この記事では文庫本・単行本・新書の違いについてみていきます。どれも本のジャンルや、デザインの違いなどのイメージがあるよな。違いはずばり大きさのようですが、内容によって種類・歴史が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。

今回はそんな読書好きには欠かせない文庫本・単行本・新書の違いを、定義から確認しつつ、文学好きライターの熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざま分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり文庫本・単行本・新書の違いって何?

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本を購入する際、何を意識しますか?購入には目的があると思います。選ぶときに文庫本・単行本・新書の違いを知っていると、本を選ぶのが楽しくなりますよ。今回はそれぞれの違いについてご紹介いたします。

文庫本は多くの読者が予測される小型の本

文庫本は小型で持ち運びしやすく、低価格で販売しています。事前に刊行された人気作品を、さらに拡散させるために刊行されるケースが多いです。幅広い層をターゲットにできます。

単行本は単独で刊行する本

単行本はシリーズで刊行されているものとは違い、単独で刊行されている本です。文芸誌や新聞で発表された作品を、1冊にまとめたものも単行本になります。ページ数が多い場合は分冊で刊行されることも。

新書はシリーズで刊行する本

新書は一定の形式で刊行されます。さまざまな専門分野の入門書として、刊行されるものが多いです。学生がよく購入するイメージがありますよね。また、「新しく刊行される本」ではなく、あくまで本のサイズを指す言葉になります。

違いその1:サイズに違いは?

ざっくり文庫本・単行本・新書の違いが分かりましたが、サイズにも違いがあります。イメージはつくと思いますが、実際どのくらいの大きさなのか。サイズの違いに理由はあるのかなど、一緒に知っていきましょう。

\次のページで「文庫本はミニサイズ(105×148mm)」を解説!/

文庫本はミニサイズ(105×148mm)

文庫本のサイズは、A6判(105✕148mm)です。コミックと同じ大きさですね。カバーはすべてソフトカバーになります。コンパクトで柔らかいカバーなので、片手で読みやすく持ち運びにも便利です。

単行本は大きめ(128×182mm・128×188mm)

単行本は種類によって大きさに違いがあります。128✕182mmのB6判や、127✕188mmの四六判が多いです。文庫本よりも大きく、ハードカバーのものがほとんどになります。小さめのカバンでは、入りきらない場合が多いでしょう。

新書は中間のサイズ(105×173mm)

新書は新書判というサイズです。厳密にはサイズは統一されておらず、レーベルによって微妙にサイズが異なります。よくあるものは文庫本より縦に長く装丁がシンプルです。一番読みやすいサイズといえます。

違いその2:内容の違いは?

文庫本・単行本・新書サイズの違いが分かりましたが、中身はどうでしょう。実は大きな違いがあります。先述の「ざっくりの違い」で知っていただけたかと思いますが、さらに深堀していきましょう。

文庫本は人気のあった作品

文庫本は多くの読者に読まれることを目的にしています。今まで「文庫」というと、古典作品が中心でした。しかし、最近では人気のあった作品が文庫化されるケースが一般的です。

単行本は幅広いラインナップ

単行本は小説やエッセイなど、幅広いラインナップが特徴です。通常1冊で刊行されますが、ページ数が多い場合は上巻・下巻などに分冊されることもあります。他には、新聞や雑誌で連載されていたものが書籍化され単行本になることも。

\次のページで「新書は専門分野の入門書」を解説!/

新書は専門分野の入門書

新書と聞くと「新しく出版する本」というイメージを持つ方がいますが、そうではありません。政治・経済・学問・社会時評など専門知識に特化した内容です。あらゆる知識をインプットしやすいのが特徴で、知りたい分野の要点を抑えるには最適。

【まとめ】

・文庫本
⇒古典や名著を収録

・単行本
⇒製作期間が長いか短いか

・新書
⇒事象説明か一般ノウハウか

文庫本・単行本・新書の歴史

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文庫本・単行本・新書の内容はさまざまでしたね。続いては、それぞれの歴史について追っていきます。本の中でも歴史に違いはあるのか、日本特有のものなのかなど、一緒に知っていきましょう。

文庫本は帝國文庫がはじまり

1893年創刊の帝國文庫がはじまりになります。しかし、今の小型な文庫本の印象とは違い豪華な装丁だったようです。その後、1927年に岩波文庫が古典の普及を目的とし、現代の文庫本に近い本を刊行しました。

単行本は米欧回覧実記がはじまり

単行本は久米邦武『米欧回覧実記』内の「世に単行本多けれども」という用例が、はじまりだといわれています。「単行本」は中国渡来の言葉です。印刷や製本技術の制約が大きかった時代は、ページ数の多いものは分冊形式で刊行されていました。

新書は岩波新書がはじまり

新書は1938年創刊の岩波新書がはじまり。ドゥガルド・クリスティーの著作『奉天三十年』の上下巻で創刊しています。当時は文庫の形式が定まっておらず「小型の本」という程度の意味でした。

\次のページで「文庫本・単行本・新書の魅力」を解説!/

文庫本・単行本・新書の魅力

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文庫本・単行本・新書の歴史を知り、理解が深まってきたのではないでしょうか?続いては、それぞれの魅力についてご紹介していきます。魅力を知ると本が読みたくなるでしょう。

文庫本は手軽に読める

文庫本の魅力は、まずサイズが小さいことです。コンパクトで持ち運びに便利。値段が安く、気軽に手に取りやすくなります。気になる本や購入に迷う場合は、裏表紙のあらすじが購入の参考に。

単行本は新作が読める

単行本の1番の魅力は新作を読めることです。賞を取るか分からず評価も決まっていない小説を、ニュートラルな状態で読めます。新作本の販売を促すため帯にはあらゆる工夫がされ、そこも面白みの1つに。

新書は知的好奇心が沸く

新書の魅力は、何よりも教養です。専門分野に特化した本が多く、知的好奇心が刺激されます。単行本と文庫本の中間サイズで、持ち運びや文字の読みやすさがちょうど良いです。今まで購入したことがない方は、この機会にぜひ手に取ってみてください。

【余談】文庫本・単行本・新書あなたは何派?

文庫本・単行本・新書の違いについてご紹介してきましたが、最後にあなたが何派なのか知っていきませんか?ご自身に問う形で確認してみてください。また、読書仲間がいれば、何派か聞いてみましょう。

文庫派が多数

どんなシーンで読みたい本かイメージすると、あなたが何派かわかるでしょう。旅行に持って行くのか、記念に保管したいのか、勉強用なのかなど。もし迷った場合は、まずは手軽さやジャンルの読みやすさを考えて文庫本をおすすめします。

文庫本・単行本・新書それぞれの定義や魅力がある!

文庫は「刊行物の普及を目的とした小型本」、単行本は「ハードカバーで本自体を折り曲げて片手では読めない大型本」、新書は「世に初めて発表される作品が大半」という違いがあります。それぞれの目的に合わせて選びましょう。

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文庫本・単行本・新書は何が違う?サイズや内容の違い・それぞれの魅力などを文学好きライターが詳しくわかりやすく解説



この記事では文庫本・単行本・新書の違いについてみていきます。どれも本のジャンルや、デザインの違いなどのイメージがあるよな。違いはずばり大きさのようですが、内容によって種類・歴史が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。

今回はそんな読書好きには欠かせない文庫本・単行本・新書の違いを、定義から確認しつつ、文学好きライターの熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざま分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり文庫本・単行本・新書の違いって何?

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本を購入する際、何を意識しますか?購入には目的があると思います。選ぶときに文庫本・単行本・新書の違いを知っていると、本を選ぶのが楽しくなりますよ。今回はそれぞれの違いについてご紹介いたします。

文庫本は多くの読者が予測される小型の本

文庫本は小型で持ち運びしやすく、低価格で販売しています。事前に刊行された人気作品を、さらに拡散させるために刊行されるケースが多いです。幅広い層をターゲットにできます。

単行本は単独で刊行する本

単行本はシリーズで刊行されているものとは違い、単独で刊行されている本です。文芸誌や新聞で発表された作品を、1冊にまとめたものも単行本になります。ページ数が多い場合は分冊で刊行されることも。

新書はシリーズで刊行する本

新書は一定の形式で刊行されます。さまざまな専門分野の入門書として、刊行されるものが多いです。学生がよく購入するイメージがありますよね。また、「新しく刊行される本」ではなく、あくまで本のサイズを指す言葉になります。

違いその1:サイズに違いは?

ざっくり文庫本・単行本・新書の違いが分かりましたが、サイズにも違いがあります。イメージはつくと思いますが、実際どのくらいの大きさなのか。サイズの違いに理由はあるのかなど、一緒に知っていきましょう。

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