現在、花を咲かせる植物は約20万種あると言われているが、具体的に花にはどのような種類があるか知っているでしょうか?どのように分類するかによって花の種類の数も変わるが、この記事では花のつくりによる分類から花の種類について学んでいこう。
大学院で植物の研究していた、生物に詳しいライターAnnaと一緒に解説していきます。

ライター/Anna

大学で生物学について幅広く学び、大学院では植物の研究をしていた。生物学の楽しさをたくさんの人に広められるよう日々勉強中。

植物を分類するときは花に注目する

image by iStockphoto

現在、生物を分類する方法は様々ですが生物の分類体系を世界で初めて提唱したのはカール・フォン・リンネという人物です。リンネは生物の学名を属と種小名の二語のラテン語で表記する「二名法」を確立したことでも知られ、リンネの分類体系は現在でも引き継がれています。

また、リンネは植物を分類する際に花の雄蕊(ゆうずい)と雌蕊(しずい)の数や形に着目し、当時知られていた植物を全て分類しました。雄蕊とは簡単に言うとおしべのことで、花粉が入った葯(やく)と葯を支える花糸(かし)から成ります。一方、雌蕊はめしべのことで、子房・花柱・柱頭から成る雌性生殖器官のことです。

すなわち植物にとって花は、分類をする際にも用いられるほど非常に重要な器官であることが分かります。この記事では花のつくりや特徴による分類方法を学習しながら花の種類についての理解を深めていきましょう。

花をつくる植物とつくらない植物

花をつくる植物とつくらない植物

image by Study-Z編集部

花の種類について学習する前に、植物には花をつくるものとつくらないものがあることについて学んでおきましょう。花を咲かせて種子をつくり、種子で仲間を増やす植物を「種子植物」と呼びます。おそらくみなさんが普段目にする植物はほぼ種子植物ではないでしょうか。

一方、花を咲かせない植物は種子をつくらず胞子で仲間を増やします。教科書では種子をつくらない植物と説明されることが多いですが、胞子で仲間を増やすため胞子植物と呼ばれることもあるんですよ。胞子植物の例としてはシダ植物やコケ植物があります。

花のつくりによって植物を分類する

花は一般的におしべ、めしべ、花弁(=花びら)、萼(がく)から構成されています。葉は環境によって形や大きさが変化しやすいですが、花は環境が変化しても構造や形が比較的変わりにくいと言われているため、花のつくりによって植物を分類していると言われているんですよ。ここでは花の種類を決める2つの要素とその分類について見ていきましょう。

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花びらがくっついているかどうかで分類!

花をつくる植物を花びらのつくりで分類する方法を見ていきましょう。花びらが一枚一枚離れている花を「離弁花(りべんか)」といい、花びらが根元でくっついている花を「合弁花(ごうべんか)」といいます。離弁花をつくる植物は離弁花類と呼ばれ、アブラナ、サクラ、エンドウなどが離弁花類に含まれるんです。一方、合弁花をつくる植物は合弁花類と呼ばれ、ツツジ、アサガオ、タンポポなどが合弁花類に含まれます。

被子植物のうち双子葉類では植物の「科」ごとに離弁花と合弁花に分かれていて、例えばアブラナ科に属する植物は全て離弁花ですし、ツツジ科の植物はすべて合弁花なんですよ。一方、単子葉類は科の中でも花びらのつくりはバラバラで、離弁花類も合弁花類も混在しています。

おしべとめしべの有無で分類!

おしべとめしべの有無で植物を「単性花」と「両性花」の2つに分類する方法もあります。

単性花(たんせいか)とは一つの花におしべまたはめしべのどちらかしか持たない花のことです。おしべを持っている花は「雄花(おばな)」、めしべを持っている花は「雌花(めばな)」と呼びます。両性花(りょうせいか)とは一つの花におしべとめしべを両方もつ花のことです。種子植物の8割以上は両性花のみを咲かせます。

被子植物の場合、本来は両性花だった花のおしべが退化して雌花に、逆にめしべが退化して雄花になったと考えられているため、単性花を「不完全花」と呼ぶ場合もあるんですよ。一方、裸子植物は本来は単性花で雄花と雌花が同じ株に付いた場合「雌雄同株(しゆうどうしゅ)」と呼ばれ、別々の株についた場合「雌雄異株(しゆういしゅ)」といいます。

「科」による分類

最初に解説した通り、従来は花のおしべやめしべによって植物を分類するなど形態による分類が行われていましたが、最近では形態的特徴による分類と遺伝子の塩基配列の違いを合わせて分類を考えることも増えてきました。

ここでは生物を階級(界・門・綱・目・科・属・種)によって分けた分類のうち一番花の特徴が掴みやすい「科」に注目して、キク科、ラン科、バラ科の日本での種類数が多い3つの科について学習していきましょう。

