雑学食べ物・飲み物

棗(なつめ)とデーツの違いは?味はどう違う?栄養や効果、漢方薬としての効能まで現役薬剤師がわかりやすく解説

2-2.デーツの名前の由来

デーツという名前は、ギリシア語の「ダクティロス(指)」に由来するという説があります。一方で、アラビア語の「ダクル(ナツメヤシの一種を指す)」、もしくは「ダクラン(苗)」から名づけられたとも言われており、はっきりと特定はされていません。

古くから広い地域で親しまれてきた果物なので、語源にも幅広い説があるのですね。

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なつめとデーツは、植物としては全然違う種なんだな。けれども実が似ていることで、デーツがなつめやしと呼ばれたり、なつめが「中国のデーツ」と呼ばれたりもしているぞ。

引き続き、両者の味や栄養、期待される効果についても比較していこう。

3.なつめとデーツの味や栄養素、違いはあるの?

image by iStockphoto

ドライフルーツとしては、なつめさっぱりして甘酸っぱくデーツの方はねっとりとして濃厚な甘さがあるとのこと。見た目とは裏腹に味は別物で、食べた方の間でも好みが分かれるようです。

3-1.なつめの味と栄養、おいしい食べ方

甘酸っぱい味もさることながら、ドライフルーツとしてのなつめには独特の食感があります。固めの皮の中身はふわふわしていて、唯一無二のなつめならではの感覚。生食すると、リンゴのようなしゃきっとした食感があり、素朴で控えめな甘酸っぱさが感じられます。

生のなつめに多いのはビタミンC。干したなつめには食物繊維葉酸が多いほか、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれます。

生・干しなつめとも、そのまま食べることが可能。干したなつめはサムゲタンなどの料理に入れたり、砂糖で甘く煮るのも美味。また、干しなつめを煮出して砂糖やはちみちで甘味をつけ、なつめ茶としていただくこともできます。

3-2.デーツの味と栄養、おいしい食べ方

黒糖のような濃厚な甘みがあるデーツ。ねっとりした食感は、干し柿や干しブドウ、干したプルーンなどに似ています。木に実をつけたまま乾燥させたものを食べることが多いようですが、生でも食べることは可能で、柿のような味がするそうです。

デーツには食物繊維β-カロテンが多く、なつめ同様にカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルも豊富。

そのまま食べるほかには、クッキーやパンに入れたり、アクセントとして料理に混ぜたりもします。甘味が強くて苦手だという場合は、クルミやアーモンド等のナッツ類と合わせるといいようです。日本では有名メーカーのお好み焼きソースの原料として、甘味とコクを出すためにデーツが使われています。

4.漢方薬にもなるなつめ、その効能とは?

中国には「一日吃三棗、一生不顕老(一日になつめを三個食べれば、いつまでも若く過ごすことができる)」ということわざがあるほどで、なつめは古くから健康に良いとされています。世界三大美女の一人である楊貴妃も好んで食べたというなつめは、漢方薬「大棗(たいそう)」としても利用されているのです。

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