今日はロングセラー商品、「きのこの山」と「たけのこの里」の違いについて見ていきます。
突然ですが「きのこの山」「たけのこの里」どちらが好きだ?この二品を巡って総選挙なるものまで起きていたことを知っているか?人気でありますがゆえに好みが二分しているこの商品。その違いや歴史などを知れば、なぜそこまで熱い戦いが繰り広げられているかをが理解できるでしょう。
今回は、各国から様々なデザートの輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わる。デザート・お菓子類はこれまで最も担当年月が長いカテゴリー。商品選定と品質チェックのため毎日のようにデザートを食べている。

「きのこの山・たけのこの里」違いはチョコとクッキー部分

image by iStockphoto

「きのこの山」と「たけのこの里」の違い、それはズバリ「チョコ」と「クッキー部分」の二点になります。二品で同じ材料が使われているというわけではないのですね。当然材料が違えば味も異なりますので、ここでは具体的に二つの商品にどんな違いがあるのかを確認していきましょう。

チョコは味も量も異なっていた

二品のチョコ部分はどこが異なっているのでしょうか?それは、使われているチョコレートの「種類と量」です。どちらの商品も、チョコが二層仕立てになっているという点は共通しています。ただしその中身が違うのです。

きのこの山には、カカオの香りがしっかりとしているチョコを一層目に、二層目にはミルク感が強いチョコが使用されています。二層で濃いめとマイルドという違いを出していますね。また、たけのこの里には二層共にミルク感が強いチョコが使用されています。ただし、共にミルク感が強いチョコと言えど、そこはきちんと味が違うものが使われているのです。

そして、チョコの素材のみならず使用されているチョコの量にも差があり、きのこの山のチョコの量はたけのこの里のなんと1.4倍にもなっています。クラッカーが細い分、周り覆うチョコが多めなのかもしれませんね。

\次のページで「クッキー部分は実はクラッカーとクッキー」を解説!/

クッキー部分は実はクラッカーとクッキー

さて、次にクッキー部分の違いを説明しましょう。二品の生地の違いを端的に表すと、きのこの山にはクラッカー、たけのこの里にはクッキーが使用されているという点です。

きのこの山のクラッカーは、その食感を例えるなら「カリっ!」でしょう。甘さを控えた軽いクラッカーを使用することで、風味豊かなチョコとのコントラストができ、結果として素晴らしいコンビネーションとなっているのです。

一方、たけのこの里のクッキーは、食感を例えるなら「サクッ!」ですね。さすがクッキーだけあってコクも感じます。原材料を見ると、たけのこの里のみに使用されている「鶏卵」がポイントの一つだと言えるでしょう。ミルク感たっぷりでまろやかなチョコ、香ばしくておいしいクッキーという「どこをとってもトータルで美味しい」のがたけのこの里なのです。

お菓子愛の深さが日本全土を巻き込む総選挙に

image by iStockphoto

では次に、きのこの山・たけのこの里をめぐる争いについて見てきましょう。この二品を巡っては「総選挙」なるものが三回も行われた歴史を知っていますか?その詳細をご説明しますね。

総選挙の始まりは30年に渡る愛の論争

きのこの山・たけのこの里をめぐっては、1980年ごろからその争いが始まりました。その愛好者たちがどちらが美味しいかについて論戦を繰り広げ、この戦いは「きのこたけのこ戦争」と呼ばれるまでになったのです。長年のこの論争に目を付けたのが製造元の明治。この戦いを利用し、2001年に自ら「きのこ・たけのこ総選挙」という投票キャンペーンを立ち上げて、当時下降気味であったこの両製品の売り上げアップを目論んだのでした。

この総選挙によって売り上げが上昇傾向に転じたきのこの山・たけのこの里は、再び脚光を浴び国民的菓子の不動の存在にまで昇り詰めました。なお、この総選挙は一回で終わることなく、2001年に続き2018年、2019年と計三回に渡って実施されたのでした。

勝敗はたけのこ2勝・きのこ1勝

過去3回行われた総選挙。2001年の初総選挙では「きのこ党」と「たけのこ党」が争った結果、「たけのこ党」に軍配が上がりました。この選挙をきっかけに二品の売り上げが回復へと転じていったのは上述の通りです。

そして時を経て2018年は「きのこ党」 「たけのこ党」のみならず、新党「どっちも党」までもが参戦し、三つ巴の乱戦となりましたが、再びたけのこ党の勝利となりました。

そして翌年2019年の第三回では、意地を見せた「新きのこ党」が大差をつけて初の勝利を収めました。この時の党首は「新きのこ党」が嵐・松本潤さん、「新たけのこ党」は美輪明宏さんという顔ぶれ。また、選挙後にこの両党首が「ノーサイド協定」を結んだことで、今回の総選挙をもって長きに渡る争いに終止符が打たれたのでした。

\次のページで「2020年からはみんなで愛を語らう「国民大調査」へ」を解説!/

2020年からはみんなで愛を語らう「国民大調査」へ

そして翌2020年。かつて「どっちが好き?」を争った総選挙は、「どれだけ好きか?」を都道府県ごとに調査する「国民大調査」へと生まれ変わりました。

“愛は競わず”をコンセプトとしたこのキャンぺーンの結果、「きのこもたけのこも両方を愛する県」のトップは千葉県という結果が判明しました。また、なんと1県を除く46都道府県においては、たけのこ愛がきのこ愛を上回という結果に。ちなみに、唯一きのこ愛の方が勝ったのは福島県でした。

