世界の気候帯・気候区分について
World Köppen Map.png: Peel, M. C., Finlayson, B. L., and McMahon, T. A. (University of Melbourne) derivative work: Br-Sc-94 (talk) – World Köppen Map.png, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
気候帯および気候区分は、世界中の気候を共通の特徴に注目して分類を行ったものになりますよ。気候帯は全部で7つに分けられ、気候区分は気候帯をさらに分割したものとなります。ここで説明する気候区分は、ドイツの気候学者であるウラジミール・ペーター・ケッペンによって考え出されたものですよ。ケッペンは植生の特徴に注目して世界ではじめて大々的に気候区分を提唱した人物ですよ。
気候帯は、低緯度地域から高緯度地域の順で熱帯・乾燥帯・亜熱帯・温帯・亜寒帯・寒帯となっています。また、例外的に標高の高い地域は高山気候に分類されますよ。気候帯の分類は主に気温を基準として行われます。気候区分は、これらの条件に加えて、降水量や植生といった要素も判別の基準になるのです。気候帯や気候区分などの考え方は、気象学において非常に重要な概念になっています。
温帯について
image by iStockphoto
ここでは、温暖湿潤気候が属する温帯という気候帯についての知識を身につけましょう。温帯に属する気候区分には、今回の記事におけるキーワードである温暖湿潤気候以外に、西岸海洋性気候や地中海性気候などが含まれています。温帯に属する地域としては、中緯度に位置する日本やヨーロッバなどが挙げられますよ。
温帯に属する地域は冬は寒すぎず、夏は夏過ぎないという理由から、古い時代から農耕が盛んに行われてきていたと考えられています。現在でも、穀倉地帯の多くが温帯地域に存在していますよね。また、農耕を営みやすいという理由から、温帯に属する地域では人口が多くなりやすくなっています。
温暖湿潤気候について学ぼう!
ここまでの記事を読んで気候区分について基礎知識を身につけることができたかと思います。以下では、その前提知識をもとに温暖湿潤気候についてより深く学んでいきましょう。具体的には、温暖湿潤気候の定義・特徴・分布などについて説明していきますよ。これらの項目について説明することができるようになれば、温暖湿潤気候について9割方理解できたと言えるでしょう。
温暖湿潤気候について詳しく学ぶ際には、説明した事柄を丸覚えするのではなく、メカニズムに基づいた本質的な理解をできるように心掛けてくださいね。このような理解ができれば、関連事項を学ぶ際に非常に役立つでしょう。それでは、以下の記事を読み進めてみてください。
温暖湿潤気候の定義
image by Study-Z編集部
温暖湿潤気候の定義は以下で述べるような条件によって決まっていますよ。気温に関しては、最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満であり、最暖月平均気温が22℃以上であるという条件があります。
また、降水量に関する条件もありますよ。最多雨月が夏に存在する場合は、(最多雨月降水量)≦10×(最少雨月降水量)という式を満たす必要があります。一方、最多雨月が冬にある場合は、(最多雨月降水量)≦3×(最少雨月降水量)という式を満たす必要があるのです。なお、最少雨月降水量は30mm以上であるなければなりません。
以上のような複雑な条件に加えて、降水量が乾燥限界以上にならないということも温暖湿潤気候の定義に含まれますよ。このように、数式を用いた厳密な温暖湿潤気候の定義があるのです。
温暖湿潤気候の特徴
image by iStockphoto
定義の説明でけでは、温暖湿潤気候のイメージをつかみにくいという方がおられるかもしれません。ですから、ここでは温暖湿潤気候の地域において、どのような気象的な特徴がみられるのかをできるだけ嚙み砕いて説明しますね。
温暖湿潤気候は、日本のように四季がはっきりとした気候をイメージすると良いですよ。また、湿潤という名前の通り、比較的降水量が多くなることも知られています。日本では、梅雨や台風が原因で降水量が多くなっていますよね。
\次のページで「温暖湿潤気候の分布」を解説!/