この記事では「肩を落とす」について解説する。

端的に言えば肩を落とすの意味は「がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる。」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「肩を落とす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「肩を落とす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「肩を落とす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、この言葉の読みは「かたをおとす」です。

「肩を落とす」の意味は?

「肩を落とす」には、次のような意味があります。

1.がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「肩を落とす」

「肩を落とす」には「がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる」という意味があります。自分にとって良くないこと、起こってほしくないことが現実となってしまったとき、人間は自然とため息をついたり、背中を丸めて下を向くような仕草をしてその感情を表現してしまうものです。こうした動作が良くないことが起こったことを示唆しているとも言えます。

「肩を落とす」はがっかりしてしまうようなことが起こったという意味の仕草の一つです。よって、元気な状態の時や、良い事が起こったり、物事が良い方向に向かっている時には間違いなくしない動きとなります。

「肩を落とす」の語源は?

次に「肩を落とす」の語源を確認しておきましょう。これは、人間ががっかりしているさまを描写したことが語源となっている言葉です。人間はネガティブな出来事に遭遇したり、期待とは違う現象が発生したことを認知すると体の力が抜けてしまい、下を向いてしまったり、背中が丸まってしまったりします。

肩が垂れ下がるような様子もその一つです。次のものごとに活力を持って取り組めなくなってしまったような感情が身体表現として出てしまっている状態と言えます。

\次のページで「「肩を落とす」の使い方・例文」を解説!/

「肩を落とす」の使い方・例文

「肩を落とす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

日本一を掛けたゲームで試合結果を左右する失敗をした選手は、肩を落として球場を後にした。

例文では、大切な試合でミスをしてしまった選手が、そのショックを引きずったまま帰路につくさまを表して「肩を落とす」が使われています。団体競技であれば、チームを代表してプレーをすることの責任感やプレッシャーを背負う中で、自らのパフォーマンスや結果が望んだものに届かなければ、やはり人は気落ちするものです。

そうした時に、気丈にふるまい、気持ちを切り替えて次に臨むということも必要かもしれませんが、そうしたことも出来ず、思わずその落胆が態度に出てしまったような様子と言えます。

「肩を落とす」の類義語は?違いは?

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「がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる」という意味の「肩を落とす」という言葉。類義語としては「気落ちする」「うなだれる」「落胆する」「くじける」といった言葉たちが挙げられます。いずれも「肩を落とす」と同様に、がっかりした時、失望した時を表して使われる言葉です。

その1「気落ちする」

「失望して、気力をなくすこと」という意味の「気落ちする」という言葉。「肩を落とす」以上に、失敗や予期せぬ出来事に対してネガティブな感情を抱いていることを表して使われる単語です。肩ではなく、気持ちが落ちてしまっていると表現することで、実際の動作以上の深刻さが表現されています。

\次のページで「その2「うなだれる」」を解説!/

彼は関係性の悪い上司に叱責され、必要以上に気落ちしてしまった。

その2「うなだれる」

「失望や悲しさ・恥ずかしさなどのために、力なく首を前に垂れる。」という意味を持つ「うなだれる」も「肩を落とす」の類義語として挙げられる単語の一つです。肩が垂れ下がっているさま以上に、人の感情を象徴する顔が下を向いてしまっているということからその深刻さがうかがえます。

「肩を落とし、がっくりとうなだれる」というように、二つの表現を重ねて使うこともしばしばみられますので覚えておきましょう。

担当した区間で順位を落とし、彼女はうなだれたまま仲間に抱えられてその場を去った。

その3「落胆する」

「期待や希望どおりにならずがっかりすること。」という意味の、「落胆する」という言葉。「胆」とは、人間の体の中で勇気であったり、度胸が生じるところという意味です。そうした場所が「落ちる」のですからやはり、がっかりしているということになります。

どちらかと言えば、自らが希望しているもの、こうなってほしいという期待がある事柄が、叶わなかった時の失望感を表して使われる単語です。

代表選出は間違いないと思われていただけに、健太はひどく落胆した。

その4「くじける」

「手足の関節に無理な力が加わって、関節やその周りを痛める。捻挫(ねんざ)する。」ということから転じて「勢いや意欲がそがれる。」という意味も持つ「くじける」という言葉。希望に向かって努力をするなど、継続してきたことへの勢いや意欲的な心が折れてしまうような状態を表現して使われます。

\次のページで「「肩を落とす」の対義語は?」を解説!/

息子が受験でくじけそうなときも、お母さんは前向きに支え続けた。

「肩を落とす」の対義語は?

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「がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる。」という意味の、「肩を落とす」という言葉。この言葉と対義語になる言葉はありません。動作としては「肩を上げる」という言葉が考えられますが、この動作に感情などが乗ることはないため、対義語にはならないのです。

ちなみに、肩を上げる際に、両手のひらを上に向けた場合は「肩を竦める」となります。これは「どうしようもないという気持ちを表す時にする仕草のこと」で主に欧米などで使われるようなポーズです。しかし、これも「がっかりする」という表現と対照的な表現となることはないので、対義語にはなりません。

 

「肩を落とす」を使いこなそう

この記事では「肩を落とす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「がっかりして、力が抜けて肩が垂れ下がる。」という意味のこの言葉。背中が丸まり、うなだれるような状況と合わせて使われることも多い単語です。がっかりしていることをそのまま言葉で表す以上に、身体表現として出ていることを言い表す方がよりその深刻さが伝わるというケースもあります。大人になるほど、そうした態度を見せないように行動することを心掛けるものです。だからこそ、もし「肩を落としている人」がいたら、手を差し伸べる余裕を持ちたいですね。

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国語言葉の意味

「肩を落とす」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

彼は関係性の悪い上司に叱責され、必要以上に気落ちしてしまった。

その2「うなだれる」

「失望や悲しさ・恥ずかしさなどのために、力なく首を前に垂れる。」という意味を持つ「うなだれる」も「肩を落とす」の類義語として挙げられる単語の一つです。肩が垂れ下がっているさま以上に、人の感情を象徴する顔が下を向いてしまっているということからその深刻さがうかがえます。

「肩を落とし、がっくりとうなだれる」というように、二つの表現を重ねて使うこともしばしばみられますので覚えておきましょう。

担当した区間で順位を落とし、彼女はうなだれたまま仲間に抱えられてその場を去った。

その3「落胆する」

「期待や希望どおりにならずがっかりすること。」という意味の、「落胆する」という言葉。「胆」とは、人間の体の中で勇気であったり、度胸が生じるところという意味です。そうした場所が「落ちる」のですからやはり、がっかりしているということになります。

どちらかと言えば、自らが希望しているもの、こうなってほしいという期待がある事柄が、叶わなかった時の失望感を表して使われる単語です。

代表選出は間違いないと思われていただけに、健太はひどく落胆した。

その4「くじける」

「手足の関節に無理な力が加わって、関節やその周りを痛める。捻挫(ねんざ)する。」ということから転じて「勢いや意欲がそがれる。」という意味も持つ「くじける」という言葉。希望に向かって努力をするなど、継続してきたことへの勢いや意欲的な心が折れてしまうような状態を表現して使われます。

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