今日は「生ビール・瓶ビール・缶ビールの違い」について取り上げるぞ。ビール好きの君はこの3つの違いをきちんと言えるでしょうか?「生ビールはジョッキのビールでしょ!?」と思ったなら残念ながら不正解です。
今回は、世界各国から酒類や食品の輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒にこの違いを解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。過去にはお酒のマーケティングなども担当。毎日の晩御飯ではクラフトビールからワインへとハシゴするのが日課。会社のデスク回りも世界から取り寄せたお酒や食材でいっぱいになっている。

「生ビール」「瓶ビール」「缶ビール」は結局何が違うの?

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『とりあえずビールが飲みたい!』これは酒好きならだれもが発する一言ですよね。ですが、ビールと言ってもジョッキに注がれた生ビールから瓶ビール、缶ビールまで様々です。これらの違いは一体何でしょうか 。今回はへぇ~と頷くビールの違いをご紹介していきますね。

生ビールが瓶・缶よりも美味しいと感じる3つの理由

「やっぱり生ビールが美味しい!」と思っている方は多いはず。ですが実は、生ビールも瓶ビールも缶ビールも全て中身は同じものなのです。では、中身は同じはずなのになぜ生ビールが美味しいと感じるのか、その理由は大きく3点あります。ひとつは、お店にあるような樽に入ったビールは瓶・缶に比べて酸化しづらく、美味しさをキープしやすいという点。ふたつ目は、サーバーを使うことでガス圧・温度・泡をコントロールでき、すべてを最適な状態で注ぐことができるという点。最後は、飲み口の大きなジョッキを使うことによって、ビールの香りを鼻で感じながら舌でも味を楽しむことができるという点が挙げられます。

ただし、こうやっておいしいと思えるのも、サーバーを細かく丁寧に洗浄していればの話。ここの手入れが不十分な場合、生ビールであっても逆にまずくなってしまうのです。

瓶ビールの方が缶ビールより美味しい理由

先ほどご説明したように、生ビールはサーバーが丁寧に洗浄されてこその味。それを考えると、実は瓶ビールの美味しさもなかなかのものです。また、瓶ビールとよく比較されるのが缶ビールですよね。ですが、美味しさという点については、やはり瓶ビールの方に軍配が上がります。なぜならば、ビールの味を左右する大きな要因が「酸化」ですが、この酸化の原因となる空気をより多く追い出してパッキングできるのは瓶の方だからです。もちろん缶も、できる限り酸素を逃がすような仕組みにはなっています。ですが、形状的に瓶ほどは空気を追い出せないため、瓶よりも酸化しやすくなってしまうのです。

「缶ビールはアルミの味がする」は間違い

「缶ビールってアルミの味がするから好きじゃない」という声をよく聴きますね。ですが、これは少々誤解があります。缶の内部は特殊コーティングをされており、缶の成分がビールに溶け出すようなことはまずありません。味が違うと感じるのは、缶の成分が流れ出ているからではなく、缶から直接飲む時に口を付けた部分の金属のにおいを感じることが原因のようです。そもそも、どのビールもグラスに注いで飲むことを前提に作られています。よって、缶ビールは缶のまま飲まず、グラスを使うのがおすすめなのです。

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「生ビール」「瓶ビール」「缶ビール」の中身の違い

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前章では、生も瓶も缶もビールの中身は同じということを簡単に述べました。ここでは、同じとはどういうことなのか、また違うところは本当に何もないのかなどについてご説明しますね。

実はみんな中身は一緒!

生ビール、瓶ビール、缶ビール。これらの中身は全て同じものであり、単に容器が異なっているだけなのです。それそれで中身を作り分けている訳ではありません。よって、同じ銘柄のビールなら、ジョッキでも瓶でも缶でもどれ飲んでも大元は一緒の液体であり、容器が異なっていても同じ味のビールであるのです。敢えて違いを挙げるなら、パッケージの際に使用される炭酸ガスの量でしょうか。