「きのこの山・たけのこの里」その始まりとシリーズ展開

image by iStockphoto

では次に、きのこの山・たけのこの里がどのように始まったのかとそのシリーズ展開について見てきましょう。

始まりは売れない「アポロチョコ」製造ラインの有効活用だった

きのこの山・たけのこの里のうち、先に生まれたのはきのこの山です。その始まりは、当時あまり売れていなかった「アポロチョコ」の製造ラインを有効に活用するための対策として考案されたことでした。

当初は改良に長年の歳月を費やしましたが、1975年にきのこの山が販売されるやいなや大ヒット商品に!どんなに増産をかけても生産が追い付かないほどの人気商品となりました。そしてその4年後にたけのこの里が発売されたのです。

実は三兄弟!?幻と化した「すぎのこ村」

きのこの山とたけのこの里、ラインナップはこの二種のみだと思っていませんか!?実はもう一つ、なかなか知られていない兄弟分、「すぎのこ村」という商品が存在していたのをご存知でしょうか。

「すぎのこ村」は、きのこの山・たけのこの里に次ぐヒット商品となることを期待し、1987年に誕生しました。これは、クラッシュアーモンドとミルクチョコをまとったポッキーのようなお菓子でした。しかし、一時はヒットしたこの商品も人気はそう長くは続かず、出荷量が減少したことを理由に1990年初頭には打ち切りという運命になりました。今となっては幻の商品です。

愛くるしいおチビちゃん「きのこの山のこ」が登場

きのこの山のちびっこバージョン、「きのこの山のこ」はご存知ですか?2021年に発売されたこの商品は、通常のきのこの山の1個の大きさが2.5cmのところ、なんと1.5cmと超ミニサイズ!そして、クラッカー部分がプレッツェルになっているところも注目ポイントです。

きのこの山・たけのこの里は、様々なフレーバー展開は見かけますが、形状違いはなかなか発売されないレアなもの。よって、この愛くるしいおチビちゃんを見かけた際には、ぜひ試されることをおすすめしますよ。

\次のページで「番外編:パロディ「たきのこの山里」」を解説!/

番外編:パロディ「たきのこの山里」

長らく続くきのこたけのこ戦争。この争いに「どちらのファンにも仲良くしてほしい!」との思いで生み出されたのが、きのこの山とたけのこの里の合体品「たきのこの山里」です。

ただしこれは、製造元の明治が作るお菓子ではなく、なんと紙粘土で作られたパロディ!チョココーティングされた土台に、きのこの山とたけのこの里が仲良く生えているというかわいらしいものです。パッケージもロゴも本物さながら精巧につくられたこの作品は、製造元の名前も「明治」ではなく「昭和」とされているなど、ちょっと吹き出してしまうようなユーモアが満載。もはやアートの域に入るこの「たきのこの山里」、ぜひどこかでご覧になってほっこりして下さいね。

違いをめぐる論争を知れば、もっともっと愛が深まる!

きのこの山・たけのこの里は、お菓子と言えど実はこんなに深い話があったのですね。調べれば調べるほど各人に「きのこの山愛」「たけのこの里愛」があるのを実感し、なんだか胸がジンとなってくるのです。おまけに、その論戦や歴史を知ると、自分の「好き」がさらに増してくることも感じます。お菓子なのにこのように胸がアツくなるって一体何なのでしょうか!

何だか明治さんのマーケティング戦略にうまく乗せられている感は否めませんが、このように人を幸せにするマーケティングならば、あえて乗ってしまうのも楽しいですね!

" /> 3分で分かるきのこの山・たけのこの里の違い!味や歴史・材料や総選挙までをお菓子のプロがわかりやすく解説! – Study-Z
雑学食べ物・飲み物

3分で分かるきのこの山・たけのこの里の違い!味や歴史・材料や総選挙までをお菓子のプロがわかりやすく解説!

今日はロングセラー商品、「きのこの山」と「たけのこの里」の違いについて見ていきます。
突然ですが「きのこの山」「たけのこの里」どちらが好きだ?この二品を巡って総選挙なるものまで起きていたことを知っているか?人気でありますがゆえに好みが二分しているこの商品。その違いや歴史などを知れば、なぜそこまで熱い戦いが繰り広げられているかをが理解できるでしょう。
今回は、各国から様々なデザートの輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わる。デザート・お菓子類はこれまで最も担当年月が長いカテゴリー。商品選定と品質チェックのため毎日のようにデザートを食べている。

「きのこの山・たけのこの里」違いはチョコとクッキー部分

image by iStockphoto

「きのこの山」と「たけのこの里」の違い、それはズバリ「チョコ」と「クッキー部分」の二点になります。二品で同じ材料が使われているというわけではないのですね。当然材料が違えば味も異なりますので、ここでは具体的に二つの商品にどんな違いがあるのかを確認していきましょう。

チョコは味も量も異なっていた

二品のチョコ部分はどこが異なっているのでしょうか?それは、使われているチョコレートの「種類と量」です。どちらの商品も、チョコが二層仕立てになっているという点は共通しています。ただしその中身が違うのです。

きのこの山には、カカオの香りがしっかりとしているチョコを一層目に、二層目にはミルク感が強いチョコが使用されています。二層で濃いめとマイルドという違いを出していますね。また、たけのこの里には二層共にミルク感が強いチョコが使用されています。ただし、共にミルク感が強いチョコと言えど、そこはきちんと味が違うものが使われているのです。

そして、チョコの素材のみならず使用されているチョコの量にも差があり、きのこの山のチョコの量はたけのこの里のなんと1.4倍にもなっています。クラッカーが細い分、周り覆うチョコが多めなのかもしれませんね。

\次のページで「クッキー部分は実はクラッカーとクッキー」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: