この記事では「身を焼く」について解説する。

端的に言えば身を焼くの意味は「激しい恋慕の情による苦しみ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を焼く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を焼く」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「身を焼く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を焼く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を焼く」の意味は?

「身を焼く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.恋慕や嫉妬(しっと)などの激しい思いで、身もだえするほど苦しむ。身を焦がす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を焼く」

「身を焼く」は激しい恋慕・嫉妬などの感情から、身悶えするほど苦しむ様子を表す言葉です。あまりに激しい恋心・嫉妬などの感情から、むしろ苦しみを感じてしまう。「身を焼く」はこうした恋愛における強い苦しみの感情を、身を焼かれるような苦しみとして表現した慣用句となっています。

主に恋愛において使用されているという点に注意しましょう。「身を焼く」は古くから使われている慣用表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を主として使用されています。身を焼かれるほどの強い苦しみという、激しいニュアンスが込められているため、用法に注意して使用することが大切です。

「身を焼く」の語源は?

次に「身を焼く」の語源を確認しておきましょう。身を焼くは「身」と「焼く」という二種類の言葉を組み合わせて生まれています。「身」は肉体・からだを意味する言葉です。「焼く」は火をつけて燃やす・焼失させる、さらに嫉妬するという意味も持ち合わせています。

「身を焼く」はこれら二種類の言葉を組み合わせて、激しい恋心・嫉妬から身体が燃えるような苦しみに苛まれる、という表現となりました。激しい恋心・嫉妬の苦しみを同様に火で燃やされることと表して、「身を焦がす」という表現も生まれていますね。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「身を焼く」の使い方・例文」を解説!/

「身を焼く」の使い方・例文

「身を焼く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.自分以外と笑い合う彼を見て、身を焼く思いがした。
2.彼女の容姿があまりに整っているばかりに、いつも身を焼く思いだった。
3.思い焦がれた相手ともう会えないと知って、身を焼く苦しみに苛まれた。

「身を焼く」は例文のように、激しい恋心・嫉妬などの感情から苦しんでしまう様子を表しています。相手への恋心・嫉妬の感情から感じる苦しみを、身を焼かれるような苦しみと例えて表現していますね。実際に使用する際は、恋心・嫉妬などの恋愛感情から起こる苦しみ、という点に注意して使用していきましょう。

口語として使われることは少なく、主に書籍・新聞等の文章中で使用されています。また殆ど同義の表現として「身を焦がす」という表現もあり、言い換える言葉としてこちらもあわせて覚えておくと便利です。例文から実際に使用されている場面を確認し、「身を焼く」の意味を深く理解していきましょう。

「身を焼く」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「身を焼く」の類義語・違いについて一度確認していきましょう。「身を焼く」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「身を焼く」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「身を焦がす」

「身を焦がす」は激しい恋慕の情にもだえ苦しむという意味をもった慣用句です。「身を焼く」と殆ど同義の言葉として用いられており、非常によく似た意味をもった類義語となっています。使用頻度などに微妙な違いがあるため注意して使用することが大切です。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「その2「恋い焦がれる(こいこがれる)」」を解説!/

その2「恋い焦がれる(こいこがれる)」

「恋い焦がれる」は恋しさのあまりに酷く心を悩ませるという意味をもった言葉です。恋しさから悩む様子を表した言葉となっており、「身を焼く」とよく似た意味をもった類義語となっています。嫉妬からという意味はない点など、微妙なニュアンスに違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その3「恋患い(こいわずらい)」

「恋患い」は恋するあまりに起こる悩み・気のふさぎを表す言葉です。恋しさから悩む様子・苦しさを表すことができる言葉となっており、「身を焼く」と似た意味をもった類義語となっています。恋患いの漢字は場合によって「恋煩い」と書くこともあるため、こちらもあわせて覚えておきましょう。

その4「思い焦がれる」

「思い焦がれる」は深く思い慕う・一途に恋しく思う様子を表す言葉です。「身を焼く」と同様に強い恋愛感情を表す言葉となっており、似た意味をもった類義語となっています。「思い焦がれる」は強く相手を恋しく思う気持ちを表しており、激しい恋しさによる悩みという意味はない点に注意しましょう。

その5「焦がれる」

「焦がれる」は恋い慕って、思い悩むという意味をもった単語です。恋愛感情から起こる悩みを表すことができる言葉となっており、「身を焼く」とよく似た意味をもった類義語となっています。「焦がれる」そのものとして使われることは少なく、思い焦がれる・恋い焦がれるなど組み合わせて主に使われていますね。

「身を焼く」の対義語は?

「身を焼く」は、明確に対義語とされている言葉はありません。「身を焼く」は、激しい恋慕・嫉妬の感情から苦しむという意味をもった慣用句となっており、反対の意味を定義することはとても難しいですね。「身を焼く」の対義語はないと覚えておきましょう。

「身を焼く」の英訳は?

image by iStockphoto

つづいて「身を焼く」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「to burn with jealousy」」を解説!/

「to burn with jealousy」

「to burn with jealousy」は嫉妬の炎に身を焼くという意味をもった英フレーズです。嫉妬心から起こる苦しみを表すことができる英フレーズとなっており、日本語の「身を焼く」とよく似た意味を表現することができます。こちらは「with jealousy」と嫉妬に限定した表現となっている点に注意しましょう。

「身を焼く」を使いこなそう

この記事では「身を焼く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「身を焼く」は激しい恋慕・嫉妬の感情から、もだえ苦しむ様子を表した慣用句です。非常によく似た表現として「身を焦がす」といった表現方法もあるため、こちらもあわせて覚えておき、使い分けていきましょう。

また類義語には「身を焦がす」、「恋い焦がれる」、「恋患い」、「思い焦がれる」、「焦がれる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「身を焼く」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「身を焼く」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「身を焼く」について解説する。

端的に言えば身を焼くの意味は「激しい恋慕の情による苦しみ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を焼く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を焼く」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「身を焼く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を焼く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を焼く」の意味は?

「身を焼く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.恋慕や嫉妬(しっと)などの激しい思いで、身もだえするほど苦しむ。身を焦がす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を焼く」

「身を焼く」は激しい恋慕・嫉妬などの感情から、身悶えするほど苦しむ様子を表す言葉です。あまりに激しい恋心・嫉妬などの感情から、むしろ苦しみを感じてしまう。「身を焼く」はこうした恋愛における強い苦しみの感情を、身を焼かれるような苦しみとして表現した慣用句となっています。

主に恋愛において使用されているという点に注意しましょう。「身を焼く」は古くから使われている慣用表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を主として使用されています。身を焼かれるほどの強い苦しみという、激しいニュアンスが込められているため、用法に注意して使用することが大切です。

「身を焼く」の語源は?

次に「身を焼く」の語源を確認しておきましょう。身を焼くは「身」と「焼く」という二種類の言葉を組み合わせて生まれています。「身」は肉体・からだを意味する言葉です。「焼く」は火をつけて燃やす・焼失させる、さらに嫉妬するという意味も持ち合わせています。

「身を焼く」はこれら二種類の言葉を組み合わせて、激しい恋心・嫉妬から身体が燃えるような苦しみに苛まれる、という表現となりました。激しい恋心・嫉妬の苦しみを同様に火で燃やされることと表して、「身を焦がす」という表現も生まれていますね。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「身を焼く」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: