ゼラチンと寒天を調理するときのコツ
image by iStockphoto
ゼラチンと寒天の相性のいい使い方をご紹介してきましたが、実際に溶かし固める時のコツや注意点などはあるのでしょうか?失敗せずに作る方法を知っておきましょう。
ゼラチンは沸騰させない
ゼラチンの種類は主に板ゼラチン・粉ゼラチンがあります。ここではスーパーで買えてふやかす手間のかからない粉ゼラチンでみていきましょう。
粉ゼラチンを溶かすコツは、沸騰させないということです。ゼラチンは熱に弱いため、沸騰した液体に入れるとうまく固まらない原因になります。溶かす際は液体を沸騰させず、50℃~60℃にしてよく溶かしましょう。
また、生のパイナップルやキウイ・柑橘系のフルーツを使う際は少し注意が必要です。これらのフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素が、ゼラチンが固まるのを邪魔してしまいます。生のフルーツは加熱をするか、すでに加熱処理のされている缶詰を使うといいですね。
寒天は沸騰させる
寒天の種類は主に棒寒天・糸寒天・粉寒天があります。こちらもスーパーで買えてふやかす手間のかからない粉寒天でみていきましょう。
粉寒天を溶かすコツは、沸騰させるということです。寒天は90℃以上で溶けていくので、水に粉寒天を入れてよく混ぜてから火にかけ煮溶かします。沸騰してから2分間は火からおろさずにかき混ぜることで、寒天がしっかりと溶けてダマになりません。
酸性の強いジュースなどを合わせる時は、一緒に煮立てるとうまく固まらないことがあるので、水に入れた寒天が溶けて粗熱が取れてから加えるようにしましょう。
ゼラチンと寒天はそれぞれ代用できる?
ゼラチンか寒天かのどちらかしか買い置きがない時、それぞれ代用は可能なのでしょうか?それは作るものによって変わってきます。
ゼラチンのプルっと口どけの良い食感は、寒天ではなかなか出せないでしょう。しかし、ゼリーなら寒天の量を少なめにすればやわらかめな寒天ゼリーとして楽しめるはずです。
寒天のほろっとくずれる食感は、ゼラチンでは表せません。ゼラチンの量を多くしてしっかり目のかたさにしても、食感は変わるため別のものになります。
私はゼラチンと寒天を間違えて買ってきた時、ゼラチンを沸騰させて固まらなかったことがありました。2つとも同じ棚で売られていることも多いので、購入する時は間違えないように!代用するときも溶かす温度に注意しましょう。
似たような商品、アガーとは?
アガーとは海藻を原材料とする植物性の凝固剤で、透明感がとても高くゼラチンのようなぷるんとした食感があります。光沢感・透明感があり無味無臭なことから、食材の味を邪魔しないと近年人気の高い凝固剤です。ゼラチンと比べても常温でも溶けないのが使いやすく、ゼラチンと寒天の間くらいの食感を出したい時に試してみるのもいいですね。
ゼラチンと寒天の特徴を知って、上手に使い分けよう
ゼラチンと寒天は同じ凝固剤として知られていますが、原料や特徴に違いがあることが分かりました。ダイエット中にも活用でき、デザート以外の料理にも使えるので、それぞれに相性のよい調理法で上手に使い分けてみましょう。食感の違いを利用した新しいレシピを考えてみれば、料理の幅も広がり楽しめるのではないでしょうか。