この記事では「身を立てる」について解説する。

端的に言えば身を立てるの意味は「出世する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「身を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「身を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「身を立てる」の意味は?

「身を立てる」には、次のような意味があります。

1.立身出世する。
2.生計を成りたたせる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身(み)を立てる」

二つの意味がある慣用句です。どちらの意味でも使えるようしっかり覚えていきましょう!

「身を立てる」の語源は?

次に「身を立てる」の語源を確認しておきましょう。

「身」は身体を表します。身体を立てる=起こして元気にやっていくためには生計を立てることが重要になりますね。そのため、「身を立てる」で生計を成り立たせることを表したようです。また、高位に置くことを立てるともいうので、そこから立身出世の意味にも使われるようになったようですよ。

「身を立てる」の使い方・例文

「身を立てる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.海外でサッカー選手として活躍しているなんて、彼は立派に身を立てたなあ。
2.息子は書籍の編集の仕事をして身を立てている。

1は立身出世の意味で「身を立てる」を使っています。2は生計を成り立たせるの意味で「身を立てる」を使っていますよ。少し似た意味にはなるので覚えやすいかもしれません。

\次のページで「「身を立てる」の類義語は?違いは?」を解説!/

「身を立てる」の類義語は?違いは?

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「身を立てる」の類義語にはどのようなものがあるでしょうか。早速見ていきましょう!

その1「故郷へ錦を飾る」

故郷を離れていた者が立身出世して晴れがましく故郷へ帰るという意味の慣用句です。聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。活躍している人のことがメディアで取り上げられるとき、出身地が一緒に伝えられることがありますよね。この地がこの人を生んだんだ、という感動や誇りを同郷の人々に与えると思います。そういった際にぜひ使いたい言葉ですね。

1.政界で立派に活動していて、彼はまさに故郷に錦を飾った男だ。

2.知らない人はいない、そんなスターになって故郷に錦を飾る!と彼は意気込んでいた。

3.故郷に錦を飾れるような行動をしているかと自問自答した。

故郷に錦を飾る、なかなかできることではないですよね。でも自分の行動で故郷に良い影響を及ぼせるのならこんなにうれしいことはありません。そのために何事も懸命に取り組むようにしたいですね。

その2「自立する」

他への従属から離れて独り立ちすることや、他からの支配や助力を受けずに存在することという意味の言葉です。よく使われますよね。「身を立てる」の2の意味と類似しています。

1.親元から離れて自立する。

2.自立して生活できていることの喜びを感じる。

3.「そろそろ自立しなさい!」

学生から社会人になるときに使うことが多い言葉ですよね。3の例文のように親や先生から言われる可能性もある言葉です。自立というのは立派なことですが、それはある意味、本当に困ったときに手を差し伸べてくれる人がいる状態のことでもあります。自立できる恵まれた環境に感謝したいですね。

その3「暮らしが立つ」

生活していけるという意味の慣用句です。「身を立てる」の2の意味との類似ですね。

1.やっと暮らしが立つ。

2.正直なところ、暮らしが立つかどうかという不安な感情がある。

3.修業しながらでもなんとか暮らしが立っている。

「立つ」という表現で生計を成り立たせるという意味を持たせるのは面白いですね。「暮らしが立つ」は「暮らしを立てる」とも言います。両方とも覚えておきましょう!

その4「火を吹く」

暮らしを立てるという意味のある慣用句です。他にも、ほのおが吹き出ること、銃口から弾丸が激しい勢いで飛び出すこと、内にたまっていた者が表に激しい勢いで出ることなどといった意味があります。たくさんの意味があるので気をつけて使いたい表現ですね。

1.苦難を乗り越えながら火を吹いている。

2.夫婦ともども働いて火を吹く。

3.時代に合わせた働き方で無理なく火を吹く。

生計を成り立たせるという意味での火を吹くは現代ではなかなか使う人がいないと思います。ただ、それ以外の意味ではよく使われますよね。この四つの意味を知っていると、「火を吹く」にはこんな意味もあるんだよと自慢できるかもしれません。

「身を立てる」の対義語は?

