この記事ではラフテーと角煮の違いについてみていきます。ラフテーと言えば沖縄の郷土料理の一つで、沖縄に行けば必ず食べたい料理の一つです。角煮は和食の中でも有名ですが、この2つはどちらも豚肉の料理で似ているイメージがあるよな。違いはずばり肉が皮つきか皮なしかの違いのようですが、調理法や味の違い、誕生した由来など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなラフテーと角煮について、沖縄料理のソーキとの違いも合わせて、専業主婦歴10年の沖縄好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

家族旅行は必ず沖縄に行くというほど沖縄好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

ラフテーと角煮は同じ豚バラ肉

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ラフテーといえば豚バラ肉を甘辛く煮込んで作る、沖縄を代表する料理として知られていますよね。一方、同じ豚バラ肉を使った和食料理に豚の角煮がありますが、こちらも甘辛く煮込む点では同じです。

では、ラフテーと角煮は同じ料理かというと違うのもですが、どこに違いがあるのでしょうか?2つの違いを簡単に言うと、豚バラ肉の皮のありなしにあります。

ラフテーは皮付き三枚肉を使用

ラフテーには豚の皮付き三枚肉が使用されています。三枚肉とはばら肉のことで、赤身と脂身が重なっていることから3層に見えるためそう呼ばれるそう。沖縄では皮付きの豚バラ肉を三枚肉と指すことが多く、沖縄そばの上にはこの三枚肉がのっています。

皮付きの三枚肉は本土のスーパーではめったに売っておらず、仕入れ業者などを通さないとなかなか手に入りません。皮付きのプルっとした食感が特徴のラフテーは、沖縄ならではの料理なんですね。

角煮は皮なし三枚肉を使用

角煮とは本来、角切りにした食材を調理したもののことで、牛肉や魚のマグロやカツオなどを煮詰めたものも角煮といいます。ラフテーと比較される豚の角煮は豚の三枚肉(ばら肉)を使用しますが皮なしが一般的です。

豚の角煮は九州の郷土料理として有名ですが、現在では日本のどこの地域でも食べることができるポピュラーな料理ですね。

ラフテーと角煮の由来

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ラフテーと角煮は豚バラ肉に皮があるかないかの違いということがわかりましたが、それぞれの料理となったきっかけは何でしょうか?沖縄の郷土料理のラフテーと九州の郷土料理の角煮の由来には、共通していることがありました。

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中国のトンポーロウが起源

東坡肉(トンポーロウ)は皮付きの豚バラ肉を茹でるなどで脂を落とし、醤油・砂糖・酒で味付けした中国の煮込み料理のことです。

沖縄のラフテーは、このトンポーロウが琉球王朝時代に中国から伝わり、琉球王がとても気に入ったため宮廷料理として食べられるようになったことが始まりだそう。九州の角煮は、鎖国時代に中国から長崎にトンポーロウが伝わり、それが長崎で和風にアレンジされ「東坡煮」という卓袱料理になったことが始まりとされています。

中国のトンポーロウは皮付きの豚バラ肉のためラフテーも皮つきのまま定着しましたが、角煮も当初は皮付きで作られていたこともあり、今でも長崎では皮付き肉の角煮も作られているそうです。

ラフテーと角煮の調理法や味の違いは?

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ラフテーと角煮は、どちらも中華料理のトンポーロウが由来という共通点がありました。日本発祥の料理のイメージがありますが、起源は中国だったんですね。

中国のトンポーロウからアレンジされた2つですが、調理法や味の違いはあるのでしょうか?ここからは、調理法とそれによる味の違いについてみていきましょう。

ラフテーは泡盛と鰹だしでほろっと柔らかくあっさりした味

ラフテーの調理に欠かせないのは、沖縄の泡盛と鰹だし。ラフテーの主な材料はこちらです。

〈材料〉

・皮付き豚バラ肉ブロック
・泡盛
・鰹だし
・砂糖(黒砂糖)
・しょうゆ
・針生姜

お湯で茹でてアクや余分な脂を落とした豚バラ肉を適度な大きさに切り、鰹の出汁と泡盛、砂糖を煮たお鍋に入れ、しょうゆも加えたら弱火で柔らかくなるまでゆっくりじっくりと煮込みます。針生姜は盛り付けの際に添えられることが多いです。

ラフテーは煮込む際に普通のお酒ではなく「泡盛」を使います。泡盛とは沖縄名産の焼酎で、米と黒麹から作られます。アルコール度数が20~50と非常に高いのが特徴で、泡盛を使うことで一般的な日本酒に比べて肉が柔らかくなるため、分厚い見た目の豚バラ肉もお箸だけでスッと切れるほどの仕上がりに。豚の皮のプルっとしてとろけるような食感と、鰹だしの風味で甘辛くもあっさりとした味が絶品です。

