
自然界には多様ないきものが存在しますが、それを近縁なもの同士でまとめて考える学問が”分類学”や”系統学”です。生物の分類について知っておくと、生物同士の関係や進化についても思いを巡らせることができるようになる。分類学の一端をのぞいてみようじゃないか。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
刺胞動物とは
刺胞動物(しほうどうぶつ)は、刺胞動物門とよばれる分類群に属する生物です。ほとんどが海水中に生息する無脊椎動物の仲間ですね。
このグループに属する生物は、いずれも刺胞とよばれる器官をもっています。名前の通り、ほかの生き物を「刺す」ような機能をもった器官です。
皆さんは「海に生息している”刺す”生き物」といわれたら、どんなものを思い浮かべるでしょうか?
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そのとおりです!今桜木先生がおっしゃったクラゲやイソギンチャクは、この刺胞動物というグループの中でも、特にイメージしやすい生物ですね。
刺胞動物の特徴
では、刺胞動物に共通する特徴やポイントをご紹介していきたいと思います。
刺胞をもつ
前述の通り、刺胞動物の仲間はいずれも刺胞をもちます。刺胞は、ウニがもつ棘のような目立ったものではなく、細胞の中に存在している小さな袋状の構造物です。この刺胞を含んだ細胞は刺細胞とよばれます。
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