マハービーラを開祖として発展したジャイナ教
マハービーラの教えに影響を受けた信徒たちが、彼を開祖として発展させたものがジャイナ教です。マハービーラが、悟りを開いたジナであることから、ジナ教と呼ばれることもあります。
インド国内で発展したジャイナ教
同じ時期に創設された仏教は、インドの宗教者であるブッダを開祖に日本を含めて世界中に広まりました。それに対してジャイナ教の教えが受容されたのはインド国内のみです。少数派にとどまっているものの、その厳格な教えは信徒のあいだに深く浸透し、インドのさまざまな文化に多大な影響を与えました。
信徒が守るべきものは3つ。正しい信仰、正しい知識、正しい行いです。ジャイナ教の信徒のあいだでは、この3つの教えは三つの宝を意味するトリ・ラトナと呼ばれ、宗教生活の基本とされました。正しい信仰とは、ジャイナ教の戒律に従った信仰。それに即して生活することを求められました。その生活は禁欲的なものでした。
修行の基本となるのが5つの戒律
ジャイナ教では教えを悟るために厳しい修行が行われています。それは多岐に渡りますが主なものは5つ。とくに有名なのが生きものを傷つけないことを徹底する、アヒンサーと呼ばれる戒律です。また、偽りの言葉を発すること、他人のものを盗むことも禁じられました。このふたつは道徳的な側面も強い教義です。
ジャイナ教を特徴づけるのが性的行為の一切の禁止。女性は全ての罪の原因とする考えによるものです。また、何ものも所有しないことが推奨されました。物的欲望を断つだけではなく、究極には食べ物を何も口にしない断食が理想とされました。この5つの戒律の延長上で、お酒を飲むことも禁じられています。
ジャイナ教の宗教生活の基礎となる菜食主義
ジャイナ教の信徒にとって、アヒンサーを守ることはもっとも重要。動物や植物のほかに、大地、水、火、風、大気のなかに生命が宿っていると考えられました。そのため、身の回りにあるあらゆるものに生命はやどっているため、注意を払いながら生活しなければなりません。
断食は窮境の悟りの境地
水の中にも生命が宿っていると考えるため、水を飲まずに命を落とす教徒もいるほど。出家者や修行者は、道を歩くときにホウキで払いながらアヒンサーを実践するとも言われています。空気にいる生命を誤って飲み込まないように、口に布を当てて話すことも。ジャイナ教の教義では、いわゆる微生物に対しても注意を払うことが求められました。
微生物にまで命を見出す考え方は、断食をよきものとする教えにもつながります。ジャイナ教では、究極の悟りは食べ物をすべて断つことで達成されると考えられました。自ら命を絶つ「自殺」は、命を粗末にするものとして戒める宗教が多数。しかしながらジャイナ教の出家者は、食べ物を断つことで命を落とすことを積極的に認められています。
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