この記事ではゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーの違いについて見ていきます。どちらもペットとして人気のある大型犬ですが、見た目がよく似ていることから両者を同じ犬種と勘違いしている人も多いのではないか?
調べてみると、それぞれの歴史や性格など違う点がいくつもあるようです。今回はそんな2種の違いを、動物大好き主婦ライターおかちづと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/おかちづ

美容部員・介護職・飲食店勤務を経てwebライターへ。美容と動物をこよなく愛する。今回は動物好きの知識を活かし、ゴールデンレトリバーとラブラドルレトリバーの違いを詳しく解説する。

どちらの名前にもついている「レトリバー」の意味は?

両者の名前についている「レトリバー」は、「獲物を回収する」という意味です。ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、ともに泳ぎが得意で、古くから「水漁犬」として活躍していました。

名前の意味の通り、ハンターが撃ち落とした水鳥などの獲物を泳いで回収し、陸地に戻る。両者には、狩りのパートナーとして人々と共に暮らしてきた歴史があります。

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー 見分けるポイントは?

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2つの犬種を見分ける1番のポイントは「被毛の長さ」です。全体的に毛が長いゴールデンレトリバーに対し、ラブラドルレトリバーはかなり毛が短いのが特徴。この見分け方を知っておくだけで、2種類を一目で区別することが可能です。

また、被毛の長さだけではなく、毛色の種類にも違いがありますので、もう少し掘り下げて見ていきましょう。

ふわふわした「長毛種」のゴールデンレトリバー

綺麗でツヤのある長い被毛を持つゴールデンレトリバー。被毛の色は、ゴールド・クリーム色など明るい毛色なのが特徴です。ダブルコートで毛が密生しているため、抜け毛はかなりの量になります。普段のブラッシングはもちろん、換毛期には特に丁寧なお手入れが必要です。

また、ふわふわの被毛のおかげで寒さには強いですが、暑さにとても弱いという特徴があります。夏場の温度調節には特に留意してください。

ツヤのある「短毛種」のラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーは、ツヤのあるダブルコートの短毛種です。被毛の感触が硬めなのが特徴で、日ごろのブラッシングは、ゴールデンと比べると比較的ラクになります。しかし、ラブラドールも換毛期になると抜け毛の量が一気に増える点は同じです。毛色は、イエロー・黒・チョコレートの三色で、暗めの毛色があるのもゴールデンとの違いになります。

また、被毛の短いラブラドールレトリバーは、寒さに弱い体質です。冷えから身体を守るため、食べて脂肪をつけようとしますので、食事量を適切に保ち肥満にさせない注意が必要になります。

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ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー 歴史の違いは?

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両者はよく似ているため、親戚関係のように近い犬種と思われがちですが、実はゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、出身地も先祖も別物です。ここでは、それぞれの歴史の違いについて詳しく見ていきます。

イギリス原産のゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーの歴史については不明なことも多いですが、イギリスが原産という説が一般的です。19世紀ころ、狩りで水上に落ちた獲物を、得意の泳ぎで捕まえてくれる「回収犬」として重宝されていました。人間たちの生活に密接に関わるパートナーのような存在だったのです。

1850年代頃から、明るい毛色のレトリバーを軸にいろいろな犬種の交配を繰り返し、今のゴールデンレトリバーになったと言われています。

カナダが原産のラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーはカナダが原産です。16世紀ころ、漁船に乗り北アメリカ沿岸やラブラドール半島で、人間の狩りの手伝いをしていた犬が祖先と言われています。ゴールデンと同じように、得意の泳ぎで水上に落ちた獲物捕まえてくれる「回収犬」として活躍していたわけです。

ラブラドールレトリバーは、セント ジョンズ レトリバーとニューファンドランドという犬種の交配種と言われています。

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー 性格の違いは?

