
ビスケットの一種がサブレやクッキー!
ビスケットは、もとはイギリスから伝わった焼き菓子です。「二度焼いた」という意味のラテン語「bis coctus」(ビス コクトゥス)」に由来した言葉で、パンを二度焼いて日持ちするように作られた物でした。そのため、もともとはヨーロッパにおいて軍隊や航海で使用されていましたが、17世紀ごろのイギリスで今のようなビスケットとなったそうです。日本には江戸時代に伝わったと言われています。また、ビスケットはヨーロッパから渡った移民によってアメリカに広まり、言葉を変えてクッキーと呼ばれるようになりました。よって、ビスケットとクッキーは元々はほぼ同じものを指していたのです。
クラッカーはイースト使用のビスケット/ガレットは形状を指していた
クラッカーは薄くて硬いビスケットの一種です。クラッカーを定義する言葉はありません。ですが、イーストを発酵させて作っている点、ほぼ無糖で作られる点、塩気が強いといった点がサブレやクッキーと異なるところとして挙げられます。
ガレットとは、フランスから伝わったお菓子や料理で、「丸くて平たいもの」全般を指す言葉でもあるのです。よって、ガレットとは必ずしも甘いお菓子を意味するわけではなく、味や大きさなどは多岐に渡ります。例えば、そば粉のクレープもガレットと呼ばれる代表的な料理。また、フランスのブルターニュで生まれた丸い焼き菓子も「ガレット・ブルトンヌ」などと呼ばれますし、よく新年に見かける「ガレット・デ・ロワ」はアーモンドクリームを詰めて焼いたパイですが、こちらもガレットの一種です。

ガレットとはお菓子の名称ではなく形のことを意味していたとは驚きだ。確かに、そば粉のガレットはデザートのようなものもあれば、ハムやチーズなどが乗っている食事のようなものもあるな。クッキーの一種のような理解をしていたが、実はそれは違っていたとは知らなかった。
サブレやクッキー、ビスケットは国によって呼び方が違う?

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サブレやクッキー、ビスケットは、実は国によって呼ばれ方や概念が違ってきます。ここでは、各国で何をどのように呼んでいるのかを調べていきましょう。
日本での定義や使われ方
日本では、小麦粉やバター、砂糖などを使って薄く焼いたものを大きな括りの総称として「ビスケット類」と呼びます。先ほどご説明した「サブレやクッキーもビスケットの一つ」というのはこの意味なのです。また、その中でもクッキーとビスケットをさらに細かく区分けする基準があり、「糖分・脂肪分が全体の40%以上」かつ「手作り風の見た目のもの」がクッキーとされ、それ以外のものがビスケットとされています。
イギリスやアメリカでは何をどう呼ぶの?
先ほどお話しした通り、ビスケットはイギリス発祥のものであり、それがアメリカに渡りクッキーと呼ばれるようになりました。よって、私たち日本人がクッキーとしてイメージするお菓子は、アメリカ人なら同じく「クッキー」です。しかし、イギリスなどでは「ビスケット」と呼ばれます。
また、アメリカで「ビスケット」と言った場合、実はそれは少し厚みのあるパンのようなものを意味するのです。ケンタッキーのビスケットを想像すれば、アメリカでのビスケットのイメージが沸きやすいのではないでしょうか。逆に、アメリカのビスケットのようなものは、イギリスでは「スコーン」になります。同じようなものが様々な呼ばれ方をしたり、同じ言葉が別のものを指していたりと何だかややこしいですね。
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