この記事では「頭を搾る」について解説する。

端的に言えば頭を搾るの意味は「知恵をしぼる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「頭を搾る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「頭を搾る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「頭を搾る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「頭を搾る」の意味は?

「頭を搾る」には、次のような意味があります。

出来る限り頭を働かせて考える。知恵をしぼる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「頭(あたま)を搾(しぼ)る」

よく使われる表現ではないでしょうか。考え抜くことを意味しています。絞ると書くこともありますよ。

また、「頭」を使った慣用句は他にもたくさんあります。「頭を冷やす」「頭を丸める」「頭を撥ねる」などです。ぜひ調べてみてくださいね!

「頭を搾る」の語源は?

次に「頭を搾る」の語源を確認しておきましょう。

何かものを考えるときには頭を使いますよね。「搾る」には、簡単には出てこないものを努力して出そうとするという意味があります。そこで、考え抜くということを、頭を搾るという言い方で表現したのでしょう。

たしかにぞうきんなどをしぼるときも、水滴が出なくなるまで、つまり最後の水滴を出そうと力いっぱいしぼりますね。

「頭を搾る」の使い方・例文

「頭を搾る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.相手選手に勝つ良い方法がないかと頭を搾る。
2.編集者はこの場面をもっと効果的に見せられないかと頭を搾っていた。
3.頭を搾った結果、いい案が浮かんだ。

何か策はないかと考えるときに、頭を搾るという表現を使います。ただ考えるのではなく、何かを思いつき、生み出したいときに使うのがベストです。

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「頭を搾る」の類義語は?違いは?

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「頭を搾る」の類義語にはどのようなものがあるでしょうか。早速見ていきましょう!

その1「頭をひねる」

いろいろと思いをめぐらす、工夫するといった意味の慣用句になります。「頭を搾る」との違いは、「頭をひねる」には疑問に思うという意味もあることです。ひねるという言葉にはねじって向きを変えるという意味があります。考え込んだり疑問に思ったりするときに頭の向きを変えますよね。わかりやすい表現だと思います。

1.頭をひねって考える。

2.みんなの会話についていけず頭をひねる。

3.リーダーの発言に頭をひねる。

「頭をひねる」だけでも意味が通じるのですが、時には「頭をひねって考える」というような言い方をするときがあります。頭をひねるだけだと疑問の意味にとられることもあるからです。伝えたい意味を考えて使いましょう!

その2「熟考する」

よく使われる表現ではないでしょうか。念を入れてよく考えることという意味の言葉です。読み方はじゅくこうではなく「じゅっこう」ですよ。熟すという漢字が使われていることから、時間をかけて考えていることが伝わってきますね。

1.テレビで見たニュースについて熟考する。

2.この問題について熟考する。

3.熟考すればするほど、よくわからなくなってきた。

~について熟考するという使い方が一般的ですね。さまざまな情報が調べればすぐに出てくる現代では、もしかしたら熟考の機会が少なくなっているのかもしれません。どんなテーマでもかまわないので、時にはじっくりと熟考してみてはいかがですか?

その3「沈思黙考」

沈黙して深く考えることという意味の四字熟語です。「ちんしもっこう」と読みます。「頭を搾る」には黙って考えるという意味は含まないのでその点が少し違いますね。

1.この時代特有の問題に対し沈思黙考する。

2.「あなたは何事も沈思黙考するタイプよね。」

沈思黙考する、と使うのが一般的です。他には2の例文のように人の性格や特徴などのタイプ分けにも使えます。皆さんの周りにもあれこれ会話しながら考えを深めるタイプと、沈思黙考するタイプ、両方いるのではないでしょうか。ぜひ探してみてください。

その4「頭を悩ます」

あれこれ考えて苦しむ、思い悩むという意味の慣用句です。こちらもよく使われますよね。考えるだけではなく、思い悩んだり苦しんだりするという点が「頭を搾る」とは違います。悩ます、という言葉をそのまま使っているのでわかりやすいですね。

1.彼女の気持ちがわからず頭を悩ます。

2.「頭を悩ましていてもしょうがない。切り替えよう。」

苦しむというニュアンスが入っているので、考えすぎてつらい、なんて時にも使えますね。あれこれ思い悩むことも多いかと思います。そんな時にはこの言葉を使って誰かに相談してみるのもいいかもしれませんよ。

「頭を搾る」の対義語は?

