この記事では、「xls」と「xlsx」の違いについてみていきます。

どちらもエクセルで開くファイルの種類ですが、できるだけxlsはxlsxに変換した方が良いことは知っていたか?今回は2つのファイルの間にどのような違いがあるのか、なぜ変換が必要なのか、そして変換を行う方法について、Webディレクターでもあるライターのサイトウマサヒロと一緒に解説していきます。

ライター/サイトウマサヒロ

Webディレクターや会員制Webサービスの運営業務を行なっている会社員。プライベートでもSNSや動画配信サイト漬け、週末はもっぱらアイドルやバンドのライブ三昧。

xlsとxlsxの違いとは?

image by iStockphoto

エクセルのファイルを取り扱う時、ファイル名が「〇〇〇.xls」「×××.xlsx」などの形になっていることに気が付いたことはあるでしょうか?気付かなかった、もしくは、気付いていたけれどどちらもエクセルで開けるので気にしたことがなかったという人が多いかもしれません。

xlsやxlsxのように、ファイルの末尾に付けられる文字のことを、拡張子といいます。拡張子はファイルの種類を識別するために付けられているので、拡張子が異なるということは、ファイルの種類が異なるということになりますね。

それでは、xlsとxlsxの違いはいったい何なのでしょうか。それはずばり、古いエクセルで作られたファイルか、新しいエクセルで作られたファイルかという点です。

xlsはExcel 2003までの標準形式

xlsは、Excel 2003まで標準で用いられていた拡張子です。Microsoft社によるExcel 2003のサポートは、2014年4月をもってすでに終了しています。ですが、xlsファイル自体はその後のファイル形式と互換性があり、現在のエクセルでも問題なく動作します

xlsxはExcel 2007から現在までの標準形式

一方、xlsxは、Excel 2007から現在まで標準で用いられている拡張子。Excel 2003以前の古いバージョンのエクセルでは、xlsxファイルを開いたり、編集することができません。

似たような言葉xlsmって何?

エクセルで用いられるファイルには、xlsとxlsx以外にも、xlsmというものがあります。xlsmは、xlsxと同様にExcel 2007から最新のバージョンまで標準で用いられている拡張子です。ただし、xlsxはマクロを実行できない、対してxlsmはマクロを実行できるという違いがあります。

マクロとは、エクセルで行う操作を記録して自動的に行えるようにする機能のこと。複雑なデータの並び替えや書類の作成を、1ボタンで完了させたい時などに活用されています。

xlsはファイル名だけではマクロが使われているかどうかがわかりませんが、xlsxとxlsmは一目でマクロの有無がわかるのですね。

なぜxlsxになった?xlsとxlsxの歴史とは?

image by iStockphoto

エクセルが初めて発売したのは1985年。最初のバージョンであるExcel 1.0は、Macintosh用のソフトでした。

エクセルはそれまでに存在した他の表計算ソフトを上回る操作性で大ヒットし、以降世界標準のソフトとして大活躍。そんな最初期から採用され続けてきたxls形式でしたが、Excel 2007の登場で、「メニューバー」から「リボンUI」という画面構成の大きな変化とともに、xlsx・xlsmに取って代わられることとなりました。

なぜ、xlsはxlsxに代わったのでしょうか?そこには、セキュリティ上の理由があったといわれています。

xlsxに変更になった理由

説明した通り、xlsはファイル名だけではマクロが使われているかどうかを判別することができません。そのため、xlsファイルを開いた人にマクロを実行させることで、コンピュータウイルスなどの悪質なソフトウェア(マルウェア)の攻撃に利用されるようになってしまったのです。

危険なファイルであることに気付きづらいというxlsの弱点が、xlsxとxlsmにファイル名を分けることで、マクロが含まれているかを判断できる形式になった理由の一つではないかと考えられています。

\次のページで「xlsをxlsxに変換するべき理由」を解説!/

xlsをxlsxに変換するべき理由

image by iStockphoto

xlsファイルをパソコンに保存したり、他の人に送ったりする際には、できるだけxlsxファイルに変換した方が良いでしょう。その理由は2つあり、先ほど解説したマルウェアの危険性があるという点と、ファイルサイズが節約できるという点です。

1.危険性がある

危険なマクロが含まれているxlsファイルを開くと警告が表示されますが、これを無視し「コンテンツの有効化」をクリックすると、たちまちマルウェアに感染してしまいます。そのため、xlsファイルを受信しても、その取り扱いには注意が必要です。

また、自分から誰かにファイルを送る場合、例えば取引先へのメールにxlsファイルを添付してしまうと、悪意のあるファイルではなかったとしても、「危険なファイルなのでは?」と余計な心配をかけることになってしまいます。

さらには、古いxlsファイルを長い間使い続けていることで、ITリテラシーの低い会社だという印象を与えてしまうかもしれません。送信先に手間をかかせたり、自分の印象を下げないためにも、xlsxへの変換をおすすめします。

2.ファイルサイズを小さくできる

xlsxファイルには、端末の空き容量を節約できるというメリットも。xlsxはxlsよりも高い圧縮率でファイルの圧縮できるため、同じ内容でも半分以下にサイズを小さくすることができます。パソコンの空き容量を確保したいという場合にも、xlsxへの変換を検討すると良いでしょう。

xlsをxlsxに変換する方法

それではここからは、実際にxlsをxlsxに変換する方法を説明していきます。

Excel上で簡単に変換可能!

xlsxへの変換に、特別なツールなどは必要ありません。普段お使いのエクセルで簡単に変換可能です。まずは変換したいファイルをエクセルで開き、「ファイル」のタブから、「名前を付けて保存」をクリックしましょう。

すると、ファイルの保存のためのダイアログボックスが開きます。その中の「ファイル名」の下の、「ファイルの種類」をクリックすると、xlsx・xlsm・xlsなど様々なファイル形式が選択できますので、「Excelブック(*.xlsx)」を選択し保存しましょう。これで変換は完了です!

