日本の家庭で飼われている代表的な犬と言われて、どの犬種をイメージするでしょうか。近年は異種同士のミックスなども増えて膨大な種類の犬がいるが、柴犬ほど日本人に馴染みのある犬種はそういないでしょう。その柴犬そっくりの小さな豆柴の需要も高まり、豆柴専門のブリーダーも多い。この記事では、柴犬と豆柴の違いや特徴から性格を踏まえた飼い方まで、雑学オタクのライターおとのと一緒に解説していきます。

ライター/おとの

柴犬の顔と尻尾に魅了され続けている雑学オタク。今までは金魚とザリガニしか飼ったことがないが、いつか赤毛と黒毛の柴犬か豆柴を二頭飼いするのが目標。今回は目標実現のために、柴犬について調べ尽くした。

豆柴と柴犬の違いは大きさにあり!

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柴犬は天然記念物にも登録されている日本発祥の犬種です。日本の家庭で飼われている日本犬のなかではダントツに多く、約80パーセントもの割合を占めています。また近年、よく名前を聞くようになった豆柴はそのコロコロとした愛くるしい姿が人気の小さな柴犬です。どちらも日本で非常に愛されている犬ですが、柴犬と豆柴の違いはずばりその大きさ。ここでは、その体躯の差について解説していきます。

豆柴の大きさ

豆柴というのは、独立した犬種の名前ではありません。柴犬の中でも小柄な個体同士を交配させて生まれた、血筋的に小さな柴犬のことを指します。豆柴は小柴とも呼ばれ、大体の体高はオスで30〜34cmほど。メスは28〜32cmほどです。体重は4〜6kgくらいが平均値とされています。

日本犬保存会は豆柴について、人為的にミニ化された体高不足犬と判断しており、公認することはないとして血統書も発行していません。しかしNPO法人の日本社会福祉愛犬協会が、独自の豆柴の血統書を発行しています。

柴犬の大きさ

公益社団法人日本犬保存会が定めた柴犬の体高の標準はオスが39.5cm、体重は9〜11kg。メスが36.5cmで7〜9kgです。豆柴の成犬と比較した場合でもその大きさは一回り以上も違い、見た目でもハッキリと分かります。

柴犬は日本犬のなかで唯一の小型犬。もともとは外で飼われることが多かったのですが、室内で飼う分にも問題ない大きさです。現代の住居や家族の在り方を鑑みると、犬を室内で飼うケースも大幅に増えているため、その調整がきくという点も柴犬の魅力と言えますね。

豆柴と柴犬の特徴

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柴犬や豆柴はポストカードやカレンダーのモデルを務めることも多いほか、イラスト化して様々な小物や製品に使用されています。その理由は可愛らしさや認知度はもちろんのこと、一目で柴犬と判別できる特徴を兼ね備えているからでしょう。ここでは豆柴と柴犬の見た目の特徴を中心に、購入時の注意点などに着目して説明します。

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豆柴は小さくても柴犬と一緒!

豆柴は幼いときの丸っこい顔付きをそのまま保つことが多く、サイズの小ささも相まっていつまでも子犬のような雰囲気を持っています。その可愛らしさに加えて、凛々しく賢そうな佇まいは柴犬そのものです。

豆柴は犬のなかでも非常に高い人気を誇っていますが、その人気が生み出す問題点も知っておく必要があります。たまたま小さく生まれた柴犬や、十分な餌を与えないで発育不良の柴犬を豆柴と偽って売るブリーダーも残念ながら存在するのです。そもそも豆柴は小さな柴犬同士の子供というだけで、そのサイズを保証されているものではありません。成長するにつれて通常の大きさに成長することも十分に考えられることを念頭に置かなくてはいけないのです。

柴犬は2種類の顔付きがある!

柴犬に共通した見た目として、ピンと立った三角の耳とくるんと丸まった尻尾、利発そうな吊り気味の瞳が挙げられます。毛は短く、丈夫で硬いオーバーコートと柔らかいアンダーコート両方の毛を持つ犬種です。最も多い毛は赤色。その他、茶色の眉に愛嬌のある黒色や珍しい白色、その3色が混じり合った希少な胡麻がいます。この見た目の特徴は豆柴にもそのまま受け継がれているものです。

顔立ちは主に2種類。面長でスタイリッシュな格好良いキツネ顔と丸顔で愛嬌のある可愛いタヌキ顔に分かれ、古来からの顔付きはキツネ顔と言われています。人間と同じく、それぞれ個性があるのですね。

豆柴と柴犬の性格

柴犬や豆柴が持つ本来の性格が、彼らが長い歴史のなかで日本人に親しまれ続けてきた理由の1つであるのは明白です。この項では柴犬と豆柴の性格について解説するとともに、互いに何か違いがあるのかを見ていきましょう。

