端的に言えば見ての極楽住みての地獄の意味は「見るのと実態とでは違いがある」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
絵本から専門書まで読み漁る本の虫、シクロを呼んです。一緒に「見ての極楽住みての地獄」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/シクロ
絵本から専門書まで読み漁る本の虫。塾講師の経験もあり、難関校への合格実績も多数。
運動不足を実感して運動を始めてみたものの、自身か思っているフォームと周りから見たフォームでは全く違いがあることに気づき驚いている。
「見ての極楽住みての地獄」の意味や語源・使い方まとめ
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皆さんの中には「聞いていたことと違う」と言いたくなった、もしくは言われてしまった経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。世の中では伝え聞いた話と実際に目にしたものとでは大きな違いがある、ということが儘あります。そういった場面で登場することわざが今回皆さんへご紹介する言葉です。
それでは早速「見ての極楽住みての地獄」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「見ての極楽住みての地獄」の意味は?
「見ての極楽住みての地獄」には、次のような意味があります。
1.よそから眺めているのと実際に経験するのとでは、大きな違いがあることのたとえ。
出典:用例でわかることわざ辞典(学研出版)「見ての極楽、住んでの地獄(みてのごくらく、すんでのじごく)」
皆さんはネット通販を利用したことはあるでしょうか。ネット通販で時折取り沙汰されるのが、現物が到着してからネットで掲載されていた画像と違う、という問題です。このように聞いていたものや事前に得ていた情報と実態とを比べた場合に違いが発生することもあります。
これは人間の心理として発生しうることで、うわさ話や事前情報、そして想像の中では都合の良い部分が強調されてしまったり、誇張されてしまうことが原因です。このような事象を心理学ではバイアスと呼びますが、どのようなバイアスが存在しているかを知っていないとバイアスから逃れることは難しいという面もあります。
いずれにしても勘違いをされた側は嘘つきという世評を負うこともあり、また、勘違いをした側も相手に不快な思いをさせてしまう要因になってしまうことでしょう。当事者にならないためにもこの記事を切欠にバイアスなどの心理学に興味を持ってみるのはいかがでしょうか。
「見ての極楽住みての地獄」の語源は?
次に「見ての極楽住みての地獄」の語源を確認しておきましょう。
この言葉の語源は、見ている時は極楽、すなわち天国のように見えるものの、実際にそこに住んでみるとまるで地獄のようだ、という状態を表しています。ここから派生して、見ている状態と実際に経験することでは大きな違いがある、という意味になりました。
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