今回は「沖縄そば ソーキそば」の違いについて解説していきます。沖縄のソウルフードとして有名な両者ですがみんなは両者の違いを知っているか?結論を言うと、沖縄そばは総称名でありソーキそばはその一種なんです。この記事ではそんな沖縄そばとソーキそばの違いに加え、混同しやすい八重山そばや宮古そばとの違いについてを雑学大好き現役大学生ライターmmQnと一緒に解説していきます。
ライター/mmQn
雑学大好きの現役大学生mmQn。普段から料理をするのが大好きで、食に関する雑学は得意分野。料理経験も活かしわかりやすく解説する。
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沖縄グルメとして有名な沖縄そばとソーキそば。沖縄へ行ったら是非とも食べたい両者ですが、皆さんはその違いをご存知ですか。以下より両者の違いを見ていきましょう。
まず沖縄そばについてですが、その名は総称名を表します。以下紹介するソーキそばも沖縄そばの一種であり、麺やトッピングの違いによって様々な種類の沖縄そばが存在します。とはいえ、一般的にお店で提供される沖縄そばには、甘辛く味付けした豚の角煮をスライスした様な三枚肉やかまぼこ、紅生姜、細ネギがトッピングされるケースが多いです。
ソーキそばは沖縄そばの一種で、スペアリブがトッピングされた沖縄そばのこと。そもそもソーキそばのソーキは沖縄では「スペアリブ」のことを意味します。
本場沖縄そばは、原料や熟成、麺の太さに到るまで12もの定義があり、どれか1つがかけても沖縄そばと呼べないとのことです。
①沖縄県内で製造されたもの
②手打ち式(風)のもの
③原料小麦粉[タンパク質11%以上、灰分0.42%以下のもの]
④加水量[小麦粉重量に対し34%~36%以下]
⑤かんすい[ボーメ2度~4度]
⑥食塩[ボーメ5度~10度]
⑦熟成時間[30分以内]
⑧めん線[麺の厚さ1.5~1.7mm]切刃番手[薄刃の10番~12番]
⑨手もみ[裁断されためん線は、ゆでる前に必ず手もみ(工程)を行う]
⑩ゆで水のpH8~9
⑪ゆで時間[約2分以内で十分可食状態であること]
⑫仕上げ[油処理してあること]
(出典:おきなわ物語)
\次のページで「沖縄そばのスープや麺の特徴は?」を解説!/
上記の様に定義される沖縄そばですが、大きな特徴はそば粉を一切使用しないこと。沖縄そばの麺は、小麦粉100%にかん水・食塩・水を加えて作るのが一般的であり、仕上げに油処理を行う場合もあります。また、スープは鰹節と豚の出汁を使用した塩ベースが主流です。
沖縄そばとソーキそばの違いに確認できたところで、ここからは両者の歴史について見ていきましょう。
まず沖縄そばについてですが、その発祥は14~15世紀ごろ。当時”明”の時代であった中国から伝わった麺が沖縄そばの始まりとされており、もともとは宮廷料理として提供されていた高級料理とされています。その後、次第に庶民へと広まり沖縄のローカルフードとなったそうです。
一方でソーキそばの発祥は昭和50年ごろで、ちょうど沖縄が本土復帰した頃になります。当時のあるお店で、単体で販売されていた沖縄そばにスペアリブをトッピングして販売したところ、爆発的な人気がでたことからソーキそばが誕生したそうです。
沖縄そばとソーキそば同様によく混同されるのが八重山そばと宮古そば。両者ともにソーキそばと同じ様に沖縄そばに分類されますが、それぞれ特徴があるので以下詳しく解説していきます。
\次のページで「1. 八重山そば:細めのストレート麺」を解説!/
八重山そばは、石垣島や西表島など八重山諸島で愛されているソウルフード。トッピングにかまぼこや豚肉の細切りがのっている点や細めの縮れていないストレート麺を使用している点が大きな特徴になります。
一方宮古そばは沖縄県の宮古島発祥の沖縄そばで一般的な沖縄そばとの違いは、「具隠れスタイル」にあります。宮古そばは、トッピングに使用される三枚肉やかまぼこを麺の下に隠して提供される点大きな特徴です。また、麺については細めの縮れていない平打ち麺を使用しています。
上で紹介してきた八重山そばや宮古そばに加え、沖縄そばには様々な種類が存在するので以下箇条書きで紹介していきます。
・軟骨ソーキそば:軟骨付きの豚肉をトッピングした沖縄そば。
・てびちそば:沖縄の郷土料理「あしてぃびち」をトッピングした沖縄そば。あしてぃびちは豚足を意味します。
・ゆし豆腐そば:沖縄の郷土料理「ゆし豆腐」をトッピングした沖縄そば。ゆし豆腐とは、豆乳ににがりを入れた状態から固めずにそのままふわふわとやわらかい状態のものを指します。
・あーさそば:海藻の「あおさ」をトッピングした沖縄そば。
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ここで余談ですが、10/17は「沖縄そばの日」とされているそうです。沖縄そばは、麺にそば粉が一切使われていない小麦粉100%の麺であったことから、沖縄が本土復帰した際その呼び方が禁止されていました。その上で、当時の沖縄生麺協同組合は「沖縄そば」の呼び名を存続させようという活動を展開していきました。そして、その呼び名を使用して良いと認められたのが1978(昭和53)年10月17日になったことから10/17は「沖縄そばの日」として制定されたそうです。
\次のページで「沖縄へ行ったら色々な種類の沖縄そばを堪能してみよう!」を解説!/
この記事では沖縄そばとソーキそばの違いを解説してきました。おさらいすると沖縄そばとは総称名であり、ソーキそばはその一種です。ソーキそばを含め沖縄そばは、基本的にトッピングするものによってその名が異なります。また、八重山そばや宮古そばなど地域特有の沖縄そばもあるので沖縄に行った際は色々な種類の沖縄そばを堪能してみてくださいね。