
銅の活用と歴史

最初に銅の産出量はペルーが世界一と書きましたが、日本でも銅は産出されていました。実は日本が銅の産出量1位だったこともあります。1700年頃は日本でも多くの銅が産出され、優れた精錬技術で純度の高い銅が作られていました。しかし、輸入に頼るようになった結果、1994年に最後の銅山である温川鉱山(青森)と花岡鉱山が閉山し今では日本で銅は産出されていません。
日本では紀元前300年、弥生時代から銅は使われていました。日本最初の流通貨幣も銅で作られています。その名も和同開珎(わどうかいほう・わどうかいちん)。和銅とは708~715年にかけての元号で、この元号は武蔵国から銅が献上されたことが由来です。ただし、流通していたかは不明ですが、683年頃に作られたと思われる富本銭という和同開珎よりも古い銅銭が発見されています。752年に作られた奈良の大仏も銅製で、山口県で発掘された銅が使われました。

日本の銅山と言えば足尾銅山を思い浮かべる人も多いだろう。足尾銅山は栃木県日光市にあった。1610~1973年まで採掘されていた銅山で、江戸時代に使われていた銭貨にもこの動画使われていた。
足尾銅山と言えば日本初の公害、秋穂鉱毒事件が起きた場所だ。
銅の合金

合金とは、「純金属に他の金属や非金属を混ぜ作られた金属」のことです。鋼やチタン合金という言葉を聞いたこととがある人も多いでしょう。金属同士を混ぜ合わせることで、元よりも優れた性質を持った金属となるのです。
身近で活躍している、銅の合金を紹介していきます。
伸銅
伸銅とは合金の種類ではありません。
コトバンクで確認すると伸銅は「銅や銅の合金を圧延や押し出しなどの方法で、板、管、棒、線などに加工すること」とされています。銅と銅の合金を加工したもの、とイメージするとわかりやすいですね。
青銅

先程からたびたび登場している青銅、いわゆるブロンズ。銅とスズの合金でその組成は次のようになっています。
銅 85~98
スズ 2~15
青銅は腐食しづらく加工しやすいのが特徴です。10円玉の素材も、この聖堂になります。
黄銅・真鍮
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亜鉛と銅の合金を黄銅と言います。真鍮ともいい、聞いたことがある人も多いでしょう。装飾品や楽器に使われ、ブラスバンドのブラストは黄銅を意味しています。5円玉もこの黄銅から作られているのです。
黄銅は亜鉛の含有量によってその色が、赤黄色から黄色になります。
銅 60~70
亜鉛 30~40