角煮は調味料と臭み取りの香味野菜で煮込む

角煮はみりんが入り、照りとツヤのある仕上がりに。角煮の主な材料はこちらです。

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〈材料〉

・豚バラ肉ブロック
・しょうが、ネギ
・酒
・しょうゆ
・みりん
・砂糖

お湯で茹でてアクや余分な脂を落とした豚バラ肉を適度な大きさに切り、煮汁と酒、臭み取りのネギや風味付けの薄切り生姜を加えて煮込みます。しょうゆとみりんを加えてさらに煮込み、最後に砂糖を入れて柔らかく照りがでるまで煮込んで完成です。

角煮は調味料を一度に入れず順番に味をつけていくことや、臭み取りのネギを加えたり風味よくするために生姜などを加えます。ゆで卵を一緒に煮込んで味をつけ、一緒に盛り付けることも多いです。じっくりと時間をかけて煮込むことでお肉もほろっと柔らかくなり、こってりと甘辛く濃厚ですが、生姜がきいてさっぱりと食べれますよ。最近では時間短縮のために圧力鍋を使ったり、フライパンで簡単にできる方法もあるので、気になる方はレシピを調べてみるのもいいですね。

沖縄のソーキとは違う?

ラフテーと角煮の違いはわかりましたが、ラフテーとよく混同される沖縄のソーキとの違いは何でしょうか?

ソーキとは豚の軟骨付きのあばら肉(スペアリブ)を、泡盛・しょうゆ・砂糖・昆布だしで煮込んだもので、こちらも沖縄の郷土料理で有名です。軟骨までトロトロに煮込まれているのが特徴で、その独特な旨味でラフテーと並ぶ沖縄の人気料理の一つ。ソーキがトッピングされた沖縄そばはソーキそばと呼ばれ、沖縄県民にはもちろん沖縄を訪れた観光客も食堂などで気軽に食べることができます。

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ラフテーと角煮の違いを知って美味しく楽しもう

ラフテーと角煮の違いは、豚バラ肉の皮のありなしでしたね。どちらも同じ中国のトンポーロウが起源ですが、調理法や味付けが異なる料理でそれぞれの味わいがあります。今では全国でも沖縄料理が食べられるお店も多いため、ラフテーを求めて足を運んでみるのもいいですね。角煮は和食店や居酒屋などで食べれますが、作ったことがない方は一度ご家庭で料理してみるとより楽しく味わえるはず。どちらも違いに注目しながらいただくと、また新しい美味しさに出会えるかもしれませんね。

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3分で分かるラフテーと角煮の違い!同じ豚バラ肉?味や由来、調理法など専業主婦歴10年の沖縄好きライターがわかりやすく解説

この記事ではラフテーと角煮の違いについてみていきます。ラフテーと言えば沖縄の郷土料理の一つで、沖縄に行けば必ず食べたい料理の一つです。角煮は和食の中でも有名ですが、この2つはどちらも豚肉の料理で似ているイメージがあるよな。違いはずばり肉が皮つきか皮なしかの違いのようですが、調理法や味の違い、誕生した由来など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなラフテーと角煮について、沖縄料理のソーキとの違いも合わせて、専業主婦歴10年の沖縄好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

家族旅行は必ず沖縄に行くというほど沖縄好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

ラフテーと角煮は同じ豚バラ肉

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ラフテーといえば豚バラ肉を甘辛く煮込んで作る、沖縄を代表する料理として知られていますよね。一方、同じ豚バラ肉を使った和食料理に豚の角煮がありますが、こちらも甘辛く煮込む点では同じです。

では、ラフテーと角煮は同じ料理かというと違うのもですが、どこに違いがあるのでしょうか?2つの違いを簡単に言うと、豚バラ肉の皮のありなしにあります。

ラフテーは皮付き三枚肉を使用

ラフテーには豚の皮付き三枚肉が使用されています。三枚肉とはばら肉のことで、赤身と脂身が重なっていることから3層に見えるためそう呼ばれるそう。沖縄では皮付きの豚バラ肉を三枚肉と指すことが多く、沖縄そばの上にはこの三枚肉がのっています。

皮付きの三枚肉は本土のスーパーではめったに売っておらず、仕入れ業者などを通さないとなかなか手に入りません。皮付きのプルっとした食感が特徴のラフテーは、沖縄ならではの料理なんですね。

角煮は皮なし三枚肉を使用

角煮とは本来、角切りにした食材を調理したもののことで、牛肉や魚のマグロやカツオなどを煮詰めたものも角煮といいます。ラフテーと比較される豚の角煮は豚の三枚肉(ばら肉)を使用しますが皮なしが一般的です。

豚の角煮は九州の郷土料理として有名ですが、現在では日本のどこの地域でも食べることができるポピュラーな料理ですね。

ラフテーと角煮の由来

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ラフテーと角煮は豚バラ肉に皮があるかないかの違いということがわかりましたが、それぞれの料理となったきっかけは何でしょうか?沖縄の郷土料理のラフテーと九州の郷土料理の角煮の由来には、共通していることがありました。

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