この記事では「身を焦がす」について解説する。

端的に言えば身を焦がすの意味は「強い恋心に苦しむ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を焦がす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を焦がす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を焦がす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を焦がす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を焦がす」の意味は?

「身を焦がす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.激しく募る恋慕の情に、もだえ苦しむ。「かなわぬ恋に―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を焦がす」

「身を焦がす」は激しい恋慕のために、もだえ苦しんでしまう感情を意味する言葉です。あまりに強い恋心から、むしろ身を焼くような苦しみに苛まれてしまう。「身を焦がす」は恋愛に関する、こうした複雑な感情を表現している慣用句となっています。恋愛に関する感情である点に注意しましょう。

かなわない恋に、相手を好きな感情がむしろ苦しい。「身を焦がす」はこうした場面を表現していますね。「身を焦がす」という表現は非常に古くから使われていますが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として広く使用されています。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「身を焦がす」の語源は?

次に「身を焦がす」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「身を焦がす」の語源は現在はっきりしていません。しかし976年から987年頃の古今六帖には「あぢきなや伊吹の山のさしもぐさおのが思ひに身をこかしつつ」と、身を焦がすという表現がすでにあることを見ると、かなり古くから使われている言葉のようですね。

「身を焦がす」は恋心のあまりに、身を焼くような思いがするという感情を表現した言葉です。非常に古くから使われている表現ですが、現代でも共感を呼ぶ言葉の意味からか、同様の意味で今に至るまで使用されています。「身を焦がす」はかなり古くから使われている表現と覚えておきましょう。

\次のページで「「身を焦がす」の使い方・例文」を解説!/

「身を焦がす」の使い方・例文

「身を焦がす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.決してかなわない恋と知って、身を焦がすような思いに苛まれた。
2.彼が自分ではない相手と笑い合っているのを見て、身を焦がす思いがした。
3.一目惚れのあとは、毎日身を焦がす思いに悩んだ。

「身を焦がす」は例文のように、恋慕のあまりにもだえ苦しむ感情を表現する言葉となっています。かなわない恋や、嫉妬、片思いなど、相手への思いから苦しい感情に苛まれてしまう。「身を焦がす」はこういった場面の感情を示して使われている慣用句です。使用する場面をしっかりと覚えておきましょう。

「身を焦がす」は実際に口語として発されることは殆どありません。基本的には書籍・新聞等の文章中に登場する言葉として覚えておきましょう。「身を焦がす」は身体を焼いてしまうような、苦しい思いを表現しています。実際に使用する場合は、このニュアンスに注意して使用していくことが大切です。

「身を焦がす」の類義語は?違いは?

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続いて「身を焦がす」の類義語・違いについて確認していきましょう。「身を焦がす」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「身を焦がす」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「恋煩い(こいわずらい)」

「恋煩い」とは恋するあまりに起こる悩み・気のふさぎを意味する言葉です。「恋患い」と書くこともあり、こちらは恋に病む様子を表現した言葉ですね。恋心から起こる悩みということで、「身を焦がす」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「その2「恋い焦がれる(こいこがれる)」」を解説!/

その2「恋い焦がれる(こいこがれる)」

「恋い焦がれる」は恋しさのあまりに酷く心を悩ませてしまうという意味をもった言葉です。恋心から悩みに苛まれてしまう思いを表現しており、「身を焦がす」と非常によく似た意味の類義語となっています。「身を焦がす」とあわせて、こちらもしっかりと意味を覚えておきましょう。

その3「胸を焦がす(むねをこがす)」

「胸を焦がす」は酷く思い煩う様子、思いが募るあまりに切なくなる様子を意味する言葉です。気持ちが高まり、その思いに悩む様子を意味しており、「身を焦がす」と非常によく似た意味をもった類義語となっています。主に恋愛に使用される言葉ですが、限定されてはいない点に注意し覚えておきましょう。

その4「恋は盲目(こいはもうもく)」

「恋は盲目」は恋は人を夢中にさせ、理性・常識を失わさせるものであるという意味をもった言葉です。こちらはシェイクスピアの「ヴェニスの商人」のセリフが由来となっています。「恋は盲目」は、恋愛に関することわざとして、現在に至るまで文章中・口語において広く使用されている言葉です。

「身を焦がす」の対義語は?

つづいて「身を焦がす」の対義語についても確認していきましょう。「身を焦がす」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「忌避感(きひかん)」

「忌避感」はある人物・事柄を嫌がり避けようとする感情を意味する言葉です。「身を焦がす」が相手を好きである思いが強すぎるあまりに苦しむことを示してしましたが、対してこちらは人物や事柄を嫌い避けたいという感情を示しています。対義語としてこちらもあわせて覚えておきましょう。

「身を焦がす」の英訳は?

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つづいて「身を焦がす」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「to burn with love」」を解説!/

「to burn with love」

「to burn with love」は身を焦がすの英語訳として使用されている英フレーズです。日本語の身を焦がすと同じように、相手への強い恋心をもっている様子を示すことができます。また他に「Consumed with love」なども使われていますね。「身を焦がす」の英語表現としてこちらもしっかりと覚えておきましょう。

「身を焦がす」を使いこなそう

この記事では「身を焦がす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「身を焦がす」は激しい恋慕の感情から、もだえ苦しんでしまう感情を示した言葉です。相手への思いのあまりに、むしろ苦しんでしまう。「身を焦がす」はこうした感情を、身を焼いてしまうような思いとして表現しています。

また類義語には「恋煩い」、「恋い焦がれる」、「胸を焦がす」、「恋は盲目」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「身を焦がす」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「身を焦がす」について解説する。

端的に言えば身を焦がすの意味は「強い恋心に苦しむ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を焦がす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「身を焦がす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「身を焦がす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を焦がす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「身を焦がす」の意味は?

「身を焦がす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.激しく募る恋慕の情に、もだえ苦しむ。「かなわぬ恋に―・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を焦がす」

「身を焦がす」は激しい恋慕のために、もだえ苦しんでしまう感情を意味する言葉です。あまりに強い恋心から、むしろ身を焼くような苦しみに苛まれてしまう。「身を焦がす」は恋愛に関する、こうした複雑な感情を表現している慣用句となっています。恋愛に関する感情である点に注意しましょう。

かなわない恋に、相手を好きな感情がむしろ苦しい。「身を焦がす」はこうした場面を表現していますね。「身を焦がす」という表現は非常に古くから使われていますが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として広く使用されています。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「身を焦がす」の語源は?

次に「身を焦がす」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「身を焦がす」の語源は現在はっきりしていません。しかし976年から987年頃の古今六帖には「あぢきなや伊吹の山のさしもぐさおのが思ひに身をこかしつつ」と、身を焦がすという表現がすでにあることを見ると、かなり古くから使われている言葉のようですね。

「身を焦がす」は恋心のあまりに、身を焼くような思いがするという感情を表現した言葉です。非常に古くから使われている表現ですが、現代でも共感を呼ぶ言葉の意味からか、同様の意味で今に至るまで使用されています。「身を焦がす」はかなり古くから使われている表現と覚えておきましょう。

\次のページで「「身を焦がす」の使い方・例文」を解説!/

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