この記事では、「FLAC」と「MP3」の違いについてみていきます。

どちらも音声ファイルのデータ形式のひとつですが、音質やファイルのサイズについてそれぞれ異なった特徴があるようです。今回は2つのファイル形式にどのような違いがあるのか、ファイルの変換はできるのか、Webディレクターで大の音楽好きでもあるライターのサイトウマサヒロと一緒に解説していきます。

ライター/サイトウマサヒロ

Webディレクターや会員制Webサービスの運営業務を行なっている会社員。年間数百枚以上のアルバムを聴く音楽ファンで、週末はもっぱらアイドルやバンドのライブ三昧。

FLACとMP3の違いは可逆性?

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通勤・通学中や自宅でのリラックスタイムに音楽を楽しむ際、多くの人が携帯音楽プレイヤーやスマートフォンにお気に入りの音楽を入れて再生していますよね。しかし、音楽がデータとしてどのような形になっているか、きちんと理解している方は少ないのではないでしょうか。

「音楽を機器に入れる」と言っても、実はそのデータの形式には様々な種類があるのです。

ほとんどの場合、音声ファイルをそのまま保存するとデータのサイズが大きすぎるため、圧縮された音声ファイルが使われています。

では、圧縮ファイルの中でも特によく使われる、FLACとMP3の特徴について解説していきましょう

MP3は「非可逆圧縮」

MP3は「非可逆圧縮」という方式で圧縮されたファイルの一つです。

非可逆圧縮とは、その名の通り圧縮前の状態に戻すことができない圧縮方式で、MP3の場合、人間の耳では聴き取りにくいとても高い周波数・低い周波数の音をカットすることでデータのサイズを小さくしています。

MP3は、音質がやや損なわれる代わりに、サイズ容量が大きく節約されるのが特徴です。

FLACは「可逆圧縮」

一方、FLACは「可逆圧縮」という方式で圧縮されたファイルの一つです。

可逆圧縮形式のファイルは、再生時に圧縮前の状態に戻すことができるため、FLACはオリジナルの音源と同じ音質のまま保存することが可能となっています。

MP3と比較すると容量は大きくなるものの、音質が良いのが特徴です。

MP3は容量節約、FLACは音質重視!

同じ音楽ファイルでも、MP3は容量を節約することに、FLACはキレイな音質を保つことに、それぞれ重きをおいていると言えるでしょう。

\次のページで「FLACとMP3、どちらを使うべき?」を解説!/

FLACとMP3、どちらを使うべき?

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それでは、音楽コンテンツをダウンロードする際はMP3とFLACのどちらを使うべきなのでしょうか。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、こだわりに合わせてどちらを使うか判断しましょう。

多くの曲を保存したいならMP3

少しでも多くの曲を保存したい!という方はMP3を使うのがおすすめです。

MP3とFLACはどちらも圧縮された音声ファイルではありますが、その圧縮率には大きな差があります。場合によって異なりますが、おおむねMP3の圧縮率は90%、対してFLACの圧縮率は50%ほど。

元となる音声ファイルが50MBだとした場合、MP3では5MB、FLACでは25MBに圧縮されることになりますね。MP3で保存することで1曲あたり20MBほどFLACよりも容量が節約できるのです。

同じ容量のスマホやウォークマンにも、MP3であれば、FLACの5~10倍ほどの曲数を保存できます

良い音で楽しみたいならFLAC

せっかく音楽を聴くなら良い音で楽しみたい!という方は、FLACを使うのがおすすめです。

少し専門的な話になりますが、音声データにはサンプリングレートとビット深度を掛け合わせたビットレート(kbps)という値があり、この値が高ければ高いほど音質が良くなるといわれています。MP3のビットレートが平均128kbpsなのに対し、FLACは1000~1200kbps。より高いビットレートになっていますね。

同じ曲でも、FLACであれば、MP3よりもノイズが少ないクリアで迫力のあるサウンドを味わうことができます。

様々な音声ファイル形式紹介!

音声ファイルには、MP3やFLAC以外にも様々な形式があります。ここからは、「非圧縮」「非可逆圧縮」「可逆圧縮」の3つの種類にわけて、代表的なファイル形式をご紹介していきましょう。

「非圧縮」WAV・AIFF

圧縮されていない音声ファイルには、WAVAIFFなどの種類があります。

WAVはWindowsの標準、AIFFはMacの標準フォーマットです。音楽配信サービスやヘッドフォンの商品説明でよく見る「ハイレゾ」にも、WAVやAIFFが活用されています

\次のページで「「非可逆圧縮」MP3・AAC」を解説!/

「非可逆圧縮」MP3・AAC

非可逆圧縮の音声ファイルには、先ほど解説したMP3のほか、AACなどの種類があります。

AACはMP3の後継フォーマットとして作られており、対応端末はMP3よりやや少ないものの、より高音質・高圧縮が実現可能です。

「可逆圧縮」FLAC・ALAC

可逆圧縮の音声ファイルには、FLACの他にも、ALACなどの種類があります。可逆圧縮は、「ロスレス」と呼ばれることもありますね。

ALACはAppleが開発したフォーマットで、iTunesやiPhone、MacなどのApple製品で標準形式として用いられています。

FLACとMP3の変換はできる?