ゴールデンとラブラドール、両者の性格は基本的によく似ています。人間に忠実で頭が良く、おだやかな性格。また社交性もあり人なつっこいので、ペットとしての人気が高い点も同じです。ここでは、性格の細かな違いについて見ていきましょう。

優しくフレンドリーなゴールデンレトリバー

感受性が豊かで、飼い主の気持ちに寄り添えるゴールデンレトリバー。とにかく優しくおだやかな性格なので、自分よりも小さい犬や仔犬と遊ぶときは、相手に合わせることができます。大型犬ながら、多頭飼いに向いてると言われるのは、このためです。

また、「犬種別知能ランキング」で4位にランクインしたこともあるほど、学習能力が高いのも特徴。やんちゃな一面もあるので、家族に迎えるときは早めのしつけが重要になります。

優しさと賢さを兼ね備えたラブラドールレトリバー

優しい性格・人間に従順で学習能力がとても高いのが、ラブラドールレトリバーの特徴。盲導犬として活躍するなど、自分で判断して人に寄り添い働くことが得意です。

また、おだやかで陽気な気質で、飼い主によくなつきます。食べることや遊ぶことが大好きで、散歩や運動などを家族と一緒に楽しむことを好むので、家族の一員として迎えるのにおすすめです。やや頑固でやんちゃな一面もあるので、ゴールデンと同じく迎え入れたときのしつけは重要となります。

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2つの犬種 飼う時の注意点や必要な生活環境は?

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ゴールデン・ラブラドールともに、優しくおだやかな犬種です。しかし大型犬ということもあり、飼い主や周りの人が思わぬケガをしないよう、きちんとしつけをする必要があります。飼育するスペースや年齢的な余裕はあるか、10年以上一緒に暮らすことをよく検討してから決めるのがおすすめです。

共通する注意点は「運動量」と「お迎えした時のしつけ」

飼育する際、どちらにも共通する注意点は「運動量」と「しつけ」です。大型犬ですので、必然的に運動量も多くなります。ストレスをためないよう、散歩は毎日2回・各1時間は必要です。思いきり走れるように、時々ドッグランにも連れて行ってあげましょう。

また、やんちゃな一面があるので、しつけの仕方によってはイタズラ・よく吠えることに悩まされる可能性が。体が大きいので、飼い主の言うことを聞かない犬に育つと手に負えなくなってしまいます。家族として迎え入れた時に、しっかりとしつけることが重要です。しつけに自信がない場合はドッグトレーナーを頼るのもおすすめ。

ちなみに、なんでも咥えて持ってくるのは、ある程度は許容してあげましょう。「レトリバーの血筋ゆえの行動」です。歴史的な背景や犬種の性質を知っておくことで、しつけでやめさせるべきか、ある程度はご愛敬なのかの判断がしやすくなります。

ゴールデンレトリバーは「長毛種ならではのお世話」と「弱点」にも注意

ゴールデンレトリバーは毛が長く多いため、ブラッシングや抜け毛の掃除の手間が多くなります。一戸建てと違い、特にマンションでは、エレベーターや共有スペースに抜け毛が落ちてしまうと住人とのトラブルの原因にも。住居環境の整備と、こまめなお世話が必須となります。

また、寒さに強いゴールデン・レトリバーですが、暑さにはめっぽうい弱いので、夏の飼育は温度に注意してください。真夏は、飼い主が出かける際もクーラーをいれて温度調節を続けるなど、工夫が必要です。

ラブラドルレトリバーは「食事量の調整」に注意

短毛のラブラドールは、ゴールデンとは逆で、寒さに弱いのが特徴です。毛が短く保温できない分、体を守るのが「脂肪」となります。犬自身も本能的にそれを分かっているので、脂肪を蓄えるためたくさん食べようとする傾向が。欲しがるままに多すぎる食事を与えると、あっという間に肥満になってしまいます。

太りすぎで健康を害することなく適度な脂肪を保つために、栄養バランスを考えて食事量を調整してあげることが大切です。

使役犬として活躍する姿にも注目!