「頭を搾る」の対義語にはどのようなものがあるでしょうか。見ていきましょう!

その1「浅はか」

思慮の足りない様子や、軽々しい様子を表す言葉です。考え抜いていない様子が「頭を搾る」と対義していますね。

1.周囲の浅はかな考えにいらだつ。

2.なんとかたくさん話したが、この問題についての浅はかさを露呈するばかりだった。

浅はかな〇〇という言い方がよくされますね。また、「浅はかさ」と名詞として使うこともできます。良い意味ではないので、浅はかだと言われないように気をつけたいですね。とはいえ、浅はかな考えのまま行動して失敗するというのもいい経験ですよ!

その2「惰眠をむさぼる」

なまけて眠ってばかりいる、なすべきことをしないでいいかげんに暮らしているという意味の慣用句です。聞いたことがあるのではないでしょうか。「惰眠」だけでもなまけて眠る、活気がないなどの意味があります。

1.何も手につかずただ惰眠をむさぼっている。

2.「惰眠をむさぼってばかりいるんじゃないよ!」

「惰眠をむさぼる」という言い方をすると、なんだか少しかっこよく感じますよね。ただ、なまけているという意味の残念ながらあまり良くない意味の言葉です。特に近くで一生懸命作業している人にとっては惰眠をむさぼっている人はいらだちを助長させる存在になります。気をつけましょうね。

「頭を搾る」の英訳は?

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「頭を搾る」の英訳にはどのようなものがあるでしょうか。見ていきましょう!

その1「rack one's brains (out)」

rackで人を病気や悩み事などで苦しめるという意味です。brainsは脳のことなので考え事で脳を苦しめる=深く考える=頭を搾るとなります。

I rack my brains (out) about telling well in Japanese.

(訳:日本語で内容をうまく伝えるにはどうすればいいのかと頭を搾る。)

その2「strain one's brains」

strainには精いっぱい働かせる、使いすぎて弱めるなどといった意味があります。そこで、脳を働かせすぎて弱める=頭を搾るとなったのでしょう。

She strains her brains about this matter.

(訳:彼女は今回の件について頭を搾っている。)

その3「think hard」

thinkは思う、考えるという意味ですね。hardには困難なという意味やしっかりとといった意味があります。その二つが合わさって、しっかりと(困難なほど)考える=頭を搾るとなったようです。

I think hard about this matter every day.

(訳:日々このことについて頭を搾っている。)

「頭を搾る」を使いこなそう

この記事では「頭を搾る」の意味・使い方・類語などを説明しました。類義語も多くある言葉なので適切に使えるよう違いなどを意識しておきましょう!

頭を搾った結果は必ずどこかで実を結びます。頑張りましょうね!

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国語言葉の意味

【慣用句】「頭を搾る」の意味や使い方は?例文や類語を元塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「頭を搾る」について解説する。

端的に言えば頭を搾るの意味は「知恵をしぼる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「頭を搾る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「頭を搾る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「頭を搾る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「頭を搾る」の意味は?

「頭を搾る」には、次のような意味があります。

出来る限り頭を働かせて考える。知恵をしぼる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「頭(あたま)を搾(しぼ)る」

よく使われる表現ではないでしょうか。考え抜くことを意味しています。絞ると書くこともありますよ。

また、「頭」を使った慣用句は他にもたくさんあります。「頭を冷やす」「頭を丸める」「頭を撥ねる」などです。ぜひ調べてみてくださいね!

「頭を搾る」の語源は?

次に「頭を搾る」の語源を確認しておきましょう。

何かものを考えるときには頭を使いますよね。「搾る」には、簡単には出てこないものを努力して出そうとするという意味があります。そこで、考え抜くということを、頭を搾るという言い方で表現したのでしょう。

たしかにぞうきんなどをしぼるときも、水滴が出なくなるまで、つまり最後の水滴を出そうと力いっぱいしぼりますね。

「頭を搾る」の使い方・例文

「頭を搾る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.相手選手に勝つ良い方法がないかと頭を搾る。
2.編集者はこの場面をもっと効果的に見せられないかと頭を搾っていた。
3.頭を搾った結果、いい案が浮かんだ。

何か策はないかと考えるときに、頭を搾るという表現を使います。ただ考えるのではなく、何かを思いつき、生み出したいときに使うのがベストです。

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