武士と侍の違いについて解説していきます。どちらも古くからある日本特有の身分ですが、どのように呼び分けられているのか知らない人も多いでしょう。今でこそ似た意味を持つが、その起源などには違いがあるようです。雑学に詳しいぽりにかと解説していこう。

ライター/ぽりにか

英米文学科卒のwebライター。雑学や言葉の意味の違いなどに関心があり、日々様々なジャンルで調査を続けている。

武士と侍の違いは階級の違い!

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武士と侍の大きな違いは、階級にあります。その違いについてみてみましょう。

武士は武技を使って生活する身分層

武士とは、武技を職能・生業とする者を意味します。農民とは異なり、戦うことで生計を立てる身分層でした。武士と書いて「もののふ」と読ませる場合もありますが、意味は武士と同じです。

侍は貴族や幕府に仕える武士

侍は、武士の中でも貴族や幕府に仕える者を指しました。主君に仕える武士は侍と呼ばれ、武士の中でも上位の存在であったといえます。侍の語源は「候ふ・さぶらう」であり、「見守る・様子をうかがう」ことを意味する「もる(守る)」の形が変化し、修飾&接頭語の「さ」を冠して「さもらふ」となりました。

武士や侍の起源

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武士と侍の違いが分かったところで、それぞれの起源について解説します。

\次のページで「平安時代から武力を付け始めた武士」を解説!/

平安時代から武力を付け始めた武士

武士の起源には諸説ありますが、平安時代の後半頃から、地方で土地を武力で支配する豪族たちが起源であるといわれています。また、中央からも、出世が望めない下級貴族が京都から地方に下りました。彼らは豪族たちと結びついて、武士団と呼ばれる集団を形成します。この武士団の中でも有名なのが、後に幕府を開くこととなる源氏や平氏です。

始めは武技を持たなかった侍

侍も武士と同様、平安時代から見かけられたといいます。ただし、当初の侍は、語義の通り人に仕える仕事に従事しており、天皇や皇族、貴族の側近くに仕えて主人の用向きを伺い、朝廷の実務を担い、また警護や紛争の鎮圧にあたる任務を帯びていました。ですので、当時の侍は、必ずしも武技に精通していたとはいえなかったようです。

時代と共に変化する侍

侍は時代によってその定義が異なります。人に仕えるという本質はそのままに、平安時代では貴族に、鎌倉時代・室町時代では幕府や将軍に仕えていました。時代によって仕える対象が変わってきたということです。

戦国時代に入ると、権力の構造が変わり、群雄割拠の時代となりました。その中で侍は、ひろく戦う者だと扱われるようになります。また、武士の中でも多くの部下を率いる武将や大名が登場しました。そして江戸時代では、より身分の区別が明確となり、武技を生業とする武士=侍と呼ばれ、現在に至ります。

武士や侍とどう違う?似たような言葉

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武士や侍と似た意味や混同されやすい言葉を紹介します。

戦闘員の意味合いが強い武者

武者は意味合いとしては武士とほぼ同義です。一般的に、武者は武士と比べて、より戦闘員としての意味合いが強いと考えられます。戦いや戦に関する言葉には武者が使われているケースが多いのはこのためです。

\次のページで「武将は部下を持った武士」を解説!/

武将は部下を持った武士

武将は武士の長という意味合いを持ちます。多くの部下を率いた武士は武将と呼ばれ、戦国時代に多く存在しました。同じく家臣を率い、国やその一部の土地を所領にしていた武士の事を大名とも呼びます。戦国時代の大名は、武将の区分でいうと総大将にあたりますが、江戸時代に入ると明確な基準が定められて、1万石以上の所領を持っている武士のことを指しました。

浪人はリストラされた侍!?

浪人は、主家を去り俸禄を失った武士のことを指します。つまり、仕事をクビになった侍が浪人です。他にも、主君自体が取り潰しにあった場合にも、仕えていた侍は浪人となります。新選組が浪人を集めた組織であったことは有名です。現代では、入試に不合格となり、次に向けて勉強している人のことを浪人と呼びますが、その由来となっています。

言葉の意味から歴史を読み解く!

武士と侍の違いを中心に、それぞれの起源や当時の社会背景について解説しました。今でこそ武士と侍は同じ意味で使われることが多いですが、当時の社会的な役割は大きく異なっていました。言葉の意味を知ることは、当時の時代の違いを知ることにも繋がります。本記事を読んで、ぜひ興味のある時代について自分でも調べてみましょう!

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言葉雑学

3分でわかる!武士と侍の違いや概要、階級や起源について雑学大好きライターがわかりやすく解説!

武士と侍の違いについて解説していきます。どちらも古くからある日本特有の身分ですが、どのように呼び分けられているのか知らない人も多いでしょう。今でこそ似た意味を持つが、その起源などには違いがあるようです。雑学に詳しいぽりにかと解説していこう。

ライター/ぽりにか

英米文学科卒のwebライター。雑学や言葉の意味の違いなどに関心があり、日々様々なジャンルで調査を続けている。

武士と侍の違いは階級の違い!

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武士と侍の大きな違いは、階級にあります。その違いについてみてみましょう。

武士は武技を使って生活する身分層

武士とは、武技を職能・生業とする者を意味します。農民とは異なり、戦うことで生計を立てる身分層でした。武士と書いて「もののふ」と読ませる場合もありますが、意味は武士と同じです。

侍は貴族や幕府に仕える武士

侍は、武士の中でも貴族や幕府に仕える者を指しました。主君に仕える武士は侍と呼ばれ、武士の中でも上位の存在であったといえます。侍の語源は「候ふ・さぶらう」であり、「見守る・様子をうかがう」ことを意味する「もる(守る)」の形が変化し、修飾&接頭語の「さ」を冠して「さもらふ」となりました。

武士や侍の起源

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武士と侍の違いが分かったところで、それぞれの起源について解説します。

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