今日は「周波数帯」の一種である2.4GHzと5GHz について説明します。我々の生活世界ではさまざまな周波数帯の電波が飛び交っており、それをうまくキャッチすることで動画を観賞したりオンラインゲームを楽しんだりしているんです。では周波数帯とは一体何なのか、2.4GHzと5GHzの使い分けや切り替え・同時接続の方法はあるのかについて、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

2.4GHzと5GHzの意味は?

まず最初に2.4GHz」と「5GHz」という言葉の意味について確認したいと思います。双方の後ろについてるGHz」とは一体なんでしょうか。こうした単位が使われるのは2.4GHz5GHzだけなのでしょうか。

2.4GHzと5GHzはどっちも「周波数帯」の意味

2.4GHzと5GHzの両方についている「GHz」という単位は、電波の「周波数帯」を表しています。周波数帯とは、私たちの生活世界でたくさん飛び交っている電波を整理するための「電波の通り道」のようなもの。このうちWi-Fiで利用されているのが「2.4GHz」「5GHz」と呼ばれています。

2.4GHzと5GHz以外にもさまざまな周波数帯がある

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周波数帯には、2.4GHz5GHz以外にもさまざまな種類があります。電波の届きやすさ、障害物に対する強さ・弱さなどがそれぞれ違っており、周波数帯ごとの特性を活かしていろいろなシーンで使われているのです。その用途は、アマチュア無線、ラジオ、携帯電話や天文台などさまざまなものがあります。

2.4GHzと5GHzの違いをざっくり解説

では「2.4GHz」と「5GHz」の周波数帯にはどのような違いがあるのでしょうか。両者の特徴や弱点などを確認してみましょう。

2.4GHz:電波が遠くまで届きやすい周波数帯

まず2.4GHzの特徴として、遠くまで電波が届きやすいということが挙げられます。壁や床などの障害物にも強く、例えば家の中なら上の階・下の階、隣室などにも電波が届くというわけです。

また2.4GHz家電製品やBluetoothなどにも使われており、私たちにとってかなり身近な周波数帯だと言えるでしょう。そのかわり2.4GHzの電波はそこら中で飛び交っており、周波数帯としてかなり混雑しています。

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5GHz:通信速度は速いが壁などで遮られやすい周波数帯

5GHz2.4GHzよりも新しい周波数帯で、Wi-Fi専用の電波」である点が大きな特徴です。よって混雑することもないため安定性を保った電波通信を行うことができます。

一方で壁や床などの障害物には弱いところがあり、同じ建物の中でも上の階・下の階、隣室には届きにくいことも。その場合はルーターの位置を移動させて、電波が届きやすい位置を探すことになるでしょう。

2.4GHzと5GHzはどっちに繋ぐといい?

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Wi-Fi接続を行う際には、2.4GHz5GHzそれぞれの特徴を踏まえて、どちらを接続するか決めましょう。

Wi-Fi専用で安定性に優れている5GHzは、動画観賞や大容量通信を行いたい場合に向いています。一方、障壁にも強い2.4GHzは壁や天井、床などの障害物があったり、部屋が離れていたりする場合に使いましょう

このように使い分けることで、より快適にインターネットを利用できるようになります。以下では、改めて2.4GHz5GHzメリット・デメリットを整理して、より具体的な使い分けについて説明しましょう。

2.4GHzのメリットとデメリット

2.4GHzのメリットは、より遠くまで、障害物を気にせず電波を発信できる点です。世間的には5GHzの方が注目されがちですが、壁・天井などで隔てられた場所で使う場合には、2.4GHzの方が安定性を保ってストレスのないインターネット環境が実現できます。

ただデメリットは、家電製品など身近なものから発せられる2.4GHzの電波と干渉し合うと、Wi-Fi接続の方が弱まってしまうという点です。これが2.4GHzの一番の弱点で、電子レンジの近くでWi-Fiを使用すると接続が悪くなった、という事例はよくあります。