瓶も缶も実は「生ビール」である

日本では「生ビール」=「お店でジョッキに注がれた泡の乗ったあのビール」と想像する人が大半ですね。ですがこれは実は正しくありません。あれは「樽生ビール」と呼ばれるもので、あくまで生ビールが樽に入っているだけに過ぎません。ジョッキだろうが、瓶だろうが、缶だろうが、本来はどれも生ビールと言っても間違いはないのです。ですが、現状では「ジョッキに入って出てくるのが生ビール。それ以外は生ではないビール。」という認識が一般的になっています。

「生ビール」と「生じゃないビール」の違い

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生ビールと生じゃないビールの違いとは一体何でしょうか?ジョッキで注がれたものか、瓶や缶かの違いかではないという話は既にしましたね。では何をもって「生」なのか、ここで説明しましょう。

生ビールとは加熱処理していないビールのこと

日本において生ビールとは、ビールに含まれる酵母をろ過して取り除いたビールを指します。熱処理をしていないビールのことです。ビールは酵母菌によって発酵・醸造が進みますが、仕上がるとこれ以上発酵を進めないために酵母を取り除く必要が出てきます。そこで、ろ過機に通すことで酵母を取り除いたものが生ビールと呼ばれるのです。なお、現在日本で販売されているビールの大半はこの「生ビール」となっています。瓶でも缶でもこれら生ビールには、そのラベルに「生 非熱処理」との記載がありますよ。

あの有名な銘柄は「生じゃない」ビールだった!

ただし、「生ビールではないビール」も存在します。これは、先ほどご説明した酵母除去の段階で、濾過ではなく加熱処理して酵母を死滅させたビールのことです。つまり、熱を加えたビールが「生じゃないビール」なのですね。

この加熱処理は昔ながらの手法となります。私たちがよく知っている『キリン クラシックラガー』も『サッポロラガービール』も、実はこの手法で作られた「ビール」なのです。ただし、似たような商品のキリンの『ラガービール』やサッポロの『黒ラベル』は「生ビール」となりますので要注意ですね!

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知っておこう!店で「お得に・美味しい」ビールを飲むポイント

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お店でビールを飲む時にふと「何を頼むのが一番トクなのかな?」と考えることはありませんか?美味しくかつお得にビールを飲みたいというのは、お酒好きならば誰もが思うもの。ここではそのために知っておきたいポイントをお話しします。なお、これ以降は分かりやすく、お店でジョッキで出てくるビールを「生ビール」と呼ぶことにしますね。

生ビールと瓶ビールでお得なのはどっち?

生ビールと瓶ビール、価格と量のバランスで考えるならそれは瓶ビールの方がお得です。生中は一般的に、泡を除いた容量は350ml程度となり、価格は500円~600円ほどで提供されています。中ビンは500mlで600円程度のものが多いです。そもそもビールの中身は生も瓶も同じですし、仕入原価もさほど変わりません。となれば、消費者にとっては瓶が断然お得な店が多いのです。

美味しいビールを見分けるポイントはこれ!

瓶はコスパが良くてもやはり生ビール一択!という人も多いことでしょう。美味しい生ビールの特徴は、いい香りがすることと、きめ細かくクリーミーな泡が続くことです。酸っぱみのあるニオイはしませんし、ボコボコの泡にもなりません。

また、そのビールの美味しさを左右するが「樽の回転の早さ」と「サーバーの洗浄状態」です。樽は開封後は時間と共にホップの香りが落ちてくるため、樽が早く回転する店であることは非常に重要なポイント。また、手間をかけてサーバーを手入れしている店のビールは、雑味もなくとても美味しいもの。 そんな店ではビールがどんどん売れ、樽は回転し、またさらに美味しいビールが売れるという好循環が生まれるのです。よって、ビールの美味しさは店によってかなり違うと言っていいでしょう。

「生ビール190円」はちゃんと美味しい?お得なの?

時々「生ビール190円!」というような居酒屋を見かけますが、このような店のビールは本当に大丈夫なのかな?と思いますよね。結論から言うと、一部の悪質な飲食店を除き、大抵の店ではきちんとしたビールを出しています。これは、店がグルメサイトなど外部へ販促費を支払う代わりにビールを格安にして集客することで、販促費の代替にするという仕組みです。店側は、ビールで利益が出ない分、つまみの注文から利益を回収します。よって、利幅のないビールばかりを飲まれるのは痛いのです。ですが、ビールを愛する私達ならば、ここは迷わずビールを注文し続けましょう!原価が低いハイボールなどに途中で切り替えてはいけません。これこそがビールをお得に美味しく飲む方法ですよ!