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一度保存した音声ファイルの形式をFLACからMP3に、もしくはMP3からFLACに変換することは可能なのでしょうか。

結論からいうと、変換は可能です

しかし、MP3は圧縮の際に音がカットされてしまっているため、MP3からFLACに変換してもサイズが大きくなるだけで音質が良くなることはないので、あまり変換する意味はありません。

FLACからMP3へ変換すると音質は劣化するものの、サイズ容量を節約したいときや、MP3の再生に対応している機器で音楽を聴きたい時などに役立ちます。

それでは、FLACからMP3ファイルへの変換方法を解説していきましょう。

iTunesで変換する

MacのパソコンやiPhone、iPodなどで音楽を管理している方は、普段使っているiTunesでファイルの変換ができます

Macでの変換方法は、以下の通りです。

1.メニューバー「ミュージック」>「環境設定」を選択
2.「ファイル」タブの「読み込み設定」をクリック
3.「読み込み方法」の横のメニューをクリックし「MP3エンコーダ」を選択
4.「option」キーを押しながら「ファイル」>「変換」>「MP3バージョンを作成」を選択
5.変換したい曲が入っているフォルダやディスクを選択

WindowsでもMacの場合と大きな違いはなく、以下の方法で変換できます。

1.メニューバーで、「編集」>「環境設定」を選択
2.「一般」タブの「読み込み設定」をクリック
3.「読み込み方法」の横のメニューをクリックし「MP3エンコーダ」を選択
4.「Shift」キーを押しながら「ファイル」>「変換」>「MP3バージョンを作成」を選択
5.変換したい曲が入っているフォルダまたはディスクを選択

フリーソフトを使う

お使いのパソコンにiTunesがインストールされていない場合、iTunes以外にもファイルを変換できる無料のソフトがWeb上からダウンロードできます。ソフトによっては、テンポの変更やエフェクトなどの機能もあるので、変換だけでなく音声ファイルの加工・編集を行いたい場合はフリーソフトの使用を検討してみましょう。

XRECODE3」や「UniConverter」などが、代表的な変換ソフトです。フリーソフトは、「Vector」や「窓の杜」などのサイトから探すことができます。

無料のWebサービスを使う(インストール不要)

Webサイト上でファイルを簡単に変換できるサービスもあります。こちらの方法は、ソフトをインストールする手間がないので、最も手軽な方法と言えるでしょう。

Convertio」や「Online Audio Converter」などが代表的な変換サービスで、サイト上に変換したいファイルをアップするだけで、すぐに変換を開始できます。

機器の容量やこだわりに合わせて選ぼう!

容量を削るか、音質にこだわるか。人によってMP3とFLACのどちらで音楽を保存するのが良いかは異なります。この記事で違いを押さえ、いざという時のための変換方法も把握し、あなたにピッタリの方法で音楽を持ち運びましょう!

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3分でわかるFLACとMP3の違い!MacやWindowsでの変換方法は?保存方法・音声ファイルの形式について音楽好きWebディレクターがわかりやすく解説!

この記事では、「FLAC」と「MP3」の違いについてみていきます。

どちらも音声ファイルのデータ形式のひとつですが、音質やファイルのサイズについてそれぞれ異なった特徴があるようです。今回は2つのファイル形式にどのような違いがあるのか、ファイルの変換はできるのか、Webディレクターで大の音楽好きでもあるライターのサイトウマサヒロと一緒に解説していきます。

ライター/サイトウマサヒロ

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FLACとMP3の違いは可逆性?

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通勤・通学中や自宅でのリラックスタイムに音楽を楽しむ際、多くの人が携帯音楽プレイヤーやスマートフォンにお気に入りの音楽を入れて再生していますよね。しかし、音楽がデータとしてどのような形になっているか、きちんと理解している方は少ないのではないでしょうか。

「音楽を機器に入れる」と言っても、実はそのデータの形式には様々な種類があるのです。

ほとんどの場合、音声ファイルをそのまま保存するとデータのサイズが大きすぎるため、圧縮された音声ファイルが使われています。

では、圧縮ファイルの中でも特によく使われる、FLACとMP3の特徴について解説していきましょう

MP3は「非可逆圧縮」

MP3は「非可逆圧縮」という方式で圧縮されたファイルの一つです。

非可逆圧縮とは、その名の通り圧縮前の状態に戻すことができない圧縮方式で、MP3の場合、人間の耳では聴き取りにくいとても高い周波数・低い周波数の音をカットすることでデータのサイズを小さくしています。

MP3は、音質がやや損なわれる代わりに、サイズ容量が大きく節約されるのが特徴です。

FLACは「可逆圧縮」

一方、FLACは「可逆圧縮」という方式で圧縮されたファイルの一つです。

可逆圧縮形式のファイルは、再生時に圧縮前の状態に戻すことができるため、FLACはオリジナルの音源と同じ音質のまま保存することが可能となっています。

MP3と比較すると容量は大きくなるものの、音質が良いのが特徴です。

MP3は容量節約、FLACは音質重視!

同じ音楽ファイルでも、MP3は容量を節約することに、FLACはキレイな音質を保つことに、それぞれ重きをおいていると言えるでしょう。

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