「身を立てる」の対義語にはどのようなものがあるでしょうか。見ていきましょう!

その1「零落」

「れいらく」と読みます。落ちぶれることという意味の言葉です。「身を立てる」の1の意味との対義語ですね。他にも草木の枯れ落ちることという意味もあります。

1.みんなの希望を背負った彼女だったが、あっという間に零落してしまった。

2.彼の零落ぶりは見ていられない。

3.あれほどの零落はまるで一般的ではない。

あまり使わない表現ですよね。零落する、という形で使われることが多いです。零れ落ちると書くのでなんとも切ない響きを感じます。零落してしまった相手にもやさしく出来るような人間でありたいですね。

その2「口が上がる」

生活の道を失うという意味の慣用句です。他にも、話し方がじょうずになるという意味があります。全く異なる意味を持っているので気をつけて使いましょう!

1.三日坊主で仕事が続かず、口が上がる。

2.口が上がらないように身の振り方を考える。

3.小学生の息子がいるので関連情報を伝えるブログを副業でやって口が上がらないようにしている。

「口が上がる」というと、話し方がじょうずになるという方の良い意味を思い出すかもしれません。「口が干上がる」というところからきた、生活の道を失うという意味の「口が上がる」も覚えておきましょう。

「身を立てる」の英訳は?

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「身を立てる」の英訳にはどのようなものがあるでしょうか。見ていきましょう!

その1「rise in the world」

立身出世するという意味の表現です。「身を立てる」の1の意味ですね。riseには上がる、立ち上がるといった意味があるので世界で立ち上がるという表現が「身を立てる」になったのでしょう。

I rose in the world and got my social status.

(訳:身を立てて、社会的地位を得た。)

その2「succeed in life」

こちらも立身出世するという意味の表現で、「身を立てる」の1の意味に当たります。

succeedで成功するという意味です。人生において成功する=立身出世するとなるのですね。

I studied hard to succeed in life.

(訳:身を立てるためにたくさん勉強した。)

その3「make a living」

生計を立てるという意味の表現です。よく使われます。「身を立てる」の2の意味に当たりますね。livingで生計、暮らしという意味なのでそれを作るという意味のmakeが組み合わさり、身を立てるの意味になります。

Because we had triplets, we frantically made a living.

(訳:三つ子が生まれたので、必死で身を立てた。)

「身を立てる」を使いこなそう

この記事では「身を立てる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「身」という漢字を使った慣用句はたくさんあるので調べてみると面白いですよ!

皆さんも将来身を立てられるよう、しっかり学んでくださいね!

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国語言葉の意味

【慣用句】「身を立てる」の意味や使い方は?例文や類語を元塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「身を立てる」について解説する。

端的に言えば身を立てるの意味は「出世する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「身を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「身を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「身を立てる」の意味は?

「身を立てる」には、次のような意味があります。

1.立身出世する。
2.生計を成りたたせる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身(み)を立てる」

二つの意味がある慣用句です。どちらの意味でも使えるようしっかり覚えていきましょう!

「身を立てる」の語源は?

次に「身を立てる」の語源を確認しておきましょう。

「身」は身体を表します。身体を立てる=起こして元気にやっていくためには生計を立てることが重要になりますね。そのため、「身を立てる」で生計を成り立たせることを表したようです。また、高位に置くことを立てるともいうので、そこから立身出世の意味にも使われるようになったようですよ。

「身を立てる」の使い方・例文

「身を立てる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.海外でサッカー選手として活躍しているなんて、彼は立派に身を立てたなあ。
2.息子は書籍の編集の仕事をして身を立てている。

1は立身出世の意味で「身を立てる」を使っています。2は生計を成り立たせるの意味で「身を立てる」を使っていますよ。少し似た意味にはなるので覚えやすいかもしれません。

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