まずは違いを知るのが美味しいビールへの道!

20代の頃の私は「ビールと言えば生でしょう!」としか考えず、毎度毎度生しかオーダーしていませんでした。おまけに、ビールがおいしく感じない時は「あれ?疲れているのかな?」程度にしか思っていなかったのです。知らないって恐ろしいですね!ですが今は、あれれ?と思うと瓶ビールに切り替えることもありますよ。ビールの違いや特徴を知って、是非楽しいほろ酔い時間を過ごして下さいね。

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雑学食べ物・飲み物

3分で分かる生ビール・瓶ビール・缶ビールの違い!中身や味、選ぶポイントなどを食品のプロがわかりやすく解説

今日は「生ビール・瓶ビール・缶ビールの違い」について取り上げるぞ。ビール好きの君はこの3つの違いをきちんと言えるでしょうか?「生ビールはジョッキのビールでしょ!?」と思ったなら残念ながら不正解です。
今回は、世界各国から酒類や食品の輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒にこの違いを解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。過去にはお酒のマーケティングなども担当。毎日の晩御飯ではクラフトビールからワインへとハシゴするのが日課。会社のデスク回りも世界から取り寄せたお酒や食材でいっぱいになっている。

「生ビール」「瓶ビール」「缶ビール」は結局何が違うの?

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『とりあえずビールが飲みたい!』これは酒好きならだれもが発する一言ですよね。ですが、ビールと言ってもジョッキに注がれた生ビールから瓶ビール、缶ビールまで様々です。これらの違いは一体何でしょうか 。今回はへぇ~と頷くビールの違いをご紹介していきますね。

生ビールが瓶・缶よりも美味しいと感じる3つの理由

「やっぱり生ビールが美味しい!」と思っている方は多いはず。ですが実は、生ビールも瓶ビールも缶ビールも全て中身は同じものなのです。では、中身は同じはずなのになぜ生ビールが美味しいと感じるのか、その理由は大きく3点あります。ひとつは、お店にあるような樽に入ったビールは瓶・缶に比べて酸化しづらく、美味しさをキープしやすいという点。ふたつ目は、サーバーを使うことでガス圧・温度・泡をコントロールでき、すべてを最適な状態で注ぐことができるという点。最後は、飲み口の大きなジョッキを使うことによって、ビールの香りを鼻で感じながら舌でも味を楽しむことができるという点が挙げられます。

ただし、こうやっておいしいと思えるのも、サーバーを細かく丁寧に洗浄していればの話。ここの手入れが不十分な場合、生ビールであっても逆にまずくなってしまうのです。

瓶ビールの方が缶ビールより美味しい理由

先ほどご説明したように、生ビールはサーバーが丁寧に洗浄されてこその味。それを考えると、実は瓶ビールの美味しさもなかなかのものです。また、瓶ビールとよく比較されるのが缶ビールですよね。ですが、美味しさという点については、やはり瓶ビールの方に軍配が上がります。なぜならば、ビールの味を左右する大きな要因が「酸化」ですが、この酸化の原因となる空気をより多く追い出してパッキングできるのは瓶の方だからです。もちろん缶も、できる限り酸素を逃がすような仕組みにはなっています。ですが、形状的に瓶ほどは空気を追い出せないため、瓶よりも酸化しやすくなってしまうのです。

「缶ビールはアルミの味がする」は間違い

「缶ビールってアルミの味がするから好きじゃない」という声をよく聴きますね。ですが、これは少々誤解があります。缶の内部は特殊コーティングをされており、缶の成分がビールに溶け出すようなことはまずありません。味が違うと感じるのは、缶の成分が流れ出ているからではなく、缶から直接飲む時に口を付けた部分の金属のにおいを感じることが原因のようです。そもそも、どのビールもグラスに注いで飲むことを前提に作られています。よって、缶ビールは缶のまま飲まず、グラスを使うのがおすすめなのです。

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