ゴールデン・ラブラドールともに、おだやかな性格と学習能力の高さから、盲導犬や警察犬、また麻薬探知犬などの使役犬としても活躍しています。耳の不自由な方をサポートする盲導犬として、ラブラドールレトリバーが活躍する姿は、多くの人が見たことがあるのではないでしょうか。他にも、狩猟犬・災害救助犬・セラピー犬として、多く現場で人々の助けになってくれています。

またゴールデンレトリバーも 動きが俊敏で洞察力に優れているので警察犬・盲導犬・介助犬などとして、様々な場面で活躍中です。

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2つの犬種の違い それぞれの特徴を知って愛してあげましょう!

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー、それぞれの個性と特徴をご紹介しました。どちらも優しく賢い犬種なので、使役犬としての活躍はもちろん、家族として迎えるのにもぴったりです。しかし、飼育には小型犬よりも一層強い覚悟が必要になるでしょう。

人々を助け、かけがえのないパートナーとして長く暮らしてきた両者。それぞれの個性を愛して、知識を持って接していくことで、犬との幸せな暮らしを実現したいですね!

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生き物・植物雑学

ゴールデン レトリバーとラブラドール レトリバーの違いって?見分けるポイント・性格の違い・飼育の注意点を動物大好き主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事ではゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーの違いについて見ていきます。どちらもペットとして人気のある大型犬ですが、見た目がよく似ていることから両者を同じ犬種と勘違いしている人も多いのではないか?
調べてみると、それぞれの歴史や性格など違う点がいくつもあるようです。今回はそんな2種の違いを、動物大好き主婦ライターおかちづと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/おかちづ

美容部員・介護職・飲食店勤務を経てwebライターへ。美容と動物をこよなく愛する。今回は動物好きの知識を活かし、ゴールデンレトリバーとラブラドルレトリバーの違いを詳しく解説する。

どちらの名前にもついている「レトリバー」の意味は?

両者の名前についている「レトリバー」は、「獲物を回収する」という意味です。ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは、ともに泳ぎが得意で、古くから「水漁犬」として活躍していました。

名前の意味の通り、ハンターが撃ち落とした水鳥などの獲物を泳いで回収し、陸地に戻る。両者には、狩りのパートナーとして人々と共に暮らしてきた歴史があります。

ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー 見分けるポイントは?

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2つの犬種を見分ける1番のポイントは「被毛の長さ」です。全体的に毛が長いゴールデンレトリバーに対し、ラブラドルレトリバーはかなり毛が短いのが特徴。この見分け方を知っておくだけで、2種類を一目で区別することが可能です。

また、被毛の長さだけではなく、毛色の種類にも違いがありますので、もう少し掘り下げて見ていきましょう。

ふわふわした「長毛種」のゴールデンレトリバー

綺麗でツヤのある長い被毛を持つゴールデンレトリバー。被毛の色は、ゴールド・クリーム色など明るい毛色なのが特徴です。ダブルコートで毛が密生しているため、抜け毛はかなりの量になります。普段のブラッシングはもちろん、換毛期には特に丁寧なお手入れが必要です。

また、ふわふわの被毛のおかげで寒さには強いですが、暑さにとても弱いという特徴があります。夏場の温度調節には特に留意してください。

ツヤのある「短毛種」のラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーは、ツヤのあるダブルコートの短毛種です。被毛の感触が硬めなのが特徴で、日ごろのブラッシングは、ゴールデンと比べると比較的ラクになります。しかし、ラブラドールも換毛期になると抜け毛の量が一気に増える点は同じです。毛色は、イエロー・黒・チョコレートの三色で、暗めの毛色があるのもゴールデンとの違いになります。

また、被毛の短いラブラドールレトリバーは、寒さに弱い体質です。冷えから身体を守るため、食べて脂肪をつけようとしますので、食事量を適切に保ち肥満にさせない注意が必要になります。

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