この記事では「口角泡を飛ばす」について解説する。

端的に言えば口角泡を飛ばすの意味は「興奮してしゃべる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「口角泡を飛ばす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「口角泡を飛ばす」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「口角泡を飛ばす」の意味や使い方を見ていきましょう。

「口角泡を飛ばす」の意味は?

「口角泡を飛ばす」には、次のような意味があります。

興奮して口からつばきを飛ばす。激しく議論するさまにいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口角泡を飛ばす」

「口角泡を飛ばす」は、つばを飛ばすくらい興奮してしゃべったり、激論したりする様子を表す言葉です。口角は口の端のことで、そこから唾液の泡を飛ばすほど、激しい勢いで議論するさまを表しているのですね。

「口角泡を飛ばす」の使い方・例文

「口角泡を飛ばす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「口角泡を飛ばす」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.生徒たちは2つのグループに分かれ、文化祭の出しものについて口角泡を飛ばして議論した。

2.選挙のニュースが流れると、父はテレビに向かって口角泡を飛ばさんばかりに持論を展開しはじめた。

1つ目の例文は、生徒たちの間で激しい議論がなされたという内容の文章です。学生時代の貴重な思い出となる文化祭で、どんな出しものをすべきか、議論に熱が入る様子が伝わってきます。

2つ目は、政治についての意見を興奮して話している父親の例文。日頃不満に思っていることがあると、ついつい感情的になってしゃべってしまうということがありますよね。

「口角泡を飛ばす」の類義語は?違いは?

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次に、「口角泡を飛ばす」の類義語を確認します。

その1「言い募る」

「調子にのることでますます勢いよくしゃべること」を「言い募る」と表現します。興奮して話すことは「口角泡を飛ばす」と同様ですが、「言い募る」にはだんだんと勢いが強くなっていくというニュアンスがあるため、意味合いの違いがあるといえるでしょう。「居酒屋で男性二人が仕事について話していたが、熱が入って一方が言い募っていた」などと使えます。

その2「まくし立てる」

「まくし立てる」は日常的に使用する表現ですね。「続けざまに激しく言う」という意味を持ちます。息継ぎをしないくらい一気に、連続して話すようなニュアンスがあり、その点で「口角泡を飛ばす」とは違いがありそうです。「男性客はサービスに不満があったのか、店員に向かってまくし立てている」などと使えます。

\次のページで「その3「舌が回る」」を解説!/

その3「舌が回る」

「よどむことなく、うまくしゃべること」を表す慣用句に「舌が回る」があります。止まることなくすらすらと話すというニュアンスのため、「口角泡を飛ばす」のような興奮して話す意味合いとは違いがあるといえるでしょう。「彼女はアニメの話になると舌が回る」などと使えますね。

その4「立て板に水」

「立て板に水」は「よどむことなく流暢に話すこと」のたとえ。「舌が回る」と同様、すらすらしゃべることを意味し、「口角泡を飛ばす」のような激しさはなさそうです。「彼が話すときは立て板に水だから、営業成績の良さには納得できる」などと使えるでしょう。

その5「弁が立つ」

「弁が立つ(べんがたつ)」という慣用句が意味するのは、「話や演説がうまいこと」。雄弁であるさまを表します。「あの議員は若いころから弁が立つ人だった」などと使えますね。「口角泡を飛ばす」が持つ、興奮して話すニュアンスとは違いがあるといえるでしょう。

「口角泡を飛ばす」の対義語は?

「口角泡を飛ばす」について、特定の対義語は見つかりませんでした。ここでは参考に、「言うことをためらう」という意味合いの用語を紹介します。

「口ごもる」

「口ごもる」には、「口の中にこもったような、不明瞭な発音をする」と、「言うことをためらう」という2つの意味があります。口角泡を飛ばして主張している人と口ごもっている人とでは、反対のイメージになりますね。「どこで遊んでいたんだと父親に怒鳴られ、息子は口ごもった」のように使えます。

「口角泡を飛ばす」の英訳は?

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最後に、「口角泡を飛ばす」の英語表現を考えます。

\次のページで「その1「have a heated discussion」」を解説!/

その1「have a heated discussion」

「口角泡を飛ばす」は、have a heated discussionでニュアンスが表せるでしょう。have a discussionは「話し合いをする、議論をする」という意味のフレーズで、そこに「興奮した」を表す英単語のheatedを付け加えます。直訳すると「興奮した議論をする」となり、「口角泡を飛ばす」がもつ「激論をする」という意味合いに近いですね。

「They had a heated discussion about the issue.」で「彼らはその問題について口角泡を飛ばして議論した」となります。

その2「talk in excitement」

「口角泡を飛ばす」を「興奮して話す」とかみ砕いて考え、talk in excitementとしても意味合いは表せそうです。excitementは「興奮」を意味する英単語ですね。「Tom is talking about politics in excitement.」で「トムは口角泡を飛ばして政治について論じている」となるでしょう。

「口角泡を飛ばす」を使いこなそう

この記事では「口角泡を飛ばす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「口角泡を飛ばす」は「つばを飛ばすくらい興奮してしゃべったり、激論したりする様子」を表すのでしたね。あなたも感情が高ぶって勢いよくしゃべったとき、「口角泡を飛ばす」を使ってその場面を説明してみてください。

今回取り上げたもの以外にも、話している様子を表現した言葉は多数存在します。辞典などを活用して調べてみるとおもしろいかもしれません。いろいろな慣用句やことわざを使えるようになり、国語力を高めていきましょう!

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国語言葉の意味

【慣用句】「口角泡を飛ばす」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師ライターがわかりやすく解説!

この記事では「口角泡を飛ばす」について解説する。

端的に言えば口角泡を飛ばすの意味は「興奮してしゃべる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「口角泡を飛ばす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「口角泡を飛ばす」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「口角泡を飛ばす」の意味や使い方を見ていきましょう。

「口角泡を飛ばす」の意味は?

「口角泡を飛ばす」には、次のような意味があります。

興奮して口からつばきを飛ばす。激しく議論するさまにいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口角泡を飛ばす」

「口角泡を飛ばす」は、つばを飛ばすくらい興奮してしゃべったり、激論したりする様子を表す言葉です。口角は口の端のことで、そこから唾液の泡を飛ばすほど、激しい勢いで議論するさまを表しているのですね。

「口角泡を飛ばす」の使い方・例文

「口角泡を飛ばす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「口角泡を飛ばす」の類義語は?違いは?」を解説!/

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