この記事では「口走る」について解説する。

端的に言えば口走るの意味は「うっかり話してしまう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「口走る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「口走る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口走る」の意味や語源・使い方を一覧で簡単にご紹介していきます。またその他「口走る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「口走る」の意味は?

「口走る」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.無意識のうちにしゃべってしまう。「激怒してあらぬことまで—・る」
2.調子に乗って、言ってはならないことをうっかり言う。「つい秘密を—・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口走る」

「口走る」は無意識のうちに話してしまうこと、または調子にのり言ってはいけないことまで話してしまうことを意味する言葉です。二種類の意味をもっている言葉となっており、文脈からどちらの意味で使用されているか理解していきましょう。怒りから我を忘れて、思ってもいないことを話してしまう。

また本来言ってはいけない自身の持っている秘密を、調子に乗りうっかり漏らしてしまう。「口走る」はこうした二種類の状況で使われている言葉となっています。基本的には書籍・新聞などの文章中で時折使われている言葉です。語彙力を高めるためにも、この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「口走る」の語源は?

次に「口走る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「口走る」の語源ははっきりとしていません。語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。1808年の胆大小心録には「狐おどろき去る時、一たびかへり見て、婢女が面を見る。婢女しらず。其夜婢女口ばしりて云ふ」と、「口走る」が登場しています。

これは正気を失い、思わぬことを話すという意味で使用されており、現在と同様の意味となっていますね。かなり古くから現在と同様の意味で使用されていたことが分かります。語源ははっきりとしていないものの、古くから使用されていた言葉と、こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「口走る」の使い方・例文」を解説!/

「口走る」の使い方・例文

「口走る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。例文をヒントに、用法を確認していきましょう。

1.激昂のあまり、あらぬことを口走ってしまった。
2.酒を注がれ良い気分になり、うっかり秘密を口走った。
3.驚きのあまり、妙な言葉を口走ってしまう。

「口走る」は例文のように、無意識に話すこと、または調子に乗って言ってはいけないことを話すことを意味する言葉となっています。意味に二種類あり、それぞれニュアンスが異なるため、文脈からどちらの意味で使われているか判断することが大切です。普段は自制するような言葉が、無意識に口から出てしまう。

その場の調子・はずみから、つい言ってはいけないことを口にする。「口走る」はこうした場合において、使用されている言葉となっています。基本的には書籍・新聞といった文章中において使用されており、口語ではあまり使われていない点に注意していきましょう。

「口走る」の類義語は?違いは?

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続いて「口走る」の類義語・違いについて確認していきましょう。「口走る」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「口走る」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「ぽろり」

「ぽろり」は不用意に口にするという意味をもった言葉です。「口走る」と同様にうっかりと口に出してしまうことを意味する言葉となっており、よく似た意味をもった類義語となっています。こちらは特に不用意に口に出してしまう場面で使われるなど、細かいニュアンスに違いがある点に注意しましょう。

\次のページで「その2「口を滑らす」」を解説!/

その2「口を滑らす」

「口を滑らす」は言ってはならないことをうっかりと口に出してしまうことを意味する言葉です。こちらも話してはいけない秘密などを、他人にうっかり口に出すことを意味する言葉となっており、よく似た意味をもった類義語となっています。「口走る」と違い、無意識に話すという意味はない点に注意しましょう。

その3「漏らす」

「漏らす」は秘密を知らせること、または感情を思わず表情・声にして出してしまうことを意味しています。こちらも秘密を話すこと、また不用意に話してしまうことを意味しており、「口走る」とよく似た意味をもった類義語です。細かいニュアンスに違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その4「口を衝いて出る(くちをついてでる)」

「口を衝いて出る」は思いがけず言葉が出てしまう様子、または次から次へと自然に言葉が出る様子を表す言葉です。思いがけず言葉が出てしまう様子も表す言葉となっており、「口走る」とよく似た意味をもった類義語となっています。意味には二種類あり、「口走る」と異なる意味ももっている点に注意しましょう。

「口走る」の対義語は?

つづいて「口走る」の対義語についても確認していきましょう。「口走る」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「口を噤む(くちをつぐむ)」

「口を噤む」は、口を閉じ開かないこと、話すのを途中でやめてしまうことを意味する言葉です。「口走る」が無意識のうちに話すこと、調子に乗りうっかり話してしまうことを意味していたのに対し、こちらは話さないこと、言いかけて話すのをやめることを意味しています。対義語として覚えておきましょう。

「口走る」の英訳は?

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つづいて「口走る」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「Blurt out」」を解説!/

「Blurt out」

「Blurt out」は考えずに話してしまうこと、うっかり話してしまうことを意味する英フレーズです。こちらは日本語の「口走る」と同様に、無意識に話してしまうことや、言うべきでないことをうっかり話してしまうこともしっかり表現することができます。英語での表現としてこちらも覚えておきましょう。

「口走る」を使いこなそう

この記事では「口走る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「口走る」は無意識に口に出すこと、調子に乗り、うっかり話してしまうことを意味する慣用句です。意味には二種類あるため、文脈からどちらの意味で使われているのかしっかり判断し、理解していきましょう。

また類義語には「ぽろり」、「口を滑らす」、「漏らす」、「口を衝いて出る」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を前後確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「口走る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「口走る」について解説する。

端的に言えば口走るの意味は「うっかり話してしまう」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「口走る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「口走る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口走る」の意味や語源・使い方を一覧で簡単にご紹介していきます。またその他「口走る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「口走る」の意味は?

「口走る」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.無意識のうちにしゃべってしまう。「激怒してあらぬことまで—・る」
2.調子に乗って、言ってはならないことをうっかり言う。「つい秘密を—・る」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口走る」

「口走る」は無意識のうちに話してしまうこと、または調子にのり言ってはいけないことまで話してしまうことを意味する言葉です。二種類の意味をもっている言葉となっており、文脈からどちらの意味で使用されているか理解していきましょう。怒りから我を忘れて、思ってもいないことを話してしまう。

また本来言ってはいけない自身の持っている秘密を、調子に乗りうっかり漏らしてしまう。「口走る」はこうした二種類の状況で使われている言葉となっています。基本的には書籍・新聞などの文章中で時折使われている言葉です。語彙力を高めるためにも、この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「口走る」の語源は?

次に「口走る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「口走る」の語源ははっきりとしていません。語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。1808年の胆大小心録には「狐おどろき去る時、一たびかへり見て、婢女が面を見る。婢女しらず。其夜婢女口ばしりて云ふ」と、「口走る」が登場しています。

これは正気を失い、思わぬことを話すという意味で使用されており、現在と同様の意味となっていますね。かなり古くから現在と同様の意味で使用されていたことが分かります。語源ははっきりとしていないものの、古くから使用されていた言葉と、こちらもあわせて覚えておきましょう。

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