昭和現代社会

新たな文化の担い手となった「新人類世代」の定義・特徴・有名人を元大学教員が3分でわかりやすく解説

オタク文化の社会的に地位を変えた中森明夫

中森明夫さんは雑誌の編集者でありアイドル評論家。今でも一般的に使われている「オタク」という言葉を生み出したことでも知られています。また「ネクラマニア」という言葉を使うこともありました。オタクの概念は中森明夫さんにより形づくられたと言ってもいいでしょう。

このときのオタクの対象は、鉄道ファン、ガンダムファン、コミックマーケットユーザーなど。これらの人々にインタビューする際に「お宅は」と声がけしていたことが始まりです。ただ、当時は「オタク」という表現は差別的と見なされ、連載が中止されるなどの措置もとられました。

メディアを通じて新人類の生き様を発信した筑紫哲也

ジャーナリストでニュースキャスターの筑紫哲也さんは「新人類の旗手たち」というシリーズで新人類世代を牽引する人々を紹介しました。新人類の定義はあいまいなところも多いのですが、そのリーダーたちは「新人類の旗手たち」の紹介が根拠になっています。

当時の新人類たちは、上の世代からは異星人やエイリアンと総称されるなど奇妙な存在として語られていました。それをジャーナリストの視点から、どのような生い立ちを経てどんな仕事をしているのか、自身や社会に対するまなざしなどを浮かび上がらせました。

若者のイメージを一転させたのも新人類世代

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それまでの日本では、家族みんなで同じテレビ番組を観ることが当たり前。それが、新人類世代が活躍するようになると、大人が観るものと若者が観るものが分かれるようになります。

たのきんトリオは新人類の要素を体現

田原俊彦(トシちゃん)、近藤真彦(マッチ)、野村義男(ヨッちゃん)という3人のジャニーズアイドルからなるのがたのきんトリオ。1980年代初めに短期間でしたがお茶の間を賑わせました。たのきんトリオは若者のやんちゃぶりや悪ガキブリを体現。大人とは一線を引いた存在となりました。

たのきんトリオを特徴づけるのがファッション。自由奔放な言動に加えて、中性的な顔立ちやカルフルで奇抜なファッションは、当時の大人たちからするとびっくりするもの。彼らに夢中になり熱狂する女性ファンたちも異質な存在としてとらえられました。なかでも、エレキギターを巧みに弾きこなすヨッちゃんは、新人類世代をとくに代表する存在です。

旧態の価値観をぶち壊したのがとんねるず

今でも知名度抜群のとんねるずもまた新人類に区分されるお笑いコンビです。とんねるずが台頭するまえ、家族がみんな揃ってみていたのがドリフターズの「8時だよ全員集合」。ギリギリのラインはあるものの基本的に家族で観ることを前提に制作されていました。それに対して「とんねるずのみなさんのおかげです」は、過激なトークや破壊的な行動から大人から眉を顰められます。

とんねるずの番組に一貫してあるのが旧態の価値観をぶち壊すこと。狭いスタジオを所せましと走りまわってカメラや小道具をぶち壊す、今でいうとパワハラやセクハラと捉えられかねないことも行っていました。今では再放送することすら難しい内容も。大人に媚を売らずにやりたい放題する姿も新人類の一面です。

若者のカリスマとなったのが尾崎豊

「十五の夜」や「卒業」などの名曲で知られるシンガーソングライターの尾崎豊もまた新人類世代に区分されています。このあとに解説しますが新人類世代がはじめて直面したのが大学の共通一次試験。学力が数字ではかられるようになり、受験戦争を加速させるきっかけとなりました。そんな学校教育に馴染めず、自由になりたいと歌ったのが尾崎豊さんです。

学校や社会の息苦しさや自由に対する憧れは当時の若者の共感を得ることに。学校の在り方に疑問を持って異議を申し立てる歌詞から「10代の教祖」という位置を得ます。当時は校内暴力や飲酒、喫煙をするいわゆる「不良」が社会問題化。そのような若者の深層心理を体現していると解釈されました。

\次のページで「混沌とした時代に生まれた新人類世代」を解説!/

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