端的に言えば身を焼くの意味は「激しい恋慕の情による苦しみ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を焼く」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「身を焼く」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「身を焼く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を焼く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。
「身を焼く」の意味は?
「身を焼く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.恋慕や嫉妬(しっと)などの激しい思いで、身もだえするほど苦しむ。身を焦がす。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を焼く」
「身を焼く」は激しい恋慕・嫉妬などの感情から、身悶えするほど苦しむ様子を表す言葉です。あまりに激しい恋心・嫉妬などの感情から、むしろ苦しみを感じてしまう。「身を焼く」はこうした恋愛における強い苦しみの感情を、身を焼かれるような苦しみとして表現した慣用句となっています。
主に恋愛において使用されているという点に注意しましょう。「身を焼く」は古くから使われている慣用表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を主として使用されています。身を焼かれるほどの強い苦しみという、激しいニュアンスが込められているため、用法に注意して使用することが大切です。
「身を焼く」の語源は?
次に「身を焼く」の語源を確認しておきましょう。身を焼くは「身」と「焼く」という二種類の言葉を組み合わせて生まれています。「身」は肉体・からだを意味する言葉です。「焼く」は火をつけて燃やす・焼失させる、さらに嫉妬するという意味も持ち合わせています。
「身を焼く」はこれら二種類の言葉を組み合わせて、激しい恋心・嫉妬から身体が燃えるような苦しみに苛まれる、という表現となりました。激しい恋心・嫉妬の苦しみを同様に火で燃やされることと表して、「身を焦がす」という表現も生まれていますね。こちらもあわせて覚えておきましょう。
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