よって、2.4GHzは電波を干渉し合うような家電製品などがない屋外などで、遠隔地との通信を行いたい場合に向いていると言えるでしょう。

5GHzのメリットとデメリット

Wi-Fi専用の電波である5GHzのメリットは、他の電波と干渉し合うことがないという点です。安定した電波通信が行えるので、容量の大きなデータを送受信する場合や、動画を観る場合にも向いています。

デメリットは、5GHzは障害物に弱いという点です。Wi-Fiから離れた場所や、壁・天井などで遮られた空間で使うと、通信の安定性が損なわれることがあります。よって5GHzは、極力Wi-Fiのルーターとの間に遮蔽物がない場所で使いましょう。また古い端末の場合、2.4GHzしか対応していないこともあるので注意が必要です。

2.4GHzと5GHzの切り替え方法は?

ここまで見たように、2.4GHz5GHzはそれぞれ特徴があり、状況によって使い分ける必要があります。しかし端末で操作して接続を切り替えるのは特に難しくありません。以下では、その具体的なやり方を説明します。

\次のページで「wifiの設定から切り替え可能」を解説!/

wifiの設定から切り替え可能

まず、パソコンやスマホが今現在2.4GHz5GHzのどちらに繋がっているのかを確かめましょう。

設定画面でWi-Fiの名称を見ると、Wi-Fiの名前の中に「〇〇-A-〇〇」あるいは「〇〇-G-〇〇」という形でA」「G」というアルファベットが入っているのが分かるでしょう。これは真ん中に入っている場合も、一番後ろに入っている場合もあります。

そして、5GHzに接続したいなら「〇〇-A-〇〇」の方を2.4GHzに接続したいなら「〇〇-G-〇〇」の方を選べばOKです。

また、Wi-Fiルーターの切替スイッチで周波数帯を選択することもできます。ルーターが2.4GHz5GHzの両方に対応しているかどうかを確かめてから切り替えを行いましょう。パッケージや説明書を確認するか、型番を検索すると2.4GHz、あるいは5GHz対応と表示があるのですぐに分かります。

2.4GHzと5GHzは同時使用はできる?

2.4GHz5GHz同時に使うこともできますWi-FiルーターがIEEE 802.11a/n/ac/axという通信規格のうちのどれかひとつに対応していれば、両方の周波数帯を同時に利用可能です。

まずはWi-Fiルーターのパッケージや説明書を確認するか、型番を検索してみましょう。ほとんどの場合、パッケージや説明書には2.4GHz5GHzへの対応の有無が表示されているはずです。

両方に接続できるのであれば、状況に応じて2.4GHz5GHzの特長を生かした使い方ができるのでいいですね。

2.4GHzと5GHzのそれぞれに合う環境・機種は?

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先述の通り、2.4GHz5GHzには両方ともメリットとデメリットがあり、どちらを使うといいのかは利用する環境によって違ってきます。ではそれぞれどのような環境のもとで、どのような機種を使えばいいのでしょうか。

2.4GHzと5GHzのどちらに対応した機種か確認が必要

今ある機種に対してWi-Fiルーターの規格が対応していないと、通信の速度に影響します。例えば高速のWi-Fiに対してWi-Fiルーターが対応していても、肝心の機種が非対応であれば意味がありません。よって、機種の仕様には注意する必要があります

そうした機種ごとの対応規格の一例を挙げると、例えばニンテンドー3DS LLの規格はIEEE802.11b/gで、Nintendo SwitchIEEE 802.11a/b/g/n/acPlayStation 4IEEE 802.11b/g/nあるいはIEEE 802.11a/b/g/n/acと実にさまざまです。

一方で、Wi-Fiルーターにも対応規格があるので、あわせて確認するようにしましょう。古い機種の場合は5GHz非対応というケースもあります。

5GHzへの接続をまずは試してみる

それでは2.4GHzと5GHzのどちらを使えばいいか分からないという場合は、どうすればいいのでしょうか。そのような場合、基本的には「とりあえず5GHzを利用する」のが正解です。

