「雷を落とす」の対義語は?
次に「雷を落とす」の対義語を見ていきましょう。
「叱咤激励」
「雷を落とす」の目的は、「大声を出すことによって叱りつける」ことで、「二度と同じ過ちを繰り返さないようにさせること」であったり「現在の状態を改善するように促すこと」などがあるでしょう。
一方で、「叱りつける」方法ではなく、「良い点を褒(ほ)め、励ます」ことによって相手を元気づけるという言葉に「叱咤激励」(しったげきれい)があります。「叱咤激励」の「叱咤」(しった)と「激励」(げきれい)とは、ほぼ同じ意味ですが、「叱咤」には、「大声で励ます」という意味だけでなく、「大声で叱る」という意味で使われることもありますね。いずれにしても、「叱咤激励」は、「叱る場合もあるのかもしれないものの、目的は相手を元気づけて奮起させること」になります。「雷を落とす」は、どちらかというとその場の感情で叱りつける様子を想起させますが「叱咤激励」の方は「励ますために」発せられる言葉なのです。
「give hell to」
「雷を落とす」は、「ひどく叱ること」でしたから、高校生英語で英訳の問題が出たら、「叱る」という意味を持つ動詞、「scold」(skóʊld)を使うか、もし、「scold」が思いつかないようであれば、「大声を出す」という意味を持つ単語、例えば、「shout」(ʃάʊt)や「yell」(jél)と表現すれば、相手に意味は伝わるでしょう。
今回ご紹介するのは、「どやしつける」という意味を持つ「give hell (to)」という口語表現です。「give hell (to)」の「hell」(hiːl)は、ご存知の通り、「地獄」や「地獄のような苦悩の場所」という意味で、「give hell (to)」で、まさに「どやしつける」という意味になります。例えば、「彼をどやしつける」を英文にすると「I will give hell to him」になるわけです。「give」は、非常にひんぱんに出てくる動詞ですね。単語が頭に浮かばないようなことがあれば「give」を工夫して表現すると案外、うまく伝えられるかもしれませんね。
「雷を落とす」を使いこなそう
この記事では「雷を落とす」の意味や使い方を見てきました。「雷を落とす」は、「大声で叱りつけること」でしたね。先生が生徒に、あるいは上司が部下に大声で叱りつけることは、かってはよく目にする光景だったのかもしれません。しかし、生徒にも部下にも人権があるわけで、もし今の時代大声で怒鳴りつけるようなことがあれば、教育委員会に訴えられたり、パワハラで訴えられることもあるでしょう。自分の中で怒りがこみ上げてきたら深呼吸して自分を落ち着かせることが必要な時代になってきたのではないかと思います。