
埴輪は様々なものを象る
Saigen Jiro – 東京国立博物館展示。撮影許可下でSaigen Jiroが撮影。, パブリック・ドメイン, リンクによる
土偶と違って埴輪には様々な形態があります。筒状のもの、人物、動物、家などを象ったもの。
画像は武人を象った国宝の埴輪で、群馬県出土の「埴輪挂甲武人」。挂甲(けいこう)とは古代の鎧のこと。縄文のビーナスと同様、どちらも写真では見たことがある人が多いのではないでしょうか。
それぞれの役割は?
土偶と埴輪の役割は全く異なります。土偶は豊穣祈願、埴輪は魔除けが目的です。
豊穣祈願の土偶
土偶の使用目的に関しては諸説あり、定かではないのですが一般的には豊穣祈願とされます。土偶は妊娠した女性を象ったものだと説明しましが、その意味は「生命の誕生」。 縄文人は土偶に安産や五穀豊穣を祈願したのです。
他に有力なのが、厄除けのまじないという説。土偶の外観の特徴に破損が多いと説明しましたが、ケガや病気の厄除けとして身代わりに破壊していたという説ですね。
魔除けの埴輪
埴輪は古墳から出土する遺物だと説明しました。古墳とは当時の権威者の墓のこと。人物、動物、家などの埴輪は葬送の儀式に似せて配置され、筒状の埴輪は古墳を囲うように配置されます(結界のような役割)。
土偶の種類は多い
土偶は年代によって外観上の特徴が少し異なっています。とても長い縄文時代のうち、中期、後期、晩期で大別して見てみましょう。
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