5GHzには2.4GHzと比較して遮蔽物に弱いというデメリットがありますが、最近は機器の性能がよくなり、多少の遮蔽物なら電波が届きます。それで電波が届かないようであれば2.4GHzに切り替えましょう。5GHzよりも速度は遅いですが、ごく普通にネットを使うなら問題ないレベルです。

ただし2.4GHzではオンラインゲームで素早い操作ができなかったりするので、その場合はなんとか5GHzが使えるように調整した方がいいでしょう。

\次のページで「将来的には2.4GHzと5GHzを気にしてもよくなるかも知れない」を解説!/

将来的には2.4GHzと5GHzを気にしてもよくなるかも知れない

2.4GHz5GHzには、それぞれの特性や、使用する場合のメリット・デメリットがありました。よって、今まではどうしても使い分けについて考えざるを得ないことがあったのですが、現在はそれも変わりつつあります。

最新のホームルーターの中には、2.4GHz5GHzを自動で切り替えてくれるハンドステアリング機能が搭載されており、これを使えば、状況に合わせて機械の方で最適な周波数帯を選んでくれるのです。こうした製品がどんどん開発されれば、通信速度の遅さに悩まされることは少なくなるでしょう。

2.4GHzと5GHzは状況によって使い分けよう

2.4GHzと5GHzはそれぞれ違う特徴とメリット・デメリットを持った周波数帯です。使い分けを考えるのは面倒ですし、しかもWi-Fiルーターの規格や機種なども分かりにくく、素人にはとっつきにくいところがありますね。しかし私たちの生活はさまざまな周波数帯によって支えられています。2.4GHzと5GHzも上手に使い分けて、快適なインターネット環境を実現しましょう。

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IT・プログラミング雑学

2.4GHz・5GHzの違いは?どっちに繋ぐといい?切り替え方法やその特徴・対応機種などについて雑学好きライターがわかりやすく解説

今日は「周波数帯」の一種である2.4GHzと5GHz について説明します。我々の生活世界ではさまざまな周波数帯の電波が飛び交っており、それをうまくキャッチすることで動画を観賞したりオンラインゲームを楽しんだりしているんです。では周波数帯とは一体何なのか、2.4GHzと5GHzの使い分けや切り替え・同時接続の方法はあるのかについて、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

2.4GHzと5GHzの意味は?

まず最初に2.4GHz」と「5GHz」という言葉の意味について確認したいと思います。双方の後ろについてるGHz」とは一体なんでしょうか。こうした単位が使われるのは2.4GHz5GHzだけなのでしょうか。

2.4GHzと5GHzはどっちも「周波数帯」の意味

2.4GHzと5GHzの両方についている「GHz」という単位は、電波の「周波数帯」を表しています。周波数帯とは、私たちの生活世界でたくさん飛び交っている電波を整理するための「電波の通り道」のようなもの。このうちWi-Fiで利用されているのが「2.4GHz」「5GHz」と呼ばれています。

2.4GHzと5GHz以外にもさまざまな周波数帯がある

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周波数帯には、2.4GHz5GHz以外にもさまざまな種類があります。電波の届きやすさ、障害物に対する強さ・弱さなどがそれぞれ違っており、周波数帯ごとの特性を活かしていろいろなシーンで使われているのです。その用途は、アマチュア無線、ラジオ、携帯電話や天文台などさまざまなものがあります。

2.4GHzと5GHzの違いをざっくり解説

では「2.4GHz」と「5GHz」の周波数帯にはどのような違いがあるのでしょうか。両者の特徴や弱点などを確認してみましょう。

2.4GHz:電波が遠くまで届きやすい周波数帯

まず2.4GHzの特徴として、遠くまで電波が届きやすいということが挙げられます。壁や床などの障害物にも強く、例えば家の中なら上の階・下の階、隣室などにも電波が届くというわけです。

また2.4GHz家電製品やBluetoothなどにも使われており、私たちにとってかなり身近な周波数帯だと言えるでしょう。そのかわり2.4GHzの電波はそこら中で飛び交っており、周波数帯としてかなり混雑しています。

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