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3分で簡単熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い!構造や見分け方は?代表的なプラスチックについて理系出身ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。突然だが、皆は熱可塑性、熱硬化性という言葉を聞いたことがあるか?これらはプラスチックの性質を表す言葉だ。

プラスチック材料は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分けることができる。今回はこれらの違いについて、理系出身で機械材料の特性について詳しいライター、ふっくらブラウスと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ふっくらブラウス

国立理系単科大学で機械系を専攻した理系ライター。材料の性質や加工法、機械制御など様々な分野を学習した。塾講師時代の経験を活かした「シンプルでわかりやすい解説」がモットー。

熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂って何?

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私たちが普段使っているプラスチック。大きく2種類に分けられることを知っていましたか?

プラスチック材料は加熱した時の反応により、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の2つに分けることができます。それでは、それぞれのプラスチックについて、一体どのようなものなのか一緒に見ていきましょう。

そもそも樹脂とは?

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初めに、そもそも樹脂とはどんなものなのかおさらいしましょう。

樹脂は元々松脂や漆といった、樹液が冷えて固まった物質を指す言葉でした。これら天然で採れる樹脂は天然樹脂と呼ばれています。

一方で、天然樹脂は貴重でコストが高いので、性質を人工的に再現した物質が次第に開発されていきました。石油を原料とした、これらの人工的な樹脂を合成樹脂と呼びます。

合成樹脂の大きな特徴は、熱や力によって変形する可塑性という性質です実はこの可塑性をもった物質のことを英語でプラスチック(Plastic)と呼び、日本でも同じ言葉で呼ばれるようになりました

続いて、熱可塑性、熱硬化性とは何なのか解説します。

熱可塑性とは加熱により変形する性質のこと

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熱可塑性については、チョコレートをイメージするとわかりやすいと思います。チョコレートは常温では固形ですが、熱が加わると溶けてドロドロの液体となってしまい再び冷却しないと固体になりません。

熱可塑性樹脂もチョコレートと同じように硬い状態から加熱により軟化、変形するタイプのプラスチックのことを指します。熱可塑性樹脂の熱可塑性とは、熱により可塑性を得る、つまり変形する性質という意味です。

熱可塑性樹脂はその性質から様々な形状に成形、加工しやすく繰り返し再使用も向いています。よって、ポリ袋やペットボトルなど日常でよく手に取っている製品に用いられるのが一般的です。

熱硬化性とは加熱により硬化する性質のこと

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熱硬化性はクッキーになぞらえて考えると理解しやすいです。クッキーは初めはトロトロした状態の生地で、熱が加わることで固まり固体となります。また、クッキーはその後冷えたとしても固体のままで、元の生地の状態には戻りません。

熱硬化性樹脂はクッキーと同じように、加熱によって軟らかい状態から硬化するタイプのプラスチックを指します。また、一度熱が加わって硬化すると再び軟化することはありません。

熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と比べて耐熱性、強度に優れている分、リサイクルに向かないなどの特徴があります。このため、航空機の構造材など強度が必要で、大量に生産する必要のない製品に用いられることが多いです。

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合成樹脂のうち、熱によって変形するものを熱可塑性樹脂、硬化するものを熱可塑性樹脂と区別していることがわかったな。次はこれら2種類の構造にどんな違いがあるか解説していくぞ。

\次のページで「熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の構造的な違いは?」を解説!/

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