昭和現代社会

しらけ世代って何?その特徴や背景・定義など・3無主義について元大学教員が3分でわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。「しらけ世代」は、学生運動が沈静化したあとにあらわれた、無気力・無関心・無責任の3無主義を貫く若者たちを差す言葉だ。物事を斜めからみて、まるで他人事のようにとらえる冷めた姿勢を持っている。日本の景気のバブルとその崩壊、学力評価主義の浸透などが、しらけ世代の特徴を作り出したとも言われている。

しらけ世代とは、どのような時代の空気のなかで生まれたのだろうか。その意味や変遷について、現代社会に詳しいライターひこすけと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ひこすけ

アメリカ文化や歴史を専門とする元大学教員。若者文化にも興味があり、気になることがあったら調べている。大学に勤めていたころ、今でもしらけ世代の特徴が継承されていることに気が付いたので、改めて注目してみる。

しらけ世代とはどんな若者のことを差すの?

image by PIXTA / 82659131

しらけ世代とは、1960年代に活発になった日本の学生運動が沈静化したあとにあらわれた、政治い対する関心が薄い世代のことをさします。しらけ世代の範囲は幅広く、どこからどこまでをさすのか、明確に定義することはできません。

大まかなしらけ世代の定義

しらけ世代は、厳密にいうと、政治に対する関心が強い学生運動の時代の反動として生まれました。年上の世代が、政治に異議申し立てをするために行動を起したものの、日本は何も変わらなかった現実を目の当たりにしたことで、「どうせ何をやっても無意味」と考えるようになります。

そこで何に対しても熱くなることができず、他人事のようにふるまう世代が生まれました。権力に対する反抗をカッコ悪いと思う一方、まじめに振舞うことも恥ずかしいと思うこともしらけ世代の特徴です。

しらけ世代の区分は複数ある

しらけ世代は、同じ表現であっても、時期により変遷が見られます。1950年代に生まれた世代は、学生運動が下火になる時期に大学生。ちょうど、共通一次試験制度が開始される前に大学に入学した若者をしらけ世代と言うこともあります。

そのあとにあらわれる「新人類世代」と区別されました。なかでも1950年代の後半に生まれた世代は、政治に対する関心が皆無ということから、無共闘世代とされることもあります。ベビーブームが過ぎ去り少子化に突入した時期に誕生。バブル景気が起こる前に成人した若者をしらけ世代とする場合、1950年代から1960年代前半に生まれた世代を括ります。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

しらけ世代と言っても、その定義はいろいろあるんだな。共通するキーワードは学生運動の世代に対する反動だろう。入試制度の変化による学力評価主義も無視できないな。そういう点では我々も無関係とはいかないだろう。

しらけ世代が経験している日本の文化

image by PIXTA / 82517237

しらけ世代は、それ以前にはなかった新しい文化に触れています。その代表となるのがテレビ。それ以前は外に出て映画を見るのが定番でしたが、家でドラマやアニメを楽しめるようになります。

\次のページで「オタク世代の始まりでもあるしらけ世代」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: