この記事では三温糖と上白糖の違いについてみていきます。どちらも料理やお菓子などの甘味をつけるための調味料の一種というイメージがあるよな。この2つは同じ砂糖ですが、違いはずばり製造工程の違いのようです。その他にも風味の特徴や料理の使い分け方、栄養成分や身体への効果など調べるといろいろとあるみたいです。
今回は料理には欠かせない砂糖の中から三温糖と上白糖の違いを、他の種類の砂糖とも合わせて確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

料理やお菓子作りが好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

三温糖と上白糖の違いは製造工程にあった!

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砂糖と言ってもいろいろな種類がありますが、みなさんはどのように選んでいますか?日本では一般的には白砂糖の上白糖が多く使われているイメージがですが、色の付いた三温糖もよく耳にすることがありますよね。この2つの砂糖、原料は同じなのですが製造工程の最後に違いがありました

原料はどちらも同じ、さとうきびやてんさい

三温糖や上白糖などの砂糖の原料は、沖縄などで栽培が盛んな「さとうきび」と、北海道で栽培されているサトウダイコンという大根のような見た目をした「てんさい」の主に2つです。砂糖はこれらを絞った汁から不純物を取り除き煮詰めて作られますが、この先の工程で砂糖は2つの種類に分類されます。

砂糖は含蜜糖と精製糖に分類される

原料のさとうきびやてんさいを絞った汁を、不純物を取り除き煮詰めて濃縮していくところまでは共通していますが、この時点で固めて出来上がる砂糖のことを「含蜜糖」と言います。そして、この時点で固めずに更に糖蜜と結晶に分離し、不純物を取り除く工程を繰り返して出来上がるのが「精製糖」と言うのです

含蜜糖はミネラルなどを含む糖蜜と、甘み成分であるショ糖に分離せずそのまま固め結晶化したもので、黒砂糖和三盆などがこれに当たります。

精製糖は糖蜜とショ糖を分離してショ糖の純度を高くしたもので、三温糖と上白糖はこの精製糖に分類されるのです。

三温糖と上白糖は最後の工程が違う!

同じ精製糖だということがわかった三温糖と上白糖ですが、糖蜜とショ糖に分けた後の工程に違いがありました。

上白糖は糖蜜とショ糖に分離する際、ショ糖以外の成分や不純物をできるだけ多く取り除きます。こうしてショ糖の結晶を取り出し乾燥させた後に糖液をかけることで、しっとり感のある糖度の高い上白糖ができるのです。

三温糖は上白糖を作った後の残った糖液にもまだミネラルやショ糖が残っているため、これをさらに煮詰めて結晶を取り出していきます。この工程を何度か繰り返すため、煮詰めた砂糖がカラメル化する原理と同じように、薄い茶色になっていったものが三温糖です。

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三温糖と上白糖はどちらが身体に良いの?

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最後の工程まではほとんど同じ作り方の三温糖と上白糖ですが、違いがあるからにはどちらが身体にとって良い影響があるのかが気になりますよね。ここからは、成分の違いなどでどちらを選ぶとより身体に良いのかを比較していきます。

成分やカロリーの違いはほとんどない!

結論から言うと、三温糖と上白糖の成分には身体に影響するほどの大きな差はありません

不純物と一緒にミネラルも取り除き、そのほとんどが甘み成分のショ糖である上白糖に比べると、三温糖はミネラルが0.25%程度は残っています。普段の食事などで取る砂糖の量から考えるとそれほど多くはないため、三温糖の方が健康に良いとは言い切れませんね。

カロリーも1gあたり三温糖では3.83カロリーに対し、上白糖では3.84カロリーとほとんど気にする差はないと言えるでしょう。

上白糖などの白砂糖は体に悪いの?

よく白い食べ物は身体を冷やすだとか、白い砂糖は漂白された証拠で害があるなどと聞いたことはありませんか?なんとなく上白糖よりも三温糖の方が色も付いていて健康に良さそうと思っている人も多いと思います。

しかし、先ほど述べた通り三温糖も上白糖も成分やカロリーにはほとんど差はなく、上白糖は健康に悪く三温糖の方が良いという理由にはなりませんね。

三温糖と上白糖の風味の特徴や使い分け方は?

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三温糖と上白糖の成分にはそれほど差がないことがわかりましたが、では実際に選ぶ基準はどこにあるのでしょう?製造工程の違いで風味が変わってくるため、それらの特徴を生かしてうまく使い分けるとよさそうです。その違いについてご紹介します。

三温糖は甘味が強くコクがある

三温糖は、上白糖を作った後の糖液を煮詰めてできるため、カラメル化した見た目と共に風味も独特なコクと強い甘みを感じられます。この特徴を活かして、昔からの日本食の煮物や佃煮などの甘さが際立つ料理にとても相性が良いでしょう。

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上白糖はクセのない甘味で万能

日本では、上白糖は砂糖の中で最も定番で、甘み成分のショ糖の割合がが97%以上を占めるため、くせのないシンプルな甘さが特徴。食材の味や色合いも邪魔することなく、どんな料理にも万能に使えることから一般家庭では上白糖が使われることが多いのです。

グラニュー糖や黒砂糖との違いは?

上白糖は、分離させてショ糖を取り出し乾燥させた後に糖液をかけるためしっとりとしていますが、グラニュー糖は糖液をかけずにそのまま乾燥させたものです。ショ糖の割合が上白糖よりも高く、99%以上を占めることからあっさりとした甘みでお菓子作りに良く使われています。海外では砂糖といえばグラニュー糖を指すことがほとんど。

黒砂糖は黒糖とも呼ばれており、沖縄や奄美大島などの特産品として有名です。さとうきびの汁をそのまま煮詰めてできるため、ミネラルなどのショ糖以外の成分が約15%程度含まれています。独特な風味と濃厚な甘みが特徴で和菓子などに多く使われており、パッケージでも黒糖入りなどと書かれているとこだわりを感じますよね。

三温糖と上白糖の特徴を活かして、料理にも応用してみよう!

なんとなく健康に良さそうだからと選んでいた人も、三温糖と上白糖の成分の差はほとんどないことがわかったはずです。製造工程が少し変わるだけで風味や甘さは変わってくるのですね。それぞれの風味の特徴を知って料理にも使い分けてみると、より変化のあるおいしい料理を味わうことができ、それが健康的な食生活にもつながるのではないでしょうか。ぜひ参考にして砂糖を選んでみてくださいね。

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3分で分かる三温糖と上白糖の違い!製造工程の違い?カロリーや健康効果、風味の特徴や使い分け方など専業主婦歴10年の料理好きライターがわかりやすく解説

この記事では三温糖と上白糖の違いについてみていきます。どちらも料理やお菓子などの甘味をつけるための調味料の一種というイメージがあるよな。この2つは同じ砂糖ですが、違いはずばり製造工程の違いのようです。その他にも風味の特徴や料理の使い分け方、栄養成分や身体への効果など調べるといろいろとあるみたいです。
今回は料理には欠かせない砂糖の中から三温糖と上白糖の違いを、他の種類の砂糖とも合わせて確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

料理やお菓子作りが好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

三温糖と上白糖の違いは製造工程にあった!

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砂糖と言ってもいろいろな種類がありますが、みなさんはどのように選んでいますか?日本では一般的には白砂糖の上白糖が多く使われているイメージがですが、色の付いた三温糖もよく耳にすることがありますよね。この2つの砂糖、原料は同じなのですが製造工程の最後に違いがありました

原料はどちらも同じ、さとうきびやてんさい

三温糖や上白糖などの砂糖の原料は、沖縄などで栽培が盛んな「さとうきび」と、北海道で栽培されているサトウダイコンという大根のような見た目をした「てんさい」の主に2つです。砂糖はこれらを絞った汁から不純物を取り除き煮詰めて作られますが、この先の工程で砂糖は2つの種類に分類されます。

砂糖は含蜜糖と精製糖に分類される

原料のさとうきびやてんさいを絞った汁を、不純物を取り除き煮詰めて濃縮していくところまでは共通していますが、この時点で固めて出来上がる砂糖のことを「含蜜糖」と言います。そして、この時点で固めずに更に糖蜜と結晶に分離し、不純物を取り除く工程を繰り返して出来上がるのが「精製糖」と言うのです

含蜜糖はミネラルなどを含む糖蜜と、甘み成分であるショ糖に分離せずそのまま固め結晶化したもので、黒砂糖和三盆などがこれに当たります。

精製糖は糖蜜とショ糖を分離してショ糖の純度を高くしたもので、三温糖と上白糖はこの精製糖に分類されるのです。

三温糖と上白糖は最後の工程が違う!

同じ精製糖だということがわかった三温糖と上白糖ですが、糖蜜とショ糖に分けた後の工程に違いがありました。

上白糖は糖蜜とショ糖に分離する際、ショ糖以外の成分や不純物をできるだけ多く取り除きます。こうしてショ糖の結晶を取り出し乾燥させた後に糖液をかけることで、しっとり感のある糖度の高い上白糖ができるのです。

三温糖は上白糖を作った後の残った糖液にもまだミネラルやショ糖が残っているため、これをさらに煮詰めて結晶を取り出していきます。この工程を何度か繰り返すため、煮詰めた砂糖がカラメル化する原理と同じように、薄い茶色になっていったものが三温糖です。

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