理科生物細胞・生殖・遺伝

発生過程の重要時期「原腸胚」について学ぼう!ウニやカエルで頻出な項目を現役講師が解説します

よぉ、桜木建二だ。今回は「原腸胚」という用語をメインテーマとして勉強していこう。

この言葉は、生物が受精卵から一つの個体になっていく過程=「発生過程」について学ぶときに登場する。覚えなければならないことが多い分野だから、苦手としている高校生も多いだろう。原腸胚だけでなく、発生の各段階や基本的なことを一つ一つ丁寧にみていきたい。

大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

原腸胚とは?

原腸胚(げんちょうはい)とは、動物の発生過程で見られる段階の一つです。専門的には嚢胚(のうはい)とよばれることもあるのですが…今回は、高校で学習する生物学の内容に合わせ、「原腸胚」で呼び方を統一させてください。

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「発生過程」というのがピンとこない読者もいるかもしれないな。

この「発生」という言葉、生物学の世界ではよく使うのですが…生物学を専門としていない方には少しイメージしにくい言葉なんですよね。せっかくですので、はじめに「発生」や「発生学」というキーワードについて確認しておきましょう。

そもそも「発生」ってなんだ?

生物学で発生というと、受精卵などが細胞分裂によって(はい)となり、個体となっていく過程のことを指します。そして、その過程を研究するのが発生学です。

私たち人間も、生命の始まりはお母さんのおなかの中の受精卵。それが細胞分裂を繰り返し、「発生」の過程をたどります。

image by iStockphoto

高校の生物学では、代表的な動物の発生の一部始終を学習することになります。なかでも、ウニカエルの発生は、受精卵の段階からどのようにして個体ができていくのかを学ぶよい例として、必ずといっていいほど取り上げられますね。

受精卵から始まる発生の流れ

一般的に、動物の発生は受精卵から原腸胚になるまで、次のように進んでいくとされます。

受精卵→2細胞期→4細胞期→8細胞期→16細胞期→桑実胚期→胞胚期→原腸胚期

原腸胚だけを説明するのはもったいないことです。原腸胚にいたるまでの、その他の段階についてもチェックしていきましょう。

受精卵から2細胞期

受精卵は、配偶子である卵と精子が合体(接合)した、一つの細胞です。

それが一度細胞分裂をおこなうと、2つの細胞になります。細胞が2つの状態の期間を2細胞期とよぶのです。「そのまんま」の名称ですが、わかりやすいですよね。

image by iStockphoto

ちなみに、受精卵が「胞胚」とよばれる状態になるまで…発生初期の細胞分裂は、とくに卵割(らんかつ)とよばれます。

卵割と普通の細胞分裂とで異なるのは、卵割は一つ一つの細胞が生長するのを待たず、次々に連続して行われる点です。それぞれの細胞の大きさは小さくなる一方。胞胚にたどり着くまでは、全体のサイズが初めの受精卵とそれほど変わらないまま推移します。

なお、卵割のタイプ(卵割様式)は動物によって異なりますが、今回はその説明は省くことにしましょう。

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