この記事では白だしとめんつゆの違いについてみていきます。どちらも和食を作るのには欠かせない万能調味料として知られていますね。同じように出汁のきいた調味料のイメージがありますが、違いはずばり原材料です。使われている醬油の種類や味、料理の仕上がり方など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回はそんな和食の定番調味料の違いを、それぞれの出来た由来から確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

普段から料理が好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

白だしとめんつゆの違いは醤油の種類!

image by iStockphoto

料理をするなら必ずと言っていいほど冷蔵庫に入っている調味料といえば、白だしとめんつゆではないでしょうか。この2つは和食にはなくてはならない万能調味料ですよね。

似ている調味料なので、なんとなくで使い分けているという人も多いと思いますが、白だしとめんつゆでは原材料の醤油に大きな違いがあるのです。

白だしとめんつゆの原材料はほぼ同じ

家にある白だしとめんつゆの原材料を見比べてみても、使われているものはほとんど同じでした。メーカーによって違いはありますが、白だしとめんつゆに共通している主な原材料はこちら。

・醤油
・食塩
・砂糖
・かつおぶしエキス
・節
・魚介エキス
・小麦発酵調味料
・みりん
・酵母エキス
・アミノ酸等
・酸味料
・アルコール

これに加えてメーカによっては出汁の違いで昆布や椎茸が使われていたり、めんつゆにはぶどう糖果糖液糖というトウモロコシ由来の糖が含まれていたりします。

では白だしとめんつゆにはどこに違いがあるのかというと、醤油の種類です。

白だしには淡口醤油や白醤油を使用

白だしの見た目はめんつゆよりも透明感のある薄い色をしていますが、出汁や食塩、みりんに淡口醬油(うすくちしょうゆ)や白醬油(しろしょうゆ)を合わせた調味料です。淡口醬油と白醤油は一般的な濃口醬油よりも塩分は高く色が淡いのが特徴なので、それらがベースとなる白だしは色が薄いのですね。

白だしの始まりは1970年代。愛知県で白醤油を製造するヤマシン醸造が、出汁と白醬油を合わせた「しらつゆ」をつくったのが白だしの始まりとされています。

\次のページで「めんつゆには濃口醤油を使用」を解説!/

めんつゆには濃口醤油を使用

めんつゆの見た目は濃い色をしていますが、出汁やみりん、砂糖に濃口醬油を合わせた調味料です。濃口醬油とみりん、砂糖を煮詰めたところにかつおぶしや昆布、椎茸などからとった出汁を合わせます。濃口醬油は食卓には必ずある定番の醤油で、その色の濃さがめんつゆのメインとなっているのです。

めんつゆの始まりは江戸時代。蕎麦には味噌から作る「たれみそ」をつゆとしてつけていましたが作るのに手間がかかるため、そのころ流通するようになった醤油にみりんと出汁を合わせたつゆがめんつゆの始まりとされています。

白だしとめんつゆの成分や味は?

image by iStockphoto

白だしとめんつゆの原材料や使われている醬油の種類などがわかりましたが、それぞれの成分や味にはどのように違いがあるのでしょう?違う種類の醤油が使われているため、塩分の差などもあるのか気になるところ。ここからは、成分や味の特徴などを確認しながらみていきましょう。

白だしとめんつゆの成分を比較

ここでは有名なヤマキのめんつゆと白だしの栄養成分表示100gあたりで比較してみます。

〈白だし〉
エネルギー:42kcal/たんぱく質:3.1g/脂質:0/炭水化物:7.5g/食塩相当量:10.2g

〈めんつゆ〉
エネルギー:71kcal/たんぱく質:2.4g/脂質:0/炭水化物:15.4g/食塩相当量:7.2g

出典:ヤマキ公式サイト

比べてみるとカロリーと炭水化物はめんつゆの方が高くなっていますね。炭水化物は糖質と食物繊維からできているので、ぶどう糖果糖液糖や砂糖が多く含まれているめんつゆは糖質が高いことがわかり、カロリーも高くなるのです。

逆に白だしの方が食塩は多く含まれています。原材料名の表示は重量の割合が高い順に表示されており、一番目に食塩となっている白だしは、食塩量が多いということ。また、使われている淡口醤油も塩分が高いということも一つではないでしょうか。

\次のページで「白だしは塩味がつよい」を解説!/

白だしは塩味がつよい

白だしは出汁の風味が豊かで、塩分の強い白醬油や淡口醬油によって塩味も強くなります。塩分の濃度が高い分少しの量だけで味が決まるので、出汁の香りやうまみを楽しみたい料理にはとても手軽に使えて便利です。

塩味をつけたい時に醤油の代わりとして使うと味もしっかり決まり、白だしの豊かな出汁の風味も味わえますよ。

めんつゆは甘さがある

白だしに比べてめんつゆは、醤油にみりんや砂糖を合わせているので甘みがついています。こちらも出汁と合わせているので、しっかりと出汁のうまみと甘みをつけたい時にはとても便利で、麵類のつゆ以外にも幅広く使える調味料です。

めんつゆも濃縮2倍や4倍タイプが販売されているので、少しの量でおいしく料理が仕上がるので主婦の強い味方ですね。

白だしとめんつゆの使い分け方!

image by iStockphoto

ここまで白だしとめんつゆをなんとなく使っていた人も、それぞれの違いや特徴がわかってきたと思います。それでは2つの違いによってどのようにして料理に使い分ければいいのかを、具体的にご紹介しましょう。

白だしは素材を引き立てる料理に

白だしは和食全般に使えますが、特に出汁の味を引き立てたい時や食材の色を生かした料理におすすめです。例えば茶碗蒸しやだし巻き卵、お吸い物など、出汁のうまみを感じつつ素材の色を邪魔したくない料理には白だしが向いていると言えます。白だしだけでプロの味に仕上がるので、料理初心者でも簡単に美味しく調理することができますよ。

和食以外にもおすすめなのがサラダ。白だしの出汁のうまみと程よい塩味が、ドレッシングで食べるサラダに比べてシンプルであっさりとした味わいで、いくらでも食べれてしまうのでぜひお試しください!

めんつゆは出汁の風味を味わう料理に

めんつゆも和食全般に使えますが、出汁の他に料理の基本で使う醬油・酒・砂糖が入っているので、これだけでしっかりと味付けができてしまうのです。例えばめんつゆを希釈してうどんやお鍋のだしにするのはもちろん、煮物や炒め物に使ってもおいしく仕上がります。味付き卵もめんつゆにゆで卵をつけておくだけで、簡単におかず一品ができますよ。

めんつゆは洋食や中華のレシピにも応用が可能。和風パスタやチャプチェなどに味付けのメインとして使えば、出汁のうまみで素材の味が引きたち、洋風・中華調味料ともうまく調和し味わいが増します。

\次のページで「白だしとめんつゆは代用できる?」を解説!/

白だしとめんつゆは代用できる?

白だしとめんつゆは和食にかかせないだし汁が基本となるため、それぞれ料理には代用可能です。

白だしは塩分が強いので量に注意は必要ですが、みりんや砂糖で甘みをつければめんつゆと同じような味わいになります。めんつゆには濃口醬油の濃い色がついているので料理にも多少の色味はでますが、気にならない料理も多いので和食にはどちらも代用はできるのです。

だし醤油とはどう違う?

だし醤油という調味料はご存じですか?見た目がめんつゆのように濃い色をしているので、違いがわかりにくいですよね。

だし醬油とは、醤油に鰹節や昆布などの出汁を合わせている調味料のことで、ベースが醤油になります。簡単に言えばめんつゆは砂糖やみりんで甘みがたされていますが、だし醤油な甘みはなく出汁のきいた醤油として味付けに使い分けるといいでしょう。

料理がぐっと美味しくなる、白だしとめんつゆをうまく使おう!

白だしとめんつゆは冷蔵庫に常備されているご家庭もあると思いますが、なんとなく使い分けていても料理は美味しく仕上がりますよね。その理由は出汁がベースにあるため、素材の味を引き立て味のまとまりもよくしてくれるからです。さらにシンプルな出汁のきいた白だしと、出汁と甘みのあるめんつゆの違いに注目して使い分けてみると、さらに料理の腕も上がるはず。上手に使って毎日の料理に活かしてみてはいかかでしょうか。

" /> 3分で分かる白だしとめんつゆの違い!代用はできる?原材料や成分、使い分け方など専業主婦歴10年の料理好きライターがわかりやすく解説 – Study-Z
雑学食べ物・飲み物

3分で分かる白だしとめんつゆの違い!代用はできる?原材料や成分、使い分け方など専業主婦歴10年の料理好きライターがわかりやすく解説

この記事では白だしとめんつゆの違いについてみていきます。どちらも和食を作るのには欠かせない万能調味料として知られていますね。同じように出汁のきいた調味料のイメージがありますが、違いはずばり原材料です。使われている醬油の種類や味、料理の仕上がり方など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回はそんな和食の定番調味料の違いを、それぞれの出来た由来から確認しつつ、専業主婦歴10年の料理好きライターささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

普段から料理が好きな、子ども3人を育てる専業主婦。栄養の高さや身体によいという食品を、なんでも料理に取り入れている健康オタクでもある。

白だしとめんつゆの違いは醤油の種類!

image by iStockphoto

料理をするなら必ずと言っていいほど冷蔵庫に入っている調味料といえば、白だしとめんつゆではないでしょうか。この2つは和食にはなくてはならない万能調味料ですよね。

似ている調味料なので、なんとなくで使い分けているという人も多いと思いますが、白だしとめんつゆでは原材料の醤油に大きな違いがあるのです。

白だしとめんつゆの原材料はほぼ同じ

家にある白だしとめんつゆの原材料を見比べてみても、使われているものはほとんど同じでした。メーカーによって違いはありますが、白だしとめんつゆに共通している主な原材料はこちら。

・醤油
・食塩
・砂糖
・かつおぶしエキス
・節
・魚介エキス
・小麦発酵調味料
・みりん
・酵母エキス
・アミノ酸等
・酸味料
・アルコール

これに加えてメーカによっては出汁の違いで昆布や椎茸が使われていたり、めんつゆにはぶどう糖果糖液糖というトウモロコシ由来の糖が含まれていたりします。

では白だしとめんつゆにはどこに違いがあるのかというと、醤油の種類です。

白だしには淡口醤油や白醤油を使用

白だしの見た目はめんつゆよりも透明感のある薄い色をしていますが、出汁や食塩、みりんに淡口醬油(うすくちしょうゆ)や白醬油(しろしょうゆ)を合わせた調味料です。淡口醬油と白醤油は一般的な濃口醬油よりも塩分は高く色が淡いのが特徴なので、それらがベースとなる白だしは色が薄いのですね。

白だしの始まりは1970年代。愛知県で白醤油を製造するヤマシン醸造が、出汁と白醬油を合わせた「しらつゆ」をつくったのが白だしの始まりとされています。

\次のページで「めんつゆには濃口醤油を使用」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: