この記事では「財布の紐を緩める」について解説する。

端的に言えば財布の紐を緩めるの意味は「浪費する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「財布の紐を緩める」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「財布の紐を緩める」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「財布の紐を緩める」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「財布の紐を緩める」(さいふのひもをゆるめる)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「財布の紐を緩める」の意味は?

まず、「財布の紐を緩める」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. いつもより金を多く使う。浪費する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「財布の紐を緩める」

「財布の紐を緩める」は、辞書によると「浪費する」と定義されていますが、「財布のどこに紐がついているんだ?」と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。では、その疑問については、次の語源のところでご紹介しましょう。

「財布の紐を緩める」の語源は?

「財布の紐を緩める」という言葉ができたのは、おそらく、明治維新以降なのではないかと考えられています。日本では、平安時代までは物々交換が主流でしたが、平安時代になると諸外国との貿易が始まり、やがて、渡来銭(とらいせん)と言われる硬貨(こうか)が日本国内でも少しずつ使われるようになっていったのです。

当時の硬貨は真ん中に穴が開いていて、人々はその穴に紐などを通して束ねて持ち歩いていたようですが、江戸時代に入り町の治安が改善し、お店なども増えてくると次第に多くの人が硬貨を使用するようになり、人々は硬貨を一度に出し入れするのに便利な巾着(きんちゃく)に入れて持ち歩くようになりました。やがて、「巾着」は現在の「財布」の用途として使われるようになっていきました。「昔で言う、巾着の紐を緩める」ことはお金が出ていくことを意味しますので、そこから「お金を使う」、「浪費する」という意味に発展していったのだと考えられています。

 

\次のページで「「財布の紐を緩める」の使い方・例文」を解説!/

「財布の紐を緩める」の使い方・例文

「財布の紐を緩める」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 「規制が緩和(かんわ)されて自由に外へ出られるようになったものだから、今までの反動で、財布の紐がゆるんじゃったわ。先月よりも小遣いを3倍も使ちゃった」

2. 「しらふの時は、自制心があるから今日は5千円を上限に飲み始めたのだけど、時計の針が夜の10時を過ぎると、気持ちも大きくなって、財布の紐が緩んでしまった。翌日、反省して落ち込むんだけど、まあいつもの話さ。」

普段から無駄づかいには気をつけていても「財布の紐を緩めてしまう」瞬間は誰にでもあることですね。その都度反省することになるかもしれませんがストレスをためないためにも、たまには息抜きに無駄使いすることも悪いことではないかもしれませんね。

「財布の紐を緩める」の類義語は?違いは?

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それでは、「財布の紐を緩める」の類義語を見ていきましょう。

「浪費家」

「財布の紐を緩める」は「いつもよりお金を使って浪費すること」の意味でしたが、「どういう時に人は財布の紐を緩めるのでしょうか?」例えば、景気がよくなり、勤務時間が増えたり、給料があがったりしてお金に余裕ができたりすると一般的には財布の紐が緩みます。一方、逆に景気が悪くなって収入が減少したり、物価が上昇し、原価や買値が上昇すると、消費者はいつもよりお金を使わないように調整する消費行動に移行していくものです。

周りの経済状況によって消費行動を変えるのが一般的ですが、「多くのお金を常に消費することが慣習的になってしまっている人々」もいますね。そのような習慣を持った人々のことを「浪費家」(ろうひか)と呼んでいます。言い換えれば、「財布の紐をゆるめっぱなしな人々」と言えるかもしれませんね。

\次のページで「「財布の紐を緩める」の対義語は?」を解説!/

「財布の紐を緩める」の対義語は?

次に「財布の紐を緩める」の対義語を見ていきましょう。

「財布の紐を締める」

「財布の紐を緩める」が「無駄遣いすること」であれば、対義語として最初に頭に浮かぶのは「財布の紐が堅い」(さいふのひもがかたい)でしょう。人は、お金を使うときに、「財布」を開けたり、「小銭入れ」のチャックを開けるわけで、「お金を使わない」のであれば、しっかり締めておけばよいのです。そこから発展して「財布の紐を締める」は、「簡単にお金を使わない」「むだ遣いしない」という意味で使われるようになりました。習慣的にお金を使わない性格の人のことを「倹約家」(けんやくか)ということができるかもしれません。

「財布の紐を緩める」の英訳は?

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次に「財布の紐を緩める」の英訳を見ていきましょう。

「loosen the purse strings」

英語にもたまに日本語と同じ感覚で表現される決まり文句や慣用句がありますが、「財布の紐を緩める」もそのひとつです。「財布の紐を緩める」を英訳すると「loosen the purse strings」になります。

「loosen」(lúːsn)は、「ゆるめる」「解く」「離す」意味する動詞。「purse」(pˈɚːs)は、「財布」や「がま口」という名詞。「strings」(strɪŋz)は、ロープよりも細い「ひも」や「糸」の名詞になります。「loosen the purse strings」は、まさに、「財布のひもを緩める」ことであり、日本と同様に「浪費する」、「いつもより多くお金を使う」例えとして使われる表現になるのです。

「財布の紐を緩める」を使いこなそう

この記事では「財布の紐を緩める」の意味や使い方について見てきました。「財布の紐を緩める」は「無駄づかいする」という意味でした。
若い頃は、あまり価格にこだわらず生活していけるかもしれませんが、結婚して子どもを持つと、やはり商品の値段や特売には敏感になっていくものですし、原材料の値上げや金融関連のニュースにも耳を傾けるようになっていくものです。お金とは一生付き合っていかなければならない問題ですから、より良くいきるためにどう節約すればよいのかを考えてみてもいいかもしれません。

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【慣用句】「財布の紐を緩める」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「財布の紐を緩める」について解説する。

端的に言えば財布の紐を緩めるの意味は「浪費する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「財布の紐を緩める」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「財布の紐を緩める」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「財布の紐を緩める」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「財布の紐を緩める」(さいふのひもをゆるめる)の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「財布の紐を緩める」の意味は?

まず、「財布の紐を緩める」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. いつもより金を多く使う。浪費する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「財布の紐を緩める」

「財布の紐を緩める」は、辞書によると「浪費する」と定義されていますが、「財布のどこに紐がついているんだ?」と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。では、その疑問については、次の語源のところでご紹介しましょう。

「財布の紐を緩める」の語源は?

「財布の紐を緩める」という言葉ができたのは、おそらく、明治維新以降なのではないかと考えられています。日本では、平安時代までは物々交換が主流でしたが、平安時代になると諸外国との貿易が始まり、やがて、渡来銭(とらいせん)と言われる硬貨(こうか)が日本国内でも少しずつ使われるようになっていったのです。

当時の硬貨は真ん中に穴が開いていて、人々はその穴に紐などを通して束ねて持ち歩いていたようですが、江戸時代に入り町の治安が改善し、お店なども増えてくると次第に多くの人が硬貨を使用するようになり、人々は硬貨を一度に出し入れするのに便利な巾着(きんちゃく)に入れて持ち歩くようになりました。やがて、「巾着」は現在の「財布」の用途として使われるようになっていきました。「昔で言う、巾着の紐を緩める」ことはお金が出ていくことを意味しますので、そこから「お金を使う」、「浪費する」という意味に発展していったのだと考えられています。

 

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