豆柴は柴犬と同じく勇敢な性格

豆柴は柴犬の小さい個体を指すので、基本的な性格や習性は柴犬と同じものになります。体つきこそ小さくて庇護欲が掻き立てられますが、その本来の性格は勇敢で好奇心が旺盛。縄張り意識も強く、自分のテリトリーに入られるのを嫌います。愛くるしい姿に見合わず主従関係に忠実で、甘えてくることも少ないと言われる犬種です。

小さな豆柴は室内で暮らすことがほとんど。家具を囓って誤飲してしまったり、インターフォンに反応して激しく吠えたりといったトラブルにならないように、しっかりと躾をすることが重要です。

柴犬は利口で忠誠心溢れる性格

柴犬の性格として、主人に対してとても忠実であることが知られていますね。頭が良く、利口で勇敢なのも特徴です。しかしその反面、主人以外にはとても強い警戒心と攻撃性を持っており、噛み癖が付きやすい難しさも。独立心が強くて頑固なので初心者向きとは言えない柴犬ですが、愛情を込めてしつければ、必ずそれに答えて忠誠心と愛情を見せてくれるはずです。

賢くて凛々しい柴犬は家族や主人にはとても心強いパートナーになってくれるでしょう。

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柴犬の歴史

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柴犬の歴史は非常に古く、その先祖は原始時代に南方から入ってきたと考えられています。縄文時代の遺跡からは柴犬の祖先と思われる犬の骨が発掘され、それ以降ずっと日本人と共に生きてきたのです。

もともとは人間と一緒に野山でウサギや野鳥などを追う猟犬として活躍していた柴犬ですが、洋犬が輸入されて以降は異種交配により少しずつ数が減り、大正の終わり頃には純粋な柴犬は非常に少なくなってしまいました。直後の第二次世界大戦の勃発や犬ジステンバーという感染症の流行により柴犬の数は更に激減。しかし日本犬保存会や有志の愛犬家たちの粘り強い活動によって、その数は復活し、現在まで保たれています

柴犬を飼うときの注意点3つ!

ペットは癒しをくれて、そばにいてくれるだけで心強い存在ですが、生き物と共に暮らすというのはとても大変なことです。飼うときの注意点を知っておくのは問題の予防や解決にも繋がりますし、飼い主としての責任でもあります。

ここでは柴犬と暮らす際の注意点をまとめました。これから柴犬を飼いたいと思っている人も、すでに飼っている人も、ぜひ参考にしてみてください。

1.換毛期は大変

柴犬の毛はオーバーコートとアンダーコートと呼ばれる2種類の毛を持ちます。この構造をダブルコートと言い、寒冷地出身の犬に多い特徴です。このダブルコートは春と秋の年2回の換毛期にアンダーコートが生え変わるため、抜け毛が非常に多くなります。

この抜け毛を放っておくと、気候の変化に対応できず熱中症になったり、湿気のせいで皮膚病になったりする可能性も。また、犬が自分の体を舐めて抜けた毛が胃のなかに入り、それが溜まって腸閉塞などの危険な病気を引き起こす恐れもあります。しっかりブラッシングしてケアすることが大切ですね。

2.運動不足は天敵

柴犬はもともと狩猟犬として野山を駆け回っていました。その性質は受け継がれていますから、日頃から十分に運動させてあげなければいけません。運動不足になると肥満や筋肉の低下を起こすほか、犬自身にストレスが溜まって、無駄吠えや物を噛むなどの攻撃的な行動を取るようになってしまいます。

理想的なのは1日に2回、30分程度の散歩をさせてあげることです。柴犬は好奇心旺盛。毎日散歩コースを変えたり、コンクリート、土、草などの多様な環境に触れさせたりすると良い気分転換にもなるでしょう。

3.距離感が大切

柴犬はクールな性格をしており、独立心が強い犬種です。飼い主とは立場をハッキリとさせた主従関係を築くのが望ましく、あまりベタベタと構いすぎると柴犬にとってストレスになってしまいます。

愛犬は大切な家族であり、また友達のように感じる人もたくさんいるでしょう。しかし愛情のあまりついスキンシップを取りすぎたり、甘やかしたりしてしまうと、結果として柴犬に負担がかかり本末転倒になってしまいます。末長く仲良く暮らすためにも、柴犬とは適切な距離感を心がけましょう

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柴犬以外の日本犬

日本犬は古来から日本に土着している犬の総称です。現代では日本のみならず海外でも認知度が上がり、セレブや著名人が日本犬を飼っていることが話題になることもありますね。広義では洋犬と交配させた日本原産の犬種も含まれますが、ここではそれらの犬種は扱わず、日本犬保存会によって指定された犬種について解説していきます。

日本犬の特徴と種類

日本犬全体に言える魅力として、素朴な気品に溢れつつも威厳があり、忠実で従順な性格であることが挙げられます。見た目も似通った部分が多く、マズルと呼ばれる口元から鼻先にかけての部分が長いことや、四肢が良く発達してガッチリとした体格であること、また三角の耳や巻いた尻尾も特徴的です。

日本犬保存会が指定している日本犬は以下の6種。柴犬、秋田犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬、北海道犬で、これらの全てが国の天然記念物として登録されています。

秋田犬はハチ公物語がアメリカでリメイクされたことやロシアのプーチン大統領の愛犬であることなどから、海外でも知名度の高い犬種です。携帯電話のキャリアであるSoftBankのCMには、真っ白な北海道犬が一家のお父さん役として出演。一躍人気を博しました。頭がよく純朴な日本犬が今後も活躍の幅を広げていくのは間違いなさそうですね。

近年話題の小豆柴って?

小豆柴は「あずきしば」と読み、世界一小さな柴犬です。大きさは体高は24cmほどが平均。体重は2kg〜3kgくらいと、豆柴よりも格段に小さいことが分かりますね。ペットショップで会えることはまずないので、専門のブリーダーから購入する必要があります。また小豆柴を作出したブリーダーである富士野荘のホームページには「富士野荘以外で販売している小豆柴は偽物」という旨の注意事項が載っていますので、購入の際には下調べをしっかりすることが大切ですね。

小豆柴は見た目こそ小さくてぬいぐるみのように愛らしいですが、柴犬や豆柴と同じく忠誠心が強くてとても利口です。良い信頼関係を築けば、頼もしい家族の一員となってくれますよ。

柴犬は日本人の相棒!

柴犬は途方もなく長い歴史のなかでもあまり姿を変えず、心身ともに日本人の生活を支え続けてくれた犬種です。優しく凛と佇む柴犬の姿を見るとほっとするのは、脈々と受け継がれてきた日本人の遺伝子なのかも知れません。これからも互いに良き相棒でいられるように、人間にも変わらぬ努力が必要ですね。

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柴犬と豆柴の違いは大きさだけ?特徴や性格・飼い方の違い、その他日本犬の種類まで雑学オタクライターが徹底わかりやすく解説!

日本の家庭で飼われている代表的な犬と言われて、どの犬種をイメージするでしょうか。近年は異種同士のミックスなども増えて膨大な種類の犬がいるが、柴犬ほど日本人に馴染みのある犬種はそういないでしょう。その柴犬そっくりの小さな豆柴の需要も高まり、豆柴専門のブリーダーも多い。この記事では、柴犬と豆柴の違いや特徴から性格を踏まえた飼い方まで、雑学オタクのライターおとのと一緒に解説していきます。

ライター/おとの

柴犬の顔と尻尾に魅了され続けている雑学オタク。今までは金魚とザリガニしか飼ったことがないが、いつか赤毛と黒毛の柴犬か豆柴を二頭飼いするのが目標。今回は目標実現のために、柴犬について調べ尽くした。

豆柴と柴犬の違いは大きさにあり!

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柴犬は天然記念物にも登録されている日本発祥の犬種です。日本の家庭で飼われている日本犬のなかではダントツに多く、約80パーセントもの割合を占めています。また近年、よく名前を聞くようになった豆柴はそのコロコロとした愛くるしい姿が人気の小さな柴犬です。どちらも日本で非常に愛されている犬ですが、柴犬と豆柴の違いはずばりその大きさ。ここでは、その体躯の差について解説していきます。

豆柴の大きさ

豆柴というのは、独立した犬種の名前ではありません。柴犬の中でも小柄な個体同士を交配させて生まれた、血筋的に小さな柴犬のことを指します。豆柴は小柴とも呼ばれ、大体の体高はオスで30〜34cmほど。メスは28〜32cmほどです。体重は4〜6kgくらいが平均値とされています。

日本犬保存会は豆柴について、人為的にミニ化された体高不足犬と判断しており、公認することはないとして血統書も発行していません。しかしNPO法人の日本社会福祉愛犬協会が、独自の豆柴の血統書を発行しています。

柴犬の大きさ

公益社団法人日本犬保存会が定めた柴犬の体高の標準はオスが39.5cm、体重は9〜11kg。メスが36.5cmで7〜9kgです。豆柴の成犬と比較した場合でもその大きさは一回り以上も違い、見た目でもハッキリと分かります。

柴犬は日本犬のなかで唯一の小型犬。もともとは外で飼われることが多かったのですが、室内で飼う分にも問題ない大きさです。現代の住居や家族の在り方を鑑みると、犬を室内で飼うケースも大幅に増えているため、その調整がきくという点も柴犬の魅力と言えますね。

豆柴と柴犬の特徴

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柴犬や豆柴はポストカードやカレンダーのモデルを務めることも多いほか、イラスト化して様々な小物や製品に使用されています。その理由は可愛らしさや認知度はもちろんのこと、一目で柴犬と判別できる特徴を兼ね備えているからでしょう。ここでは豆柴と柴犬の見た目の特徴を中心に、購入時の注意点などに着目して説明します。

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