\次のページで「一括変換には、ソフトやマクロの活用が必要」を解説!/

一括変換には、ソフトやマクロの活用が必要

複数のxlsファイルをxlsxに一括で変換する機能は、残念ながらエクセルやパソコンにデフォルトでは備わっていません。別のソフトや、マクロの活用が必要になります。

マクロの知識に自信がない場合は、「窓の杜」や「Vector」などのサイトで一括変換用のソフトをダウンロードするか、こまめにxlsをxlsxに変換する習慣を付けると良いでしょう。

xlsはxlsxに変更しよう!

xlsファイルをそのまま保存し活用することにはメリットはなく、xlsxに変換することで安全性の確保と容量の節約ができます。この記事を参考にxlsファイルの危険性をしっかりと理解し、xlsxで保存するクセを付けるようにしましょう!

" /> 3分でわかるxlsとxlsxの違い!互換性がある?変換した方が良い?xlsmとの違いも現役Webディレクターが簡単にわかりやすく解説! – Study-Z
IT・プログラミング雑学

3分でわかるxlsとxlsxの違い!互換性がある?変換した方が良い?xlsmとの違いも現役Webディレクターが簡単にわかりやすく解説!

この記事では、「xls」と「xlsx」の違いについてみていきます。

どちらもエクセルで開くファイルの種類ですが、できるだけxlsはxlsxに変換した方が良いことは知っていたか?今回は2つのファイルの間にどのような違いがあるのか、なぜ変換が必要なのか、そして変換を行う方法について、Webディレクターでもあるライターのサイトウマサヒロと一緒に解説していきます。

ライター/サイトウマサヒロ

Webディレクターや会員制Webサービスの運営業務を行なっている会社員。プライベートでもSNSや動画配信サイト漬け、週末はもっぱらアイドルやバンドのライブ三昧。

xlsとxlsxの違いとは?

image by iStockphoto

エクセルのファイルを取り扱う時、ファイル名が「〇〇〇.xls」「×××.xlsx」などの形になっていることに気が付いたことはあるでしょうか?気付かなかった、もしくは、気付いていたけれどどちらもエクセルで開けるので気にしたことがなかったという人が多いかもしれません。

xlsやxlsxのように、ファイルの末尾に付けられる文字のことを、拡張子といいます。拡張子はファイルの種類を識別するために付けられているので、拡張子が異なるということは、ファイルの種類が異なるということになりますね。

それでは、xlsとxlsxの違いはいったい何なのでしょうか。それはずばり、古いエクセルで作られたファイルか、新しいエクセルで作られたファイルかという点です。

xlsはExcel 2003までの標準形式

xlsは、Excel 2003まで標準で用いられていた拡張子です。Microsoft社によるExcel 2003のサポートは、2014年4月をもってすでに終了しています。ですが、xlsファイル自体はその後のファイル形式と互換性があり、現在のエクセルでも問題なく動作します

xlsxはExcel 2007から現在までの標準形式

一方、xlsxは、Excel 2007から現在まで標準で用いられている拡張子。Excel 2003以前の古いバージョンのエクセルでは、xlsxファイルを開いたり、編集することができません。

似たような言葉xlsmって何?

エクセルで用いられるファイルには、xlsとxlsx以外にも、xlsmというものがあります。xlsmは、xlsxと同様にExcel 2007から最新のバージョンまで標準で用いられている拡張子です。ただし、xlsxはマクロを実行できない、対してxlsmはマクロを実行できるという違いがあります。

マクロとは、エクセルで行う操作を記録して自動的に行えるようにする機能のこと。複雑なデータの並び替えや書類の作成を、1ボタンで完了させたい時などに活用されています。

xlsはファイル名だけではマクロが使われているかどうかがわかりませんが、xlsxとxlsmは一目でマクロの有無がわかるのですね。

なぜxlsxになった?xlsとxlsxの歴史とは?

image by iStockphoto

エクセルが初めて発売したのは1985年。最初のバージョンであるExcel 1.0は、Macintosh用のソフトでした。

エクセルはそれまでに存在した他の表計算ソフトを上回る操作性で大ヒットし、以降世界標準のソフトとして大活躍。そんな最初期から採用され続けてきたxls形式でしたが、Excel 2007の登場で、「メニューバー」から「リボンUI」という画面構成の大きな変化とともに、xlsx・xlsmに取って代わられることとなりました。

なぜ、xlsはxlsxに代わったのでしょうか?そこには、セキュリティ上の理由があったといわれています。

xlsxに変更になった理由

説明した通り、xlsはファイル名だけではマクロが使われているかどうかを判別することができません。そのため、xlsファイルを開いた人にマクロを実行させることで、コンピュータウイルスなどの悪質なソフトウェア(マルウェア)の攻撃に利用されるようになってしまったのです。

危険なファイルであることに気付きづらいというxlsの弱点が、xlsxとxlsmにファイル名を分けることで、マクロが含まれているかを判断できる形式になった理由の一つではないかと考えられています。

\次のページで「xlsをxlsxに変換するべき理由」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: