この記事では「三つ子に習って浅瀬を渡る」について解説する。

端的に言えば三つ子に習って浅瀬を渡るの意味は「時には未熟な者からものを教えられること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

漢検準一級を保有しており言葉に詳しいたきじを呼んです。一緒に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/たきじ

国立大学卒、漢検準一級保有のライター。高校時代の得意科目は国語と英語。漢字の意味やことわざ、熟語が好きで新しい言葉を覚えるのが得意。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や語源・使い方まとめ

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「三つ子に習って浅瀬を渡る」ということわざをご存知でしょうか。普段の生活ではほとんど使われることがないため聞いたことがない方も多いことでしょう。非常にためになる意味のことわざで考え方が変わるかもしれません。それでは早速「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味は?

「三つ子に習って浅瀬を渡る」には、次のような意味があります。

1.時には未熟な者から物を教えられることのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「三つ子に習って浅瀬を渡る」

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の読み方は「みつごにならってあさせをわたる」です。熟練した賢い者でも時には未熟な者から教わることもあるということを表すことわざになります。能力が高ければ高いほど自分の意見を過信してしまいがちですが、時には下のものからの意見も聞くことで成長できることもあるとわからせてくれることわざです。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の語源は?

次に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の語源を確認しておきましょう。

「三つ子」とは三歳の幼児のことで、その子どもに教えられて初めて浅瀬があることに気づき、深みにはまらずに済んだという話から時には未熟な者から物を教えられるという意味になりました。またのちに類義語で紹介しますが、『上方いろはかるた』の中にある「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」ということわざと同義です。

\次のページで「「三つ子に習って浅瀬を渡る」の使い方・例文」を解説!/

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の使い方・例文

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.指導者の立場である教師であってもたまには生徒に物を教えられることがある。まさに三つ子に習って浅瀬を渡るだ。
2.上司は長年勤めているため非常に頑固だが、三つ子に習って浅瀬を渡るように柔軟な対応をする必要がある。
3.息子はまだ小学生だがスマホやパソコンにとても詳しいので三つ子に習って浅瀬を渡る気持ちでいろいろ教えてもらっている。

例文のように「三つ子に習って浅瀬を渡る」熟練した者でも時には未熟な者から物を教えられることがあるということを表す場合に用いられることわざです。自分への戒めとして用いたり相手へ皮肉を込めて用いたりすることができるので文脈に合わせて慎重に使っていきましょう。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の類義語は?違いは?

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次に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の類義語やその違いについて見ていきましょう。

その1「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」

「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」(おうたこにおしえられてあさせをわたる)は先述した通り「三つ子に習って浅瀬を渡る」の言葉を入れ替えた同義語です。おんぶしている子どもから教えられたことで深みにはまらずに済んだという話からこのような意味になりました。「三つ子に習って浅瀬を渡る」とセットで覚えておきましょう。

\次のページで「その2「愚者にも一得」」を解説!/

その2「愚者にも一得」

「愚者にも一得」(ぐしゃにもいっとく)おろかな者でも時には役に立つ案を出すことがあるという意味のことわざです。「三つ子に習って浅瀬を渡る」よりもやや言い方がきつめですが、意味としては同義なので文章に合わせて適切な方を使用しましょう。

その3「八歳の翁百歳の童」

「八歳の翁百歳の童」(はっさいのおきなひゃくさいのわらべ)子どもでも知恵のある者もいれば老人で無知な者もいることを表したことわざです。子どもの方が知識豊富であるということを意味しているので「三つ子に習って浅瀬を渡る」の類義語としてふさわしいでしょう。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の対義語は?

次に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の対義語について見ていきましょう。

その1「完璧」

「完璧」(かんぺき)はご存知の通り一つも欠点がなく完全なことを表す言葉です。「三つ子に習って浅瀬を渡る」はいくら熟練した者でも未熟者に教えられることがあるという意味ですが、「完璧」はそのようなことすらもないほど熟練し完全であることを表すので対義語として覚えておきましょう。

その2「完全無欠」

「完全無欠」(かんぜんむめつ)「完璧」と同じように、一つも欠点がなく完全であることを示す四字熟語です。「完璧」と同義で非の打ち所がないというほど完全であることを表しています。そのため未熟者に教わる必要がないというニュアンスを含んでいるのでこちらも対義語としてふさわしいです。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の英訳は?

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最後に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の英語訳について見ていきましょう。

\次のページで「その1「some things can be learned from the young」」を解説!/

その1「some things can be learned from the young」

若い者から教わることもあるという意味の英文です。some thingsはsomethingと似ていますがこれらの単語をくっつけるか離すかで意味が変わってきてしまうので注意しましょう。

その2「a fool may give a wise man counsel」

counselは「助言」を意味する英単語で、文章全体では愚かな者であっても賢い者に助言を与えることがあるという意味になります。foolという単語は日本語のことわざと比べて少し相手を侮辱するニュアンスが含まれているので使う場合は注意が必要です。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」を使いこなそう

この記事では「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。「三つ子に習って浅瀬を渡る」は時には未熟な者から物を教えられることを意味することわざです。類義語では「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」「愚者にも一得」「八歳の翁百歳の童」を紹介しました。

歳をとればとるほど、また慣れれば慣れるほど人の意見をあまり聞かなくなるものですよね。特に自分がかなり得意だと思っていることは誰に言われようと聞き入れたくはないものです。しかしそのような場合に未熟者の意見にしっかりと耳を傾け享受できる人ほど物事が好転していく気がします。

どんな時でも柔軟に対応できる人はかっこいいですよね。私自身もものによっては他人の意見を聞きたくないことがありますが、このことわざをしっかり頭に叩き込んで柔軟な対応ができる大人になりたいと強く思います。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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【ことわざ】「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や使い方は?例文や類語を漢検準一級ライターがわかりやすく解説!

この記事では「三つ子に習って浅瀬を渡る」について解説する。

端的に言えば三つ子に習って浅瀬を渡るの意味は「時には未熟な者からものを教えられること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

漢検準一級を保有しており言葉に詳しいたきじを呼んです。一緒に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/たきじ

国立大学卒、漢検準一級保有のライター。高校時代の得意科目は国語と英語。漢字の意味やことわざ、熟語が好きで新しい言葉を覚えるのが得意。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や語源・使い方まとめ

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「三つ子に習って浅瀬を渡る」ということわざをご存知でしょうか。普段の生活ではほとんど使われることがないため聞いたことがない方も多いことでしょう。非常にためになる意味のことわざで考え方が変わるかもしれません。それでは早速「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の意味は?

「三つ子に習って浅瀬を渡る」には、次のような意味があります。

1.時には未熟な者から物を教えられることのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「三つ子に習って浅瀬を渡る」

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の読み方は「みつごにならってあさせをわたる」です。熟練した賢い者でも時には未熟な者から教わることもあるということを表すことわざになります。能力が高ければ高いほど自分の意見を過信してしまいがちですが、時には下のものからの意見も聞くことで成長できることもあるとわからせてくれることわざです。

「三つ子に習って浅瀬を渡る」の語源は?

次に「三つ子に習って浅瀬を渡る」の語源を確認しておきましょう。

「三つ子」とは三歳の幼児のことで、その子どもに教えられて初めて浅瀬があることに気づき、深みにはまらずに済んだという話から時には未熟な者から物を教えられるという意味になりました。またのちに類義語で紹介しますが、『上方いろはかるた』の中にある「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」ということわざと同義です。

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