がいいでしょう。

料理酒とみりんの役割を知ってうまく使い分けよう!

料理には欠かせない調味料の料理酒とみりんですが、食材をどう仕上げたいかによって使い分けるという事がわかりましたね。料理初心者の方は、料理酒の塩分とみりんの甘味に注目しつつ料理の味をイメージすれば、徐々に使いこなせるようになるはず。日本食では定番のこれらの調味料をうまく使い分ければ、料理の腕も上がること間違いなしです!

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3分で分かる料理酒とみりんの違い!料理での役割が違う?原材料や使い分け方、代用できるのかなど専業主婦歴10年の料理好きライターがわかりやすく解説

この記事では料理酒とみりんの違いについてみていきます。どちらも日本食には欠かせない定番の調味料というイメージがあるよな。この2つの違いはずばり、料理での役割にあるようです。その他にも原材料や製法、料理の使い分け方や代用可能かどうかなど調べるといろいろとあるみたいです。
今回は和食には無くてはならない料理酒とみりんの違いを、酒税法にも触れながら確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。


ライター/ささき葵

料理やお菓子作りが好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

料理酒とみりんは料理において役割が違う!

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和食などのレシピを見ると必ずと言ってもいいほど使われている、料理酒とみりん。この料理酒とみりん、「料理に使うと美味しくなるんでしょう?」となんとなくは分かっていても、どんな役割でどのように使えばいいのか分からず、うまく使いこなせないなんてこともありますよね。そんな料理酒とみりんの違いは、調味料としての役割にあります。

料理酒は素材の臭みを取り柔らかくする

料理酒を使うことで、魚や肉などの生ものの臭みを消してくれます。下味を仕込むときに一緒に漬け込んだり、加熱調理の際に使えば、料理酒に含まれるアルコールが揮発し、一緒に匂いも飛ばしてくれるのです。

さらに料理酒は料理にコクとうま味を与え、料理をワンランク上の美味しさにしてくれます。日本酒に比べると雑味が残る料理酒ですが、その雑味が料理に使うとうま味成分にかわるのです。そしてアルコールの力で素材を柔らかくし、煮崩れを防いだりうま味を中に閉じ込める働きがあります。

 

みりんは料理に甘味と照りを出す

みりんを使うことで、料理にまろやかな甘みとコクが生まれます。みりんは麹を熟成させ糖化することで、砂糖とはまた違うまろやかな甘さがあるのが特徴なので、食材に優しい甘さとコクを与えてくれるのです。

そして和食には欠かせない煮物などに、照りやツヤを出してくれます。みりんに含まれる糖類が、食材の表面に照りやツヤを出すので、見た目にも美味しそうに仕上がるのですね。みりんもアルコールが含まれるので食材の臭みを取り、煮崩れを防いで味を均等になじませる効果もあります。

料理酒とみりんの原材料と製法は?

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ここまでで、料理酒とみりんの料理においての役割が違うことがわかりましたが、2つはアルコールが含まれていましたね。では、料理酒とみりんの原材料は具体的にどう違うのか、製法についても合わせて深掘りしていきましょう。

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