端的に言えば口が肥えるの意味は「味のよしあしがわかるようになる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastfloweを呼んです。一緒に「口が肥える」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/eastflower
今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「口が肥える」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。
「口が肥える」の意味は?
「口が肥える」には、次のような意味があります。ここでは、「口が肥える」(くちがこえる)と「肥える」(こえる)の辞書の意味を見ていきましょう。
【口が肥える】
1. いろいろなものを食べて、味のよしあしがよくわかるようになる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「口が肥える」
【肥える】
1. 人や動物のからだによく肉がついて、太る。からだつきがふっくらとする。
2. 地味が豊かになる。
3. 経験を重ねて、物事のよい悪いなどを感じ分ける力が豊かになる。
4. 資産などが増えて大きくなる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「肥える」
「口が肥える」(くちがこえる)は、辞書で説明されている通り「いろいろなものを食べた経験から味の良し悪しがわかるようになる」ということでした。「口が肥える」の「肥える」(こえる)には、「太る」や「土地が豊かになる」という意味の他、 「経験を重ね物事のよい悪いを感じ分ける力が豊かになる。」という意味もあり、「口が肥える」というのは、「味のよしあしを見分けられる能力」のことなのです。
「口が肥える」の語源は?
次に「口が肥える」の語源を確認しておきましょう。
「口が肥える」という表現がいつから使われるようになったのかは、はっきりしていませんが、現在のミシュランのように日本で料理店番付(りょうりてんばんづけ)が発表されるようになったのは、庶民文化が華やかになった江戸時代の文化文政期(1804年~)以降だと考えられています。
「いろんなものが食べられる条件」とは、「経済的に豊か」で「新鮮なものが食べられる場所へすぐに行ける交通手段を持っていたり、食材を新鮮な状態に保管できて、流通手段が整っていること」、「いろんな国々の味が食べられる場所に行ける環境にいること」などの条件もありますので、本格的に「味のよしあしを見分けられる能力を有する人」が登場してきたのは、明治以降なのかもしれませんね。
\次のページで「「口が肥える」の使い方・例文」を解説!/