海水は上下方向にも移動している!「海洋深層水」とは

By Robert Simmon, NASA. Minor modifications by Robert A. Rohde also released to the public domain – NASA Earth Observatory, Public Domain, Link
今まで見てきたのは南の海において蒸発によって塩分濃度が濃くなるケース。では北の海も海水の凍結によって塩分濃度が高くなるのでしょうか?実は極地方の塩分濃度はかなり低いです。たしかに海水が凍結すると、水だけが凍るので塩分濃度の高い海水ができます。しかし冷たく濃いこの海水は周囲よりも密度が高くなり、海底に向かって沈んでいってしまうのです。一方、塩分をほとんど含まない氷は夏になると溶け表層の海水を薄めるので、極地方の海水は塩分濃度が低いのですね。
沈み込んだ海水は上の図でも示した通りベルトコンベアのように世界中の深海底を循環して、インド洋と太平洋で再び表面に上がってきます。水深が深い場所にある海水は海洋深層水と言われ、近年多方面から注目を集めているようです。栄養塩が豊富に含まれていることから、陸のすぐ近くに深い海がある富山県や高知県では汲み上げて海水魚の養殖をはじめとする様々な産業に使用しています。また農業分野でも海洋深層水の温度の低さを利用して土壌を冷やし、夏に冬野菜を作る試みもなされているそうです。飲料用としても販売されていますが、もちろん塩分は除去されていますよ!
海水を飲んではいけない理由とは?
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ここまで海水のしょっぱさについて述べてきたので、もしかしたら「ちょっと飲んでみようかな」と考える人がいるかも知れませんね。でもちょっと待ってください!海水は人体に悪影響があるので飲んではいけません。いったい、どんな悪影響があるのでしょうか?
塩分の人体への影響
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人間の体は体液で満たされており、その塩分濃度は0.9%です。もし3.5%の海水を飲むと、浸透圧によって体液中の水分が海水の中に吸い取られてしまいます。つまり海水を飲むと、脱水症状に陥るのです。体重60kgの人の場合、約5リットル飲むと命に関わる状態になることも。またすぐに影響がなくても、塩分の過剰摂取は腎臓に大きな負担をかけてしまいます。
有害物質も含まれている?
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海水に含まれているのは塩分だけではありません。人類が排出した汚染物質のほとんどが最終的には海に流れ込みます。その結果、海水には様々な人体に有害な物質が含まれてしまっているのです。もちろん場所によってその濃度は大きく異なりますが、有機水銀や殺虫剤などの化学物質のほか、下水由来の大腸菌やマイクロプラスチックなどを含んでいる可能性があります。
たしかに沖縄の海はしょっぱかった!
この記事では「海水の塩分濃度が場所によって違う理由」を解説しました。
海水の塩分濃度は蒸発によって高まるので、乾燥地帯にあって蒸発量の多い「紅海」の海が世界一塩分濃度が高く「しょっぱい」海です。日本国内では黒潮の流れの中にある「沖縄周辺の海」がもっともしょっぱいと考えられます。
あなたも沖縄に行く機会があったら、ちょっと舐めてたしかめてみては??でも「飲む」のは控えてくださいね!