小さな花びらが集まって一つの花をつくる「キク科」

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キク科の花は合弁花類に分類されます。たくさんの小さな花(小花)が集まって一つの花をつくっている頭状花(とうじょうか)と呼ばれる作りになっているのが特徴的です。キク科にはヒマワリ、マーガレット、コスモスなどガーデニングでよく知られている花からレタスやフキなどの野菜までたくさんあります。

被子植物の中で最も種類数が多い!「ラン科」

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ラン科は単子葉類の科の一つで、世界で約2万種存在していると言われるほど種類が多いのが特徴で暖かい地域から寒い地域まで様々な場所に適応して生育しています。

一般的には両性花ですが、少し変わっていておしべとめしべがくっついた「蕊柱(ずいちゅう)」と呼ばれる長い棒状の構造を持っているんですよ。花弁3枚と萼片(がくへん)3枚から成っていて花弁の形は品種によって異なります。ランといえば贈答品として用いられる胡蝶蘭が有名ですが、他にはバニラ、カトレアなどがあり特に鑑賞用に栽培されている洋ランについては世界各地で品種改良が行われているんですよ。

果物からガーデニングの草花まで様々な植物が含まれる「バラ科」

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バラは離弁花類に分類されます。おしべとめしべを両方持つ両性花で一般的には花びらと萼片が5枚あり、おしべが10本またはそれ以上あるのが特徴です。バラ科にはバラだけでなくリンゴ、イチゴ、ナシ、モモなど甘くて人気のある果物も多いですね。また、サクラやアーモンドなど意外な植物までバラ科に含まれていますが、どの植物の花も一部例外はありますが同じようなつくりになっています。

花言葉の由来ってなに?

花の種類によって様々な花言葉がありますよね。時にはバラのように同じ種類の花でも色によって花言葉が違うこともあります。花言葉の起源は諸説ありますが、アラビア地方の「セラム(selam)」という愛する人への気持ちを花に託して贈る風習が起源であると言われているんですよ。この風習が18世紀頃にヨーロッパに広まり、日本には西洋文化とともに花言葉が伝わったそうです。花言葉はギリシャ神話や花の特徴から付けられることが多いですが、国ごとに新しく追加することもあるそうなので国の歴史や風習が反映されていることもあります。

日本だけでも本当にたくさんの種類の花がありますが、花を見かけた時にはぜひ今回学んだ内容を少し思い出して花びらの形やおしべ、めしべにも注目してみてくださいね。

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理科生物生物の分類・進化

花の種類は何種類あるの?植物は花のつくりによって分類されている?花の構造も一緒に理系ライターがわかりやすく解説

現在、花を咲かせる植物は約20万種あると言われているが、具体的に花にはどのような種類があるか知っているでしょうか?どのように分類するかによって花の種類の数も変わるが、この記事では花のつくりによる分類から花の種類について学んでいこう。
大学院で植物の研究していた、生物に詳しいライターAnnaと一緒に解説していきます。

ライター/Anna

大学で生物学について幅広く学び、大学院では植物の研究をしていた。生物学の楽しさをたくさんの人に広められるよう日々勉強中。

植物を分類するときは花に注目する

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現在、生物を分類する方法は様々ですが生物の分類体系を世界で初めて提唱したのはカール・フォン・リンネという人物です。リンネは生物の学名を属と種小名の二語のラテン語で表記する「二名法」を確立したことでも知られ、リンネの分類体系は現在でも引き継がれています。

また、リンネは植物を分類する際に花の雄蕊(ゆうずい)と雌蕊(しずい)の数や形に着目し、当時知られていた植物を全て分類しました。雄蕊とは簡単に言うとおしべのことで、花粉が入った葯(やく)と葯を支える花糸(かし)から成ります。一方、雌蕊はめしべのことで、子房・花柱・柱頭から成る雌性生殖器官のことです。

すなわち植物にとって花は、分類をする際にも用いられるほど非常に重要な器官であることが分かります。この記事では花のつくりや特徴による分類方法を学習しながら花の種類についての理解を深めていきましょう。

花をつくる植物とつくらない植物

花をつくる植物とつくらない植物

image by Study-Z編集部

花の種類について学習する前に、植物には花をつくるものとつくらないものがあることについて学んでおきましょう。花を咲かせて種子をつくり、種子で仲間を増やす植物を「種子植物」と呼びます。おそらくみなさんが普段目にする植物はほぼ種子植物ではないでしょうか。

一方、花を咲かせない植物は種子をつくらず胞子で仲間を増やします。教科書では種子をつくらない植物と説明されることが多いですが、胞子で仲間を増やすため胞子植物と呼ばれることもあるんですよ。胞子植物の例としてはシダ植物やコケ植物があります。

花のつくりによって植物を分類する

花は一般的におしべ、めしべ、花弁(=花びら)、萼(がく)から構成されています。葉は環境によって形や大きさが変化しやすいですが、花は環境が変化しても構造や形が比較的変わりにくいと言われているため、花のつくりによって植物を分類していると言われているんですよ。ここでは花の種類を決める2つの要素とその分類について見